- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334753344
感想・レビュー・書評
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若い頃読んだことがあったような、知ってるようなつもりで読み始めたところ、
知ってるつもりの物語の、何倍も面白かった。
年老いた漁夫ののもとへ、緋色のマントを肩にかけ、白馬にまたがった騎士がやってくるところからはじまる。
若く美しい騎士フルブラントは、森の中で迷い、ここに辿り着いた。森の中には妖しげな白装束の男や、醜い小人や子鬼たちが…馬を鎮めながら、白装束の男に追い立てられたるようにして森を抜け出た。
そしてこの親切な老夫婦のもとで、
"この世のものとも思われぬほど美しい金髪の少女”
ウンディーネと 宿命のようにであうのだった。。
この物語は、魂(こころ)とは無縁に育ってきた水の精の子ウンディーネが、フルブラントと出会い、愛を知り、魂を得てしまうが故に、不幸を知ってしまう物語。。
ウンディーネの生まれたての純粋な魂と、人生の波の中をだだよってきた、フルブラントとベルタルダの魂との対比が、物語を深く悲しくしていた。。
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ドイツロマン派の代表作。
フケーの水の精は、アンデルセンの人魚姫などにも影響を与えているらしい。
三島由紀夫の小説や、若草物語でも出てくる。
フルトブラントはひどい男だと思うけど、心変わりはするものだし、人間でない得体のしれないものを一生愛し続けるって難しいのは確か。
そしてウンディーネはいきなり素行の良いかつ悲劇的な人間になったけど、かえって人間じゃない感が生まれた。人間ってもっと自己的だし、変わっていくものだよなぁと。
でも、泣いたしとても素敵な小説だった。
水の精を題材にした、映画『水を抱く女』も観てきた。バッハのAdagio, BWV 974が美しい。
これは、ウンディーネがフルトブラントにあたる男性を殺し、水に帰るまでに、もう一人心優しい男性に出会い恋をする話。人生でたった一人しか愛せない、それが間違いでも運命を引き受けなくてはいけないって酷だなぁ。
だって、出会うタイミングに左右されるし、愛するって感覚がわからないまま人生がスタートしてゴールまでいってしまう。 -
水の精霊と騎士の悲恋を描いた物語です。
哀しく美しいファンタジーとして味わうか、
キリスト教的なお話と受け取るか、
それとも人間の愚かさを描いた作品として読むか、
近代、現代文学に慣れ親しんだ身には
かなりもの足りない感じがしますが、
文章が簡潔であるだけに、
その分、想いを巡らす余地が
ふんだんにあることに気づかされました。
この小説は1811年に発表された作品で、
ドイツロマン主義の名作と言われているようです。
本作が世に出ると
たちまち数か国語に訳されるほど
当時の評判はすごくて、
あの文豪ゲーテも〝ドイツの真珠〟と絶賛したとか。
また、この物語は戯曲やバレエ、
オペラにもなっていて、
絵画のモチーフにもなっています。
近年も映画化されるほど人気のある作品のようですね。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2 -
古典作品だけど訳の良さで読みやすかった。映画「水を抱く女」を観たので元ネタが気になり読んだ。フルトブラントを殺したくないのに殺さなければならなかったウンディーネ、愛する人を2人とも失くしたベルタルダ、どちらのヒロインも悲しくて何とも言えない後味でした。
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アニメARIAのウンディーネという曲が美しかったので読みました。
追記: ウンディーネはオンディーヌか!と今さら気づいた。 -
ウンディーネちゃん、かわいい。