舟を編む (光文社文庫 み 24-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334768805

感想・レビュー・書評

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  • 「流星ワゴン」重松清作→「舟を編む」

    素直に他人の想いや情熱を認め、受け入れ、変わることができる、西岡さんや岸辺さんが素敵です。

    荒木さんや松本先生、松本先生の奥さん、アルバイト、誰かが欠けると「大渡海」はいいものにならなかったんだろうな、と。

    当然、「編む」の意味は検索済み。

    湊かなえの「リバース」とか、「舟を編む」とか、しっくりくる題名に、感銘を受けています。

    「流星ワゴン」も「舟を編む」も、ビデオ借りる!

  • 評判に違わず引き込まれました。辞書まっしぐらの主人公たちよりも、彼らに次第に感化されていく西岡や岸部さんに共感したし、この人たちがいるから作品に奥行きが出ているように思う。

  • まじめ君のキャラもラブレターもクスッと笑えて
    ほっこり

    だけど西岡が大好きだ!
    40過ぎてもメールで「チャオ」とか書いちゃうところと仕事に葛藤するギャップが最高

    辞書作りの過程もとても興味深く面白かった

  • この作品は映画で知り、何度も見返すほどに好きな作品でした。原作を読み、馬締役の松田龍平さん、西岡役のオダギリジョーさんの配役はマッチしてるように感じました。

    昨今、ネットによる誹謗中傷が社会問題であるが、本来、言葉の持つ力とは、「傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかと繋がり合うための力。」であるのだ。

    言葉を扱う本作品では、言葉で伝えることの難しさも教えてくれる。愛を伝えるとき、紙の材質を伝えるとき、味を伝えるとき、感謝を伝えるとき。

    「言葉ではなかなか伝わらない、通じ合えないことに焦れて、だけど結局は、心を映した不器用な言葉を、勇気を持って差し出すほかない。相手が受け止めてくれるよう願って。」

    用例採集から始まり、編纂を経て、何十年という時をかけ、作り上げられる辞書は、作った人の人生が表されていると思うと、今までとは違った重みを感じる。今度書店に行った際には、いろんな辞書を手に取り、「大渡海」のように、そのタイトルに込められた気持ちに思いを馳せてみようと思います。

  • 読もう読もうと思って読んでなかった本です。
    なんか辞書を作る話って聞いて面倒くさそうって思ってました。
    でも今読んでよかったと思います。
    遅いかもしれませんがLGBTQもSDGsもよく聞くようになって初めて調べると言った具合です。
    でもそれってスマホで調べたりするけど辞書に載る時どう表現するのか?
    もちろんこの本が出たときはそれらの言葉はまだなかったはずです。だけれど『男』『女』を調べたとき昔の辞書と今の辞書と説明の仕方が変わってるんですそのことが今のLGBTQにもつながるなーって私もスマホばっかりですぐ調べないで辞書をもっと使ってみようかとおもってみました。
    広辞苑とかもみるのも楽しいかもって思いました。

    本を読んでから中で作ってた『大渡海』という辞書もちろんないとはわかってるけど辞書探してしまいました。

  • 最近はググっちゃうのが普通で全然使わなくなってしまった辞書。
    辞書にお世話になってた遠い昔?には言葉の説明、解釈、意味、使い方。ほぼほぼあの一冊に入っているのが当たり前すぎて、辞書そのものに関心が向かった事はなかった。
    たまには辞書を使ってみようかな?

    大渡海の舟を編む少し地味な話に
    馬締さんと香具矢さんのほんのりした恋愛や、西岡さんとの友情やら…ほんのりと、時にふふっと笑ってしまうようなシチュエーションも多い三浦しおんさんワールド。読んでいて気持ちが穏やかになった。

  • 主人公よりも西岡に共感しました。
    我ながら歳を取りました。

  • ブクログを始めてから、言葉についてたびたび立ち止まって考えるようになった。発想豊かなブク友さんが書く書評に触発されるからだ。上手い文章つながる本や語彙が増えそうな本に目が留まれば手にとっているのだが、本作もその一貫で選んで読んでみた。

    内容は、これといった取り柄のない主人公と辞書編集部の面々がそれぞれの立場から辞書を完成させていく物語。堅い内容を想像していたら意に反して、のっけから言葉遊びが始まりスラスラと読めてしまう。「犬。そこにいるのに、いぬ。はは、おかしい。」という調子だ。

    本作の良さは、辞書つくりに前向きな登場人物ばかりでない点だと思う。一般に辞書は生活をサポートしてくれるもので、小説や雑誌のように生活の中心にはなり得ない。そんな読書が抱くであろう距離感を前向きでない人物を登場させることによって上手く表現している。そんな構図が辞書に興味のない読者からも、きっと支持されているのだと思う。

    意識したことはなかったが、辞書のような身近にあるものに人の努力が込められている。この小説を読まなかったら、何も考えず時間が過ぎていったのかもしれない。

  • かなり好きな本でした。
    辞書ってこんなふうに作られてるって知れてよかったです。
    本に登場するまじめさんもかぐやさん、西岡さん、佐々木さん、荒木さん、松本先生、おばあちゃんみんながちゃんと物語の中で生きていて誰も悪者がいなくてほんわかしました。
    もっと早くに出会いたい一冊でした。

  • 言葉という海を渡る舟を編む
    『大渡海』辞書編纂のお仕事小説。
    登場人物の数人の視点から物語は進んでいくが、それぞれが辞書を愛し、膨大で地道な作業の積み重ねをただひたすら一直線に邁進していく。
    ひとつ間違えば“変人”と思われそうだが、そこがまた愛らしくてイイ!

    巻末の馬締の恋文全文&実況解説が最高に笑えた。
    これを受け取った香具矢はさぞ混乱しただろう。。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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