洋食セーヌ軒 (光文社文庫 か 59-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772444

感想・レビュー・書評

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  • 食べ物にまつわる短編集。
    美味しい料理を絡めた素敵な大人達のお話。
    どの話も風情豊かで、人生を積み重ねてきた大人の気取りのない格好良さが垣間見える。
    気兼ねなく楽しめる行きつけのお鮨屋さんがあったり、紹介したくなるような天ぷら屋さんがあったり、何年経ってもその味が忘れられない洋食屋さんがあったり。
    年齢を積み重ねるが故に見える景色には、きっと味わい深い世界が広かっているのだろう。

  • 主題はのり弁やオムライス、そして上海蟹やフレンチなど多種多様な食材と料理。そこに男女の機微や洒落た人生模様が織り交ざった味わい深い短文集。おまけに「お職」なんていう言葉に出会えるのも嬉しい。

  • 食い物は舌が覚えている

  • 食事と人生のほんの一時を切り取ったような17の掌編集。

    年配の登場人物が多いことから哀愁だったり郷愁だったり機微が漂っているような。
    食事シーンでもその人のこれまでが会話に表れている。
    食べ物の描写も上手くて美味しそう。
    牡蛎フライとか本当に美味しそうだった、話はまるうとか好きだなぁ。

  • 再読でも出てくる料理がどれも美味しそうでした。
    美味しいご飯が食べたい…!魚料理が特に美味しそう。
    この年代の作家さんなら自然なことなんだろうけど、登場人物たちが昔の友人や同級生と再会したら二言目には配偶者や子どものことを訊きがちなんだな…と時代の流れを感じました。そしてだいたい、出てくる女性が未亡人でほんのり恋の香りで。。
    でも料理蘊蓄は無くて、健啖家の人も多くて好きでした。いっぱい食べる人はいいなぁ。

  • 一編が短くて隙間時間に読むのに丁度いい。
    食べ物の描写は堪らぬ美味しさを伝えてくれるのに物語の邪魔にならないほど控え目で登場人物たちのささやかな交流を引き立てていて気に入った。

  • 浅学にて神吉拓郎は初読だが、なんと豊かな短編世界。なんの事件も起きることなく、ただひとつの季節のひとつのシーンがそっと切り取られて差し出されるのみ。筆力がないとできないですなー。
    昭和のなかごろには、こんなにかっこうのいい男とっくに女がいたのね。
    食べ物の描写は見事のひとこと!

  • it like a gourmet essay. anyway, it was lost El Liloron in Yokohama.

著者プロフィール

1928年東京生まれ。小説家・放送作家・エッセイスト。NHKで放送台本を手がけた後、都会的なタッチの小説・エッセイを発表。1983年『私生活』で直木賞受賞。主な著書に『洋食セーヌ軒』(光文社文庫)、『私生活』(文春文庫)、『ブラックバス』(文春文庫)、『たたずまいの研究』(中公文庫)ほか多数。1994年死去。

「2016年 『神吉拓郎傑作選2 食と暮らし編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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