インデックス (光文社文庫 ほ 4-12)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334775063

感想・レビュー・書評

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  • 今や随分と長いシリーズとなった姫川玲子の文庫版最新作。

    読み始めは、短編集であるだけに「もう少し読みたいのにっ!」と一話毎のボリュームにものたりなさを感じたけれど、読み進めていく内に、この本はこのシリーズのこれまでとこれからを繋ぐ大事な基点となるんだなと考えを改めさせられた。
    そういう意味ではこれは短編集ではなくて、しっかりとした長編小説なのかもしれない。

    解説も読みごたえがあってすごく良かった。
    書評家さんとしてしっかりと距離を保ちながら、しっかりと作品への愛情を感じられる文章だった。

    しかし、『ストロベリー・ナイト』が映像化されると最初に聞いた時にはキャスティングの意外さに不安を覚えたけれど、今となっては文字を追っている時に頭で動いている映像はドラマの役者さん達。
    演じた役者の方々の力もあるけれど、最初の二時間ドラマを作った時のスタッフの方々の作品への思い入れの強さと努力を凄く感じる。

  • 待ちに待った文庫化。即購入。

    【アンダーカバー】
    あいまいにぼかされた事件の結末には少々消化不良なものの、姫川玲子の格好よさが見事に表現されていて、◎。

    【女の敵】
    実は2回目。姫川モノの新作短編が載ってるらしいからというだけの理由で、普段はあまり興味が湧かないはずの著者ファン向けの本「誉田哲也All works」を購入したっけ、と懐かしい思い出が(笑)。

    【彼女のいたカフェ】
    唐突に第三者視点で語られ始め、「シンメトリー」の表題作を思い出した。
    “彼女”がストーカー化するのかしら?
    “現在”に事件を起こして犯罪者として相対することに?
    ・・・などとの予想は気持ちよく覆され、「良かったねぇ」と語りかけたくなるような結末に安堵。この話、好きだな。

    【インデックス】
    表題作としては、インパクト薄め。
    本庁復帰の内々辞に、シリーズとしての物語の動きが見えて、テンション上昇。
    井岡、好きだな(笑)。

    【お裾分け】
    新生姫川班、ついに誕生♪
    ラスト、やんちゃ坊主(?)の小幡巡査部長の“ツン”ぶりが微笑ましい。早晩、“デレ”も現れてくるのだろうが(笑)。
    いわくありの新着任上司に値踏みの眼差しを向ける部下たちをどう手なずけていくのか、次の話が楽しみ。

    【落としの玲子】
    閑話休題。コメディ回? (笑)
    ガンテツの差し出した写真。交換条件に何を求める?
    「感染遊戯」の経緯から推して・・・新生姫川班へ、手腕を認めた葉山をねじ込ませようとする・・・と予想。きっと、次の話を読めば結果が分かるのだろうな。
    2017.08.24.書

    【夢の中】
    うん?どゆこと?
    少し前に居所不明児童のニュースを見かけた記憶はあるので、それに絡めた時事ネタということか。仕掛けは理解できるが、背景もも少し詳しく知りたかったかな。
    小幡くん覚醒への0・5歩目……になるか?

    【闇の色】
    ↑と続きモノだったのね。モヤモヤは解消、スッキリした。事件は・・・やるせなさ過ぎるね。育児放棄、それが、現実にもあり得る(いやきっとたくさんある)のがまた、やりきれない。

    小幡くん、活躍。
    菊田、復帰。

    最新作の文庫化が待ち遠しい。いや、文庫化されるまで待ちきれないかも・・・いやでも、本棚には全て同じ装丁で並べたいし・・・と、葛藤(苦笑)。

    ★4つ、9ポイント。
    2017.08.25.新。

    さて、新生姫川班に菊田も戻り・・・この流れなら葉山や湯田が関わってくるのもそう遠くはなさそう、ということで、再度の映像化(連ドラでも映画でも2時間ドラマ枠でも)をして欲しいと願う。

    (実際、連ドラのDVDには「season1」と銘打たれてたはずだし)

    だけど・・・小出恵介があんなことになってしまってはね・・・。馬鹿なことしやがって(怒)。

    • ことぶきジローさん
      『プラージュ』のコメントありがとうございます。自分の出身は盛岡で、就職で一関に移住しました。その後、転勤で福島に来て、2年になります。これか...
      『プラージュ』のコメントありがとうございます。自分の出身は盛岡で、就職で一関に移住しました。その後、転勤で福島に来て、2年になります。これからも宜しくお願いします。
      2017/10/02
  • 警視庁捜査1課姫川班が再結成に向けて動き出す。

    『女の敵』
    殉職した大塚と出会った事件。
    被害者女性に優しくよりそう、大塚…
    大塚の葬儀に参列した被害者女性…

    大塚の優しさ、を感じる…
    『ストロベリーナイト』でしか知らない、大塚。
    なのに、大塚の存在は忘れられない。
    姫川が大塚を決して忘れず、事あるごとに、大塚のことを意識するからだろう。

    『夢の中』『闇の色』が、衝撃的。
    あまりにも切ない…

    こんな子どもたちは本当に居るのだろう。
    どうにかして早く発見できないものだろうか…

    峯岡重樹がかわいそうでならない…
    彼の人生はなんだったのか…
    まともな生活もできず、まともな教育も受けられず。
    殺人犯として、生きていかなければならないこれから…

    せつない…


    菊田も警視庁捜査1課へ復帰。

  • お~菊田!菊田!菊田!お帰り~!!久し振りの姫川玲子。今回は短編小説で複数の事件にかかわる玲子、様々な貌を見せる 。漸く捜査1課に戻ることができたが、組む相棒は何故か井岡。井岡と玲子の漫才が復活し、不愉快ではあるがとても嬉しい。また、玲子のマル被逮捕への執念は変わらず熱い!姫川班で亡くなった大塚と玲子の最初の関わりの話には心打たれる。また、若かりし玲子が登場、カフェで分厚い刑法の本を読み漁り(ブケホ昇進試験だっけ?)、疲労のために激しく寝落ちする玲子の可愛らしい姿を思い浮かべ幸せな気分になった。

  • 長編が読みたい!というのが率直な感想。最後の話が少し長めだったけど、やっぱりこういうのが好きだなと。シリーズとして必要な巻だし、いろんなところで発表された短編を集めた1冊だから、多少の物足りなさはスルーしよう。とか言いつつ「彼女のいたカフェ」は好き。

  • 夢の中と闇の色、は相当気分の悪い話だった。いやもう、母親の方、本当に無事じゃなければ良かった。姫川の暴走っぷりは読んでいて時折疲れるのだけど、それは凡人である私は彼女の思考に全く付いていけないからだと思う。「んーん」「んん」とかちょっと気になってきて、そうなるとイラっとしたりもしました(´-ω-`)菊田もなんか言い方が誤解をあえて生むような感じがあって、読後はなんだなかなぁ、という感じ。次巻に期待したいです。

  • 最後のはよかった。ウルウルきた。

  • 短編集ということだけど、一話で一つの事件が解決するとかじゃなくて、一話で一つのエピソード、という感じなので、スッキリしないというか、中途半端なところで終わるように感じるものが結構あって、それが残念だったかな。
    でも玲子のキレはいつも通りなので、ヨシとしよう。
    でも最後の菊田登場はちょっと唐突だったっかな…

  • 姫川玲子シリーズも『ストロベリーナイト』から始まってこれで7冊目。そしてシリーズでは2冊目の短編集となる。
    長編と違い、短編は全体的にほのぼのとした印象もあるが、物語によっての緩急の付け方、手に汗握る緊張感は相変わらず。
    一方で慣れ親しんできたメンバーによる姫川班の姿がもう見られないのかという寂しさを一層感じる巻にもなる。まあ組織には変化がつきものと考えれば、ごく自然な成り行きでもあるが。
    シリーズも完結間近かと勝手に思っていたが、まだまだ続きそうですね(たぶん)
    「新生」姫川班の今後の展開を楽しみにしている。それにしても姫川さん、井岡とのご縁がお強いようで、なんだかんだお似合いなんだよな(笑)

  • 短編集。
    その中で「彼女にいたカフェ」が良かった。
    学生時代の姫川のエピソード

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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