アジア怪食紀行: 「発酵仮面」は今日も行く (知恵の森文庫 c こ 10-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334782665

作品紹介・あらすじ

ベトナム、ラオス、ミャンマー、ウイグル、モンゴル、中国、韓国。ご存じ「冒険する舌」小泉先生が、アジア各地の食世界を舞台に、自慢の五臓六腑で八面六臂の大活躍。街を歩き、人と交わり、妙味と出会い、珍酒に酔う。100枚にも及ぶ写真と洒脱な文体で綴る、大いなる胃酸となる旅行エッセイ。アジアは実に美味しい。

感想・レビュー・書評

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  • 小泉先生は、発酵学の大家である。だから、発酵仮面なのだ。
    その人が、アジアの料理を貪り尽くす。
    発酵仮面は、鉄の胃袋を持って、貪欲に食べる。
    縦横無尽というか、
    ラオス、ベトナム、韓国、モンゴル、ウイグル、ミヤンマー、
    中国とアジアを駆け巡る。
    好奇心の塊で、その地元の珍しい食材を、
    地元の調理法で、喰らうのである。
    カイ・ルゥク、イシガメの蒸し焼き、大ネズミの燻製、
    ブタの血豆腐、ヒツジ料理、ナマズ料理。
    砂トカゲの姿焼き、センザンコウの炒め物、ヘビ料理、イヌ料理。
    全体で話題は、動物系食材ですね。
    植物についての珍しいものがない。

    ラオス、タイはメコン川の流域で、川魚の宝庫。
    それを巧みに、香辛料やバナナの皮で、匂いを消して、
    ニョクマム(魚醤)で、味付けをする。
    辛い料理が多く出てくるが、なぜそのようになったのか
    が、あまり歴史的に考察されない。
    食の歴史的な考察するというスタンスはないのが、軽薄でいい。

    食とは、おもしろく、楽しめればいいのだ。
    こうやって、考えると、ニンゲンは、食に対して保守的である。
    何で、そこまでして、〈食〉の冒険家にならなくてはならないだろう。
    たしかに、小泉文体は、軽快で楽しいく、読みやすい。

  • 擦り切れるほど読んだ一冊。元々あった食への興味がこの本で完全に目覚めた。見たことも聞いたこともない食材の数々が洒落混じりの快活な文体で描かれる。トカゲやら蛇やら未知の発酵食品やら・・・食文化に興味がある人もない人も手にとって損はしない。

  • 何でも食べる小泉さんの怪食紀行。。

    ベトナム、ミャンマー、中国、韓国、モンゴル…。
    ほんとにどこでも何でも食べる食べる。
    何でも、というよりむしろゲテなモノを選んでいる。。

    虫からトカゲから犬から、内臓から爪の先までホント何でも。

    でもそれは私たちが普段食べるものとして目にする機会がないから
    ゲテと思うだけで、現地の人々は当たり前のように昔から食べていて
    しかもそれは医食同源だったりする。
    食べるには理由がある。

    ただゲテを紹介するだけじゃなくて、その裏側の人々の暮らしなんか
    も紹介されていてとてもおもしろかったです。
    もちろん、どんな味がするのか、どんな食感がするのかなんかも
    詳細に書かれていて楽しめます。。

  • これもすぐにでも旅に出たくなる本。国内ではガラスの胃腸なのになんで海外だとチャレンジしてしまうんだろう・・・・。

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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