人間性剥奪

著者 :
  • 光文社
3.06
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911027

作品紹介・あらすじ

「みんな、給食食べるのやめて! 」

教室内で突如起こった、毒物混入殺人事件。
犯人はいつ、どうやって毒を入れたのか? そしてその目的は?
生徒、教師、保護者それぞれの秘密と思惑が交差する――
「このクラスでは、もっと以前から何かが起きていたんだ」

予測不可能なラストに息を吞む、著者渾身の本格ミステリ!

都内のとある中学校の給食時間。突然、複数の生徒が苦しみ出し、五人が病院へと搬送、うち二人が死亡した。デザートのフルーツみつ豆に毒物が混入されていたのだ。
捜査を担当することになった刑事の岩崎尚子は、給食時の座席表を見て、被害者のひとり宮内祐里の席のまわりだけが、ぽっかりと空いていることに違和感を覚える。
さらに生徒が撮影したスマホ動画を調べていると、皆が混乱しているなか、奇妙な動きをする男子生徒を発見し……

感想・レビュー・書評

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  • 最後,面白いのだけど登場人物が微妙.なんというか「みな同じような知能レベルの人」の印象.
    人には,色々な事情,色々な視点,色々な考え方に色々な考える能力がある.この一冊の本の中の登場人物がみな「作者の頭の中から出てきたんだろうなぁ」となんとなく感じてしまった.そのため「なにか平坦」と感じてしまった.個人的な感想.

  • タイトル強烈。
    ストーリーには、あまり関係ないけど、
    好きな言葉があった。
    本を読むことは、生きること、旅をすること、笑うこと、泣くこと、愛すること、たたかうこと。

  • 都内のとある中学校の給食時間。突然、複数の生徒が苦しみ出し、五人が病院へと搬送、うち二人が死亡した。デザートのフルーツみつ豆に毒物が混入されていたのだ。捜査を担当することになった刑事の岩崎尚子は、給食時の座席表を見て違和感を覚えるーー

  • 教室内で突如起こった、毒物混入殺人事件。犯人はいつ、どうやって毒を入れたのか? そしてその目的は? 生徒、教師、保護者、それぞれの秘密と思惑が交差する…。予測不可能なラストに息を呑む、本格ミステリ。
    中学校の給食に毒混入。二名死亡。虐められていた1名が助かる。助かった虐めリーダーにTV謝罪を犯人が要求。謹慎中刑事が捜査に加わる。容疑者の(虐めされたていた子供の)父親と塾教師が死体で発見。
    担任教師が女子トイレで盗撮していたので真犯人の動き(貧乏ゆすり)がわかった。
    虐められていた子の携帯のなりすましていた子が風邪薬を混入。
    容疑者の塾講師が携帯なりすましで、子供と連絡。
    なりすまし同士で連絡していた。
    刑事が気が付いていた。
    虐められていた子の母か元女優。犯人はファンだった。動機は虐め報復ではなく、元女優である母へのアプローチ。

  • 中学の給食に毒物混入。そのクラスではいじめに似た「結界」という行為が行われていた。被害者はいじめの被害者側と加害者側。なので教室という密室の中での犯人当てだと思ったら親とか塾講師とか出てくるし犯行声明なんか出て世間を揺るがす大事件に発展するし。の割には小さくまとまった印象。派手なタイトルに派手な結末を期待したせいか。

  • 「人間性剥奪」
    教室内で突如起こった、毒物混入殺人事件。


    ★あらすじ★
    <blockquote>
    都内のとある中学校の給食時間。突然、複数の生徒が苦しみ出し、五人が病院へと搬送、うち二人が死亡した。デザートのフルーツみつ豆に毒物が混入されていたのだ。捜査を担当することになった刑事の岩崎尚子は、給食時の座席表を見て、被害者のひとり宮内祐里の席のまわりだけが、ぽっかりと空いていることに違和感を覚える。さらに生徒が撮影したスマホ動画を調べていると、皆が混乱しているなか、奇妙な動きをする男子生徒を発見し。
    </blockquote>


    無差別殺人の現場となった中学校ではいじめが蔓延し、後に犯行声明を発表する”人間性”は、更なるテロを予告する。根底になるのは曲がった正義。その正義を実行しようとする”人間性”、そして忘れるべからず”報道”が、事件を皿更なる混沌へ導く。そんなミステリーです。


    犯人と思しき人物、刑事 等複数の登場人物の視点で物語が進行し、犯人候補がどんどん出てきます。一人の犯行に対して、別の人間が犯行を被せ(犯行を行うことを人間性を剥奪することで出来ると、この小説では言い表している)、読者を惑わす設計になっているように思います。


    一番、恐ろしいのは担任の女性の先生。女子トイレを盗撮したことを自白する際、”!”が出てくる表現に違和感が合ったのもあるのですが、介護の資金を稼ぐ為に盗撮に走るとは。恐ろしい。因みに盗撮を買っていた業者の逮捕から、彼女の犯行が露呈するのですが、結局、彼女の言い分が正しいのか業者の言い分が正しいのかよくわからず、話は終わってしまいます。全体的に、犯人候補がどんどん出てくる割には、その犯人候補が犯人ではなく別の犯行をしていたとわかると、さくっと描写は終了する傾向が強かったかなと思います。真犯人ではないにしろ犯罪は犯罪なのだからもう少し描写を描き切ってもよいような・・・。


    全体的に警察は振り回されっぱなし。唯一一人の刑事だけが、真相についていくのですが、この刑事は主人公ではない立場で出てきたと思いきや、結局、彼がメインでしたw。犯罪者の思考が分かるという点では草彅剛主演「スペシャリスト」の宅間と若干似ていますね。ちなみに、この刑事、一時犯人ではないかと疑われる始末。どうして犯人説が浮上したのかしっくりこないけど。


    ミステリーとしては、さくっと読める仕上がりになっています。複数の犯行が被さって、本当の犯行が隠れ、最後に真犯人が出てくる。いったい誰が真犯人かを考えながら読み進める点は、王道を踏んでいるかなと思います。


    人間は、人間性を剥奪するからこそ、犯行を犯す。だから真犯人の動機はすごく直感的なものだったんだろうと思います(おそらく、これが動機?と感じると思いますが、結局人が犯行を犯すときは、そんなもんだということを言いたいのではなかろうかと)。

  • 意外と軽く読めた
    もっと重苦しい話かと思いきや、展開も早いし、変な説明めいたところもなく(ちょっと状況は察してみたいなところがあるけど)
    犯人の目星は早いうちに想像がついたんだけど、犯行の理由がなんだかなぁ…と
    伏線もちゃんと話に綺麗に繋がってて良かったけど、最後がなぁ…
    もったいない

    2016.829読了

  • ちょっと気分が悪くなってしまう、個人的には苦手なタイプの話。
    登場人物が入れ替わりで出てくる構成はすきだけど、いかんせんテーマが、、重かった。。。

  • ミステリ。サスペンス。いじめ。中学校。
    なかなか複雑な物語。
    思わせぶりな展開が続きながら、真相は少しインパクトに欠ける気もする。
    それでも、非常にテンポが良く、先が気になる展開に一気読み。
    なかなか楽しめた一冊。著者の他の作品も気になります。

  • 謹呈感謝。タイトルはひどいが、犯人の意外性、トリックの新しさ、複雑なストーリーを整理したリーダビリティ、なかなか健闘している。ミステリとは名ばかりのキャラクターや雰囲気に頼る作品が多い昨今、めずらしく直球の推理小説。賞レースにからむかもしれない。

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著者プロフィール

1960年埼玉県出身。北大教養部理Ⅲ系中退、一橋大学経済学部卒。2010年『ラガド煉獄の教室』で第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。著書に『人間性剥奪』『ブラッグ』『ハンザキ』『困った作家たち』など。ショートショートから長篇まで、幅広く執筆している。twitterで「両角長彦の140字小説」発信中。

「2020年 『ある実験 一人選べと先生が言った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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