月輪(がちりん)先生の犯罪捜査学教室

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911188

感想・レビュー・書評

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  • 月輪探偵シリーズ。読んでみると再読だった。
    今回は月輪探偵が帝国大学の学生三人に犯罪学を教えるという体裁なのだが、座学ではなくフィールドワーク形式。
    実際に事件が起きた現場に行って捜査をしたり、進行中の事件を見守ったり、警護に駆り出された現場で事件が起きたり。

    衆人環視状態のビルの五階から屋上に出たまま消えた男が離れた場所で遺体となって発見された事件。
    有名画家の家を訪ねて来た男が画家に会わずに屋敷の庭を抜けて消えた翌日、画家の子供が誘拐された事件。
    空き家になった館での幽霊出没の噂の真偽を調べるために館に入ると男の遺体に出くわした事件。
    伊藤博文公暗殺の情報を得て政府高官の海田邸で行われるパーティーに警護に行くと、伊藤公ではなく海田が殺された事件。

    パターンとしては三人の学生が推理を披露するが全くの外れで、最終的に月輪探偵が見事真相を看破しトリックと犯人を明らかにする。
    学生たちが的外れな推理を披露するも帝大生のプライドと月輪の助手である蘭子への鞘当てで毎回張り切っているのが救い。
    しかし警察のようなマンパワーがあるわけでも警察権力で踏み込んだ捜査が出来るわけでもないので、少ない材料で推理しろというのも無理があるかも知れない。

    そんな状況で、月輪がいない避暑地で三人だけで幽霊屋敷や過去の事件まで調べる第三話はかなり頑張っていたと思う。それなのに最終的に月輪に突き付けられた真実の残酷さは切なかった。

    トリックなどは楽しめたが、学生たちの推理の稚拙さには辟易するところがあったり、月輪も後出しで新事実や新たな登場人物を見せたりするのが狡いなと思ったり、ミステリーとしてはフェアではないところも感じた。
    ただ月輪が学生たちをフォローしたり彼らの推理をヒントに真実に行き着いたりする点はホッとした。
    後の学生たちが誰も探偵にはならなかったところは仕方ないか。

  • 先に学生3名の推理が披露されるので、なんだか回りくどく感じてしまいました。
    事件自体はわかりやすくて良かったです。

  • 短編集。
    帝大で犯罪捜査学の講座を受け持つことになった月輪龍太郎が、三人の受講生を引き連れて実際の犯罪捜査に挑む。
    失踪事件、誘拐事件、幽霊怪談、密室殺人と4つの事件が描かれているが、帝大生たちの推理合戦が楽しい。しかしミステリとしては、真相が明かされたときの爽快感に欠ける気はする。

  • 名探偵・月輪龍太郎が大学の講師となり学生に犯罪捜査学を教えるというシリーズのスピンオフ的な作品。三人の学生が推理を披露して最後に月輪が事件の謎を解くという多重解決ものですが、学生たちの回答は一定の質を保っていますし、四人の掛け合いが面白いので楽しく読めます。
    しかし解決編になってから重要人物、情報や証拠が出て来ることがあるので、ミステリーとしての出来は今ひとつかなと思います。

  • 短編集。1作目、冒頭のシチュエーションが、もう「エラリー・クイーンの冒険」の「アフリカ旅商人の冒険」まんまじゃないですかー!!(というところで、ニヤリと笑えました)
    クオリティは、まぁ、短編だし学生がそれぞれ推理を披露してその後真打ち登場というパターンなので、こんなもんかな、という印象。

  • 初の短編集でしたが、なかなか四編とも面白くワクワクしながら読めました。
    ただ二作がこのシリーズの某作と似た仕掛けだったのは、少し残念でした。

  • 月輪シリーズの短編集てことで、もとの話は読んでないのに、いきなり続編から読んでしまった。
    話は普通かな。
    特別な目新しさもない。

  • ※図書館

  • 2016/09/23読了

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