焼跡の二十面相

著者 :
  • 光文社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334912772

感想・レビュー・書評

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  • 星5にしようか散々迷ったが、原作ではなかった性的な描写やアルセーヌ・ルパン、アニメのルパンなどが出てきたので4にした。ただ、二十面相の話し方や仕掛けの描写は原作そっくりでだった。また最も大事な設定である、血が嫌いなところも原作通りで良かった。

    私が少年探偵団シリーズを読破したのは小学4年生くらいの頃で、今はほぼ倍の19歳。なかなか感慨深かった。奥多摩の鍾乳洞や黄金の虎など、原作の描写が走馬灯のように蘇った。
    当時は歴史の知識がなかったが、戦前の話だったのだと知り驚いた。戦後を力強く生きる小林くんに励まされ、明智先生が帰ってこない心配と、早く二十面相と対決して欲しいという気持ちでいっぱいだった。明智先生が「背がのびたね」と小林くんに感慨深げに言うところで泣いてしまった。

  • 語り口調でナレーションが入る、まるでNHKの朝ドラのような文面で書かれていた。そのせいか、ドラマを見ているように各シーンが目に浮かぶ。最後はもう誰が敵で誰が味方かわからなくなりそうなほど、逆転に継ぐ逆転で目まぐるしい。小林少年の奮闘も微笑ましく、楽しく読める作品だ。

  • 1945年8月15日の敗戦直後
    名探偵明智小五郎は応召していまだ戻らず、文代夫人は軽井沢で療養中

    麻布龍土町にある焼け残った明智探偵事務所の留守を守っていたのは、明智探偵の信頼篤い“小林くん”こと少年探偵団団長の小林芳雄少年でした

    その小林くんが自転車で渋谷の闇市に出かける途中で出会った不可思議な殺人事件

    警視庁の中村警部が首をかしげる謎を小林くんが解いたところから物語が始まります

    国宝級の逸品をめぐり蠢く大財閥の総帥
    それを狙うのは奥多摩の鍾乳洞で逮捕されたはずの世紀の大怪盗怪人二十面相

    明智先生はいつ帰ってくるのか
    賊に囚われた小林くんの運命やいかに

    《昭和を代表するダーク・ヒーロー、
     巨匠の筆に乗り、
     平成の終わりを駆け抜ける。》──帯の紹介文

    「少年探偵団」シリーズへのオマージュがそこかしこに

    「明智先生バンザーイ! 少年探偵団バンザーイ!」

    “痛快無類の冒険探偵小説!”──帯のコピー

    1932年生まれの著者が戦争への悔恨を込めて敗戦直後の世相を描き出す“社会派ピカレスクロマン”、2019年4月刊

  • 小林少年と二十面相の息の合った?共闘がいいですね。

  • 本家の雰囲気や文体を漂わせながら、終戦直後の小林少年が事件に巻き込まれてゆく。二十面相は生きているのか?召集された明智先生は帰って来るのか?小林少年が単独でも冴えた謎解きや、行動を見せ格好良い。二十面相シリーズを好きだった中学生~高校生に良い。春画や慰安婦の話題が出てくるので、小学校には不向き。

  • 小林少年らしさや雰囲気はでてる気がして良かったが少し物足りない気もした。だか所々の表現が魅力的なところもあったのでよかった。

  • ポプラ社の少年探偵団シリーズの雰囲気が
    出ている。

  • #焼跡の二十面相
    #辻真先
    江戸川乱歩の名作、少年探偵団シリーズへのオマージュとも言える作品
    終戦直後の日本。
    主人公は少年探偵団のリーダー小林少年。
    小学校以来の乱歩もの。
    懐かしさがメインで、ストーリー展開なんかは手が込んでない。
    ちょっと物足りなさはあったけど、続編があるみたいなんで、そっちに期待。
    #少年探偵団
    #怪人二十面相
    #明智小五郎
    #昭和のダークヒーロー
    #読書

  • 少年探偵団の話。ちょっと大きくなってる。

  • 本家を思わせて、懐かしい。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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