おとぎカンパニー 日本昔ばなし編

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913250

感想・レビュー・書評

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  • ショートショートの新鋭、田丸雅智さん。
    前回読んだ「おとぎカンパニー」は、外国の昔話の今風アレンジ版だったが、こちらは日本昔話版。
    タイトルの'日本昔ばなし'の文字もあの懐かしいアニメ番組を思い出させる字体となっている。

    今回も奇想天外な発想だが、きちんとオリジナルを捉えているところが流石である。
    どれもスイスイと読め、面白さに唸る。

    「4(舌切り雀)」は、4のそのフォルムからの発想、なんとなんと!10ページあまりという短さで、見事なオチ。読み聞かせ放送に使わせて頂こうと思う。

    他にも
    ありえない設定なのに、何故か素直に読めてしまう
    「一寸上司(一寸法師)」や、
    工学部出身の田丸さんだからこそと思える「ロゴから生まれた(桃太郎)」など。

    そのアレンジ力に舌を巻いた。
    2020.7.12

  • 読みやすい作品です。
    昔話に準えている部分もありますが、発想はオリジナリティがあってどれも楽しめました。

    鬼の救い(こぶとり爺さん)、ピン(笠地蔵)、百中の射手(那須与一 扇の的)がよかったです。

  • ショートショートなら星新一ですよね。
    面白いけど自分には遠く及ばないと思います。
    現代のショートショートという事かな。

  • 2019年12月光文社刊。書下ろし。シリーズ2作目。12の短編。話のオリジナルティが高く、予測できない展開が楽しい。一寸上司(一寸法師)、4(舌切り雀)、将門の呪い(平将門)が、面白く好み。
    目次:一寸上司(一寸法師)、4(舌切り雀)、ロゴから生まれた(桃太郎)、わらしべエージェンシー(わらしべ長者)、鬼の救い(こぶとり爺さん)、RYU―GU(浦島太郎)、桜守(花咲か爺さん)、将門の呪い(平将門)、水玉ころりん(おむすびころりん)、お札の力(三枚のお札)、ピン(笠地蔵)、百中の射手(那須与一 扇の的)

  • 読みやすさは◎です。
    やや元のお話と無理矢理つなげてる感もありますが。
    絵も可愛らしくストーリー的には読みやすいので、読書が苦手な方もすぐに読める作品だと思います。

  • 短編って いいです。 また、メチャな題材とストーリーが現代で面白いです。
    素晴らしい作家さんですね

  • 誰もが知っている昔話などを現代を舞台にアレンジしたショートショート。どれもひねりが利いていて、くすりとさせられたりほっこりさせられたり。
    お気に入りは「鬼の救い」。まさかそういう話になるとは。ラストがとっても切なくて印象的でした。
    「将門の呪い」もいいなあ。どれだけホラーな話になるのかと思いきや、とってもユーモラス。絵面はホラーではありますが、こんな状況になったら笑っちゃうよなあ。

  • シリーズ2作目。
    中でも「お札の力」(三枚のお札)はお気に入りだ。
    幼い頃、毎日のように、母に「三枚のお札」の話を寝る前にせがんでいた。
    お札が「まだだまだだ」というところ、鬼婆が「だましたなぁ!!!!!」と迫ってくるところ。
    わかっているから、予想と同じ展開になることで安心し、でもちょっと昨日とは違うところにワクワクし、話の途中で寝てしまっていた。
    さて、そんなお札が現代のコールセンターで勤務している。
    鬼婆は、カスタマー。
    クレーマーなのだが、最後この鬼婆、もとい、お客さまがどうなったか。
    この結末はすごい!

    「一寸上司」は小物すぎる上司の話。
    ヒーローだったはずの一寸法師が、発想の転換で「ちっさい男」になってしまっている(背が低いという意味だけではなく)。
    ちょっと笑ってしまうが、こういう上司、いるいる。

    どれも短いドラマでやって欲しい話ばかり。
    馴染みのある物語がベースだからこそ楽しめる。

  • 昔話が現代風にアレンジされた、12編の物語
    心も身体も一寸な上司や、ロゴから生まれた桃の女の子
    どの物語もとても魅力的
    将門の呪い(平将門)の物語が特にお気に入り
    首が外を飛び回ってたら、めっちゃホラーだと思うけれど見てみたい気持ちも…
    RYUーGU(浦島太郎)の筋肉祭りにもクスッとしてしまった
    1冊前に読んだ別作品での筋肉の印象に引きずられた感が強い

  • 浦島太郎のアレンジがバカバカしくて良い。

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著者プロフィール

(著者プロフィール)
田丸雅智(たまる まさとも)

1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部卒、同大学院工学系研究科修了。
2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。
12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。
「海酒」は、ピース・又吉直樹氏主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。
坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、
現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。
書き方講座の内容は、2020年度から小学四年生の国語教科書(教育出版)に採用。
2021年度からは中学一年生の国語教科書(教育出版)に小説作品が掲載。
17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。
著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。
メディア出演に情熱大陸、SWITCHインタビュー達人達など多数。

「2023年 『憂鬱探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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