比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども

著者 :
  • 光文社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913786

感想・レビュー・書評

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  • 短編&ショートショート集。

    本人は必至なのに、正しく伝わらず、事態が悪い方へと転がっていく。
    全体的にコミカルなコントのノリで、おもしろかった。

    知っている話や、ありがちな設定こそ、意外な展開がたのしい。

    風刺であっても、ユーモアがあって、おかしみがある。

    「日本昔話 金の斧 銀の斧」「シンデレラ・アップデート」「比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども」が、特におもしろかった。

  • 笑いが止まらない!
    小説で腹を抱えて笑う事ってほとんどありませんが
    藤崎翔先生の小説はそのレベルで面白い!
    どの小説を読んでも期待を裏切りません。

    こちらの書籍は、社会問題まで取り扱っております。
    しかも結構シビアな状況。
    なので、ストーリーによっては若干しんみりする箇所もありますが、「笑い」は忘れていない。
    1つ読み終わる毎に「今回も笑えた、嬉しい」みたいな感情が生まれてきます。

    ”伝説のピッチャー”は実はよくある話なのかあ、と思ったらゾクッとしました。よく有名人が突然亡くなったりするニュースがありますけど、裏ではこの話のような事が起きているのかもしれないですよね。

    ”心霊昨今”も切り口がイイ!
    DV、幼児虐待などを扱ってますが、なんであんなに暗くならないのか!笑
    若干しんみりしますが、笑いを盛り込むタイミングの良さは最高です。
    そして、ラストの切り替わりの速さ!
    もう唸るしかない。さすがです!

    タイトルの”比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども”は政治を司る人は是非とも読んでいただきたいですね。
    これもラストの切り替わりの速さが素晴らしいです。

    最近思うのですが、藤崎翔先生の小説があればメンタル疾患にはならないんじゃないかと。
    メンタルにも効く小説、いかがですか?笑

  • 読むコントとは言え、今と昔そして未来も絡めたブラックユーモア(風刺も)満載で隙間時間にサクッと読める。

    三十年後の俺 は少し泣ける…

  • 作者さんの他の作品を探していて見つからず、同じ棚にあったこれを手に取りました。まさに読みながらコントを見ているような気分になりました。スキマ時間にサクッと読むのにちょうどよいです。

  • あー、面白かった!
    元お笑い芸人による、読むコント。短編とショートショートの全12編。
    全部楽しく読めた。
    表題の悪魔の話と、タイムマシンの話、ピッチャーの話、心霊の話、どれもよかった。最初の金の斧銀の斧も。結局全部面白く、ハズレなし。
    他の作品も読みたい。
    読みながら笑える作品を、ありがとうございました。

  • フェイスブックの「おすすめの本」グループで紹介された本。題名だけに惹かれ、あまり期待しないで図書館で借りてきましたが、拾い物でした。ご紹介ありがとうございました。
    著者は藤崎翔さん。もともとはお笑い芸人。「神様の裏の顔」で横溝正史賞を受賞された小説家でもあります。
    本書は6編の短編小説と6編のショートショートで構成されています。「読むコント」とオビにある通り、どれも笑える話です。

    6編の短編小説をネタバレなしで紹介すると

    1)日本今ばなし 金の斧 銀の斧
    「昔」ではなく「今」というのがミソ。
    2)一気にドーン
    題名からオチがわかってしまいますが、話の展開が上手く、とても良くできたコント。
    3)伝説のピッチャー
    そうなるようなぁという展開。
    4)心霊昨今
    ユーチューバー対幽霊という発想の妙。
    5)比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども
    表題作。先が読めない展開でした。
    6)30年後の俺
    個人的には、この作品が一番好きです。洒落た作品だと思います。

    短編小説やショートショートでは、設定が良すぎると展開が負けてしまう場合もあります。この本のすごいところは、どの作品も起承転結がはっきりしていて、ストレスのない読後感が得られたというところです。
    娯楽短編集のお手本のような本。星5つのお勧めです。

  • 読むコントのオムニバス。

    最高。どれもこれもほんとうにくだらなくて面白かった。

  • タイムラインで見かけて、面白そうだなと思って読んでみました。
    短編の間にショートショートが挟まるという形式の12編。作者は元お笑い芸人らしい。ユーモアたっぷりでちょっと風刺的なところもあり、楽しめました。
    お気に入りは「三十年後の俺」そういうオチかと。
    「宇宙人用官能小説」は声に出して読みたくなった(笑)

  • 「読むコント」とは言いえて妙な短篇&ショートショート作品集。ユーモラスでブラックさもあり、しかしちょっといい話になったりするものの。気軽に読めて気軽に笑える、とても楽しい一冊です。
    お気に入りは「心霊昨今」。死者への畏敬の念を抱かせるために長年心霊写真に写り続ける幽霊の物語。そうだよね、たしかに昔よくあった心霊写真特集なんてさっぱり見なくなった気がする……と切ない気分になりました。そんな中で奮闘する幽霊の行動に笑える部分は多いながらも、しんみりほっこりする物語です。
    「シンデレラ・アップデート」にはとても納得! 昔から疑問に思っていた部分に容赦なくツッコミを入れ、さらに糾弾するシンデレラがカッコいい! むしろ現代ならこの展開の方が受けるかもしれません。
    表題作「比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども」も痛快。「悪魔党」、こんなのホントに出てこないかな……なーんて思っていたらこのオチにもやられました。個人的にはこのオチ、ありです。

  • めちゃくちゃ面白い。
    現代の問題点を風刺していて
    そうきたか〜!!っと感服。
    これはオススメ。

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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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