ミーコの宝箱

著者 :
  • 光文社
3.90
  • (40)
  • (64)
  • (47)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 302
感想 : 61
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929022

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 子持ちの風俗嬢ミーコの半生。
    両親に捨てられ、父方の祖父母の元で育ったミーコ。
    その祖父母とも絶縁、シングルマザーになったのち、子供を育てるために風俗の道へ足を踏み入れた。

    壮絶?な反省を送っていたようだが、決してすれることなく、優しく、暖かな心を持った女性として育ったミーコ。

    ハートウォーミング系の展開ですが、そこここに違和感を感じながら読みました。
    おばあちゃんの厳しいしつけは愛あればこそなのは、読者には十分わかるのですが、ミーコ本人には伝わっておらず、結局絶縁したなんて。
    お墓に掘られる名前で、祖父母の生死を確認するなんて、悲しすぎです。
    強く育ってほしいと願ったおばあちゃんの想いで、縁を切られてしまったのでしょうか?
    それってどうなの~。

    『大事なことほど…』がすごく良くて、気になる作家さんでしたが、今回は、女性陣の話し方というか、セリフ回しと言うか、その辺にも違和感を感じてしまい、気持ちよく読めませんでした。残念。

    でも、端々に散りばめられた素敵なフレーズは、やっぱり良かったです。
    小さな幸せさがし、いつも心掛けていきたいものです。

  • 森沢作品の中では、ちょっと敬遠していたけれど、
    森沢さんだった。

    ミーコの生い立ちは複雑だけど、愛が溢れていた。

    だからこそ、
    愛する人、大切な人ときちんとお別れすることをしてほしかったな。
    おばあちゃんと生きているうちに分かり合えてほしかった。

    大体、鏡のところは、
    わかりそうなもんだけどなぁと思ったりも・・・

    そうしたら、
    ミーコの生活も少しは変わっていたのかもと思ったり。

    宝物を集めながら生きて行くことを教わった
    ミーコの心は豊かであることはまちがいなのだけれどね。

  • 幸が薄い生い立ちと半生。でも彼女は人を優しく包み込む、愛し方を知っている…そして支柱なる宝物を育て上げる。そんな彼女だから人から愛される…そして周りの人の宝物となる。優しすぎて涙腺を刺激しすぎる表現、宝なる温かな言葉を次々と降りかける…森沢さん読破本の中でも自分的に最上位となる一冊♪。

  • 青森3部作と同じ、章ごとに違う主人公に語らせる方式で、物語が進行していきます。
     16歳でミーコを生んだ母親は子育て放棄で失踪、父親もアメリカで店を任せてもらえるというチャンスに育児放棄して、自分の両親つまり、ミーコの祖父母にぽいっと預けて行ってしまった。
    そんな風に両親の愛情を受ける事無く育った、ミーコ。
    そんな環境だから、孤独の影を持っているけど、祖父母から貰った、「ありがとうの手」と「宝物を見つける目」という素晴らしい言葉がミーコの人生にプラスをもたらしていく。
     孤独な人に寄りそう事の出来るミーコ、どんなにひどいことをされてもその人に笑顔を向けられるミーコ。
    そして、自分の娘チーコを宝物にして、ありったけの愛情込めて育てるミーコがだんだん好きになっていく。
    すっごく感動して泣けたし、最後にチーコもミーコも幸せになるハッピーエンドがとっても嬉しかった\(^o^)/

  • そうか、ミーコも虹の岬の喫茶店に行ったことがあるのね。。。

    他人をうらやむのではなく、今、この手の中にあるものを大切にして、日々どんなにささやかなことであっても楽しみ、ありがたく思えるような人になりたいものです。

    心が温かくなる一冊でした。
    ちょうどクリスマスがちかづく今の雰囲気にも合っています。
    私はかわいい娘に、何を贈ろうかしら

  • 【あらすじ】
    ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは……。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。

    【感想】
    ミーコの芯の強さ、考え方、本当にすごいなとただただ感心した。あんな辛い境遇の中で育っても、いつかは辛かった時のことを笑顔で思い出せる日が来るんだと思った。

  • ありがとう。の言葉の大切さを再確認できる。
    日常の中の幸せの大切さ。、

  • ミーコは小学一年生の娘をもつ32歳の風俗嬢。父母に捨てられ、祖父母に育てられる。両親のいないミーコが、他人から後ろ指を指されないように、祖母は常軌を逸するくらい厳しく彼女を育てる。彼女の娘チーコが結婚するまでの二人の過去、現在の物語。祖母に言われた「ありがとうの手」を目指して、娘のために頑張って生きるミーコに、励まされる母親も多いだろう。

  • 2014.03.13読了。森沢さん作品は2冊の絵本と「虹の~」含め4冊目。読み友さんの感想で気になり購入しました。(最初の過激な描写に驚きました) 主人公はミーコ。両親に捨てられ父方の祖父母に育てられその祖父母はもういない…おばあさんの躾(お話の中では虐待と表現されています)とても厳しいですが愛情がある厳しさだと思いました。おばあさんに「"ありがとうと言われる手"になりなさい」と言われたミーコ。「小さな宝物を見つける目」を持ったミーコ。そして大事な娘チーコを授かったミーコ。ミーコのように素敵な女性になりたかったな、と思います。

  • 自分だけの宝箱に入っているものは他人から見たらクズかもしれないが、宝箱を一杯に出来る人生はキラキラかがやくものだろう。日常の中に宝物を見つけて感謝する。長い時をかけ祖母の宝であるチーコが愛と言う贈り物を受け取り、娘に宝物の見つけ方を教え、自分の宝箱と供に愛を贈る。私は自分の宝箱に家族のささやかな幸せを沢山入れて行こう。あふれる笑顔に包まれる宝箱に。

全61件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森沢明夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×