神様のケーキを頬ばるまで

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929282

感想・レビュー・書評

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  • 日々を苦しみながらもなんとかしようともがく人々の短編集。

    なんといっていいかまたわからない本と出会ってしまった。いうなればフランス映画のような空気感。
    凡庸とした日々こそが人生なのだ。

  • 女性作家女性作家してる感じの方なんやな

  • 美味しい食べ物系の明るい物語かと思ってたのですが、全体的に暗く重めの物語でした。
    短編集だけど、どの話も希望が見える終わりかただったので良かったです。最後のパンケーキの話が一番好き。

  • 人の弱いところや醜い想いが現実を苦しくしてしまうこともあるけど、それでも救いは必ずあるはず。そう信じたいと思いました。ありがとうございます。

  • なんか ホロって来たんだよ

  • きっと、新しい一歩を踏み出せる。

    221ページ。装幀:鈴木久美 装画:西淑

  • ウツミマコトと錦糸町の雑居ビルが人々をうっすら繋いでいる連作短編集。ウツミマコトの作品の評価の分かれ方が面白い。

    「泥雪」
    ウツミマコトの絵を大切にするマッサージ店の店長。DV夫に愛されていると思いたかった。息子はどんどん彼に似てくる。絵の価値をじぶんで決められない。
    紺色のペディキュアの理保。そして相手。この道を選ぶきっかけの女性。怖くても、言葉にしたら何か変わるかもしれない。桜色のペディキュア。

    「七番目の神様」
    正直、タイトルは…。
    どう言ったら相手が喜ぶかが分かる。だけど、もうそれだけじゃ我慢ができない。相手に自分を好きになってほしい。
    「メン・イン・ブラック」百点満点だ。

    「龍を見送る」
    好き。
    自分が一番相手の良さを引き出せると思いたかった。でも、無理をしていたのも事実。相手が輝けるのなら、応援する。だけど、もうそばにはいられない。
    「そばにいなよ」と思う反面、離れなければずっと苦しいままだもんね。

    「光る背中」
    イケメン、金持ち、そんな彼の一番になりたい。
    新着メールは届いていません。
    女を振り回してムカつく!と言いたくなるけれど、相手をアクセサリーとして見ていたのはこちらも同じ。
    ウツボのフィギュア、プロレス。芦原さんはちょっとできすぎかな。

    「塔は崩れ、食事は止まず」
    一緒にやってきたはずだったのに、そこが苦しい場所になっていた。憎まれ役を演じているつもりで、自分だけが頑張っているつもりになっていた。私に刺さる。
    ホームセンターでの仕事と同僚、その子どもとの出会いを通して少しずつ変わっていく。変わった今ならまた会えるかもしれない。

  • 5つの物語からなる本。
    図書館で見つけてタイトルに惹かれて借りてみた!

    錦糸町にあるビルに入ってるお店で働いてる人たちが、それぞれ主人公。
    どの話も微妙に、「あ!前に出てきた人や!」って脇役というか風景というか背景というか微妙に登場したり。

    最初の話は、絵の所がすごく素敵だが物語が進むにつれ主人公の家庭の話になりそこは微妙だった。

    あー、この本微妙かなーと思ってたら気付いたらこの本の虜になってた笑


    2番目の「七番目の神様」は結構好き!
    河原でおじいちゃんと畑で取れた野菜食べたり、老人たちに混じって青空囲碁したり、すごーく素敵な休みを過ごしててほっこり。
    お店で小銭が合わなくて地べたを這いつくばってる所も印刷的。


    3番目は「龍を見送る」これも結構好き!
    展開的には読めるしよくある展開なんやけど、なんか心に残る。
    バンド解散した時の朝海の荒んだ心からの、爽やかなラストが素晴らしい!
    そして、古書店の店長もサバサバで好き。


    4番目は「光る背中」もなかなか良き。
    特にウツボのしおりさんと、同僚の澄子さんが素敵!


    ラストの「塔は崩れ、食事は止まず」も結構好き。
    パンケーキが食べたくなる!
    始めは主人公が結構嫌いなタイプやったけど家でパンケーキ作る所からなんか好きになった。

    ナミエハルヒコとオオノアマネってどっかに出てきた?なんか見たことあるような??

    1番目の「泥雪」で出てきたマッサージ屋のおばちゃんも出てくる。
    優しい人やし三鷹でも幸せに頑張ってほしい!

  • ウツミマコトの「深海魚」
    同じ作品なのに登場人物が抱く印象や感想が違って面白いなーと。
    考えてみれば、現実では当たり前なことだけど
    一主人公を中心に描かれるのとは違って、連作ということでこういう機能の仕方もあるんだなと思った。
    人間ってどんなことがあっても、食べて、寝て、働いて
    そしてまたいつか笑える日がくるんだなー。
    5人の登場人物の悩みってどれかしら自分に当てはまるところがあるんじゃないかな。
    わたしは、"七番目の神様"が自分に近いと感じて
    "龍を見送る"が好きでした。

  • 短編集ではあるけど、映画監督やビルなど些細な繋がりのある人達の話で、まとまっていて読みやすかった。読後に充足感があって、日常に彩りをくれる。この方の作品はもっと読みたい。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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