父の生きる

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334977634

感想・レビュー・書評

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  • 最後のページの詩が一番印象に残った。

    あたしは多分自分の父の介護をすることはないだろう。

    でも「親の介護とは、親を送るということは、自分の成長の完了じゃないかと」というのは、ちょうどおばさんの葬式の直後に読み始めたというのもありきっとそうなんだろうとなんか納得。

    ほんとどうするんだろう。
    きっとそんなに遠くない未来。

    てかカルフォルニアと熊本を往復しながらのお父さんの介護生活。
    いろいろ悔やむ部分も多い著者だけど、その距離が距離にならないのはやはり強いものがあるからなんだろうな。


    ちょっとあとで多分加筆。

  • ■2014.04 新聞

  • 自分が子供だった時の若い父や母に会いたい。愛されて育ったニンゲンが帰り着く気持ちなのだと思う。

  • 介護というのは、かくもすさまじいものなのか。親を看取ることは、自分もそこで生きるということ。
    「退屈で死にそうだ」といいながら「何もする気力がない」、生きるとはかくも大変なこと。でも生き続ける人間。

  • 長寿とは孤独との戦いなのかもしれないと、この本を読んで、また自分の母をみていてそう感じた。
    親しい人が(伴侶、友人)がだんだん少なくなり、自分の体も思うように動かせず、目、耳も機能が衰えて、でも残された時間は神のみぞ知るで、お迎えが来るまでは生きなければいけない。
    この父が、誰か強盗に入って俺を殺してくれないかな、この発言と母の、もう長く生き過ぎたわ。もう死んでもいい。かといって自殺もできないし。という発言にもう幕を下ろしたいという共通のが意識感じられて切なくなる。
    でも、この父はテレビで野球や時代劇を観る楽しみがあっただけまだいいかも。
    最期まで自分で歩けて、認知症にもならず自宅で過ごせたのも幸いだったと思う。

  • これが老いの真実なんだろうな。もちろんこのお父さんと違う進行をする人もいるだろうけど、人はだんだんに衰えて、死ぬ。
    衰えるっていうことは死ぬ準備なのであって、ピンピンコロリの方が、不自然で無理があるような気がしてきました。

  • 海外で暮らす娘と年老いた父との電話のやりとり。退屈をどう克服するかが、これからの老後のテーマですね。

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著者プロフィール

伊藤比呂美
1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。80年代の女性詩人ブームをリードし、『良いおっぱい 悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が共感を呼び、人生相談の回答者としても長年の支持を得る。米国・カリフォルニアと熊本を往復しながら活動を続け、介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)『犬心』『閉経記』『父の生きる』、お経の現代語訳に取り組んだ『読み解き「般若心経」』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』を刊行。2018年より熊本に拠点を移す。その他の著書に『切腹考』『たそがれてゆく子さん』『道行きや』などがある。

「2022年 『伊藤ふきげん製作所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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