ブロックチェーンと法-〈暗号の法〉がもたらすコードの支配

  • 弘文堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335358159

作品紹介・あらすじ

国家の法は、〈暗号の法〉を飼いならせるか

 デジタル通貨を支えるテクノロジーとして注目され、国のインフラから企業活動、さらには私たちの日常生活にいたるまで広範な利活用が期待されているブロックチェーン(分散型台帳技術)。高度な復元力を有し、透明性がありながら改ざんに強いという性質から、自動的・自律的に執行されるスマートコントラクトしかり、国境を越えた迅速な決済や金融商品売買の円滑化を媒介者なしで実現する、社会的・経済的活動の新たなインフラとなることが期待されています。しかしブロックチェーン技術を応用したサービスや活動が既存の法律や規制に必ずしも適合するわけではなく、国境を越えた犯罪行為にも悪用されることも容易に予想され、さらにその先には、国家を超えた「アルゴクラシー」すなわちアルゴリズムによる支配をどう規制するかという、国家の統治システムにかかわる本質的な問題が控えています。刷新し続ける情報技術をいかに飼いならし、社会実装していくか――本書は、ブロックチェーンの光と闇を、技術的な基礎から説き起こしつつ法的に探究することを通して、これからの〈情報社会と法〉を考えるための視座を提供します。

(※本書は、2018年にハーヴァード大学出版局から刊行された Blockchain and the Law: The Rule of Code の全編翻訳です。)

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001184889

  • 「法の支配」が「暗号の支配」にとってかわられるのではないか、というのが本書を貫くテーマである。法の手当てが済む前に、コード=暗号による取引の執行が進んでしまう場合の懸念を検討している。これまではブロックチェーンの技術的側面の話が多かったが、「ビットコイン・スタンダード」といい本書といい、様々な視点からの意見は検討に値する。

  • 原題:Blockchain and the Law: The Rule of Code (Harvard University Press 2018)
    著者:De Filippi, Primavera
    著者:Wright, Aaron
    編訳者:片桐直人
    訳者:栗田昌裕 三部裕幸 成原慧 福田雅樹 松尾陽
    ジャンル 憲法一般
    情報法・インターネット法
    法哲学一般
    判型:A5 上製
    頁数:316
    定価 4,400円(本体4,000円+税)
    発行日:2020年11月刊
    ISBN 978-4-335-35815-9
    Cコード 3032

    国家の法は、〈暗号の法〉を飼いならせるか


     デジタル通貨を支えるテクノロジーとして注目され、国のインフラから企業活動、さらには私たちの日常生活にいたるまで広範な利活用が期待されているブロックチェーン(分散型台帳技術)。高度な復元力を有し、透明性がありながら改ざんに強いという性質から、自動的・自律的に執行されるスマートコントラクトしかり、国境を越えた迅速な決済や金融商品売買の円滑化を媒介者なしで実現する、社会的・経済的活動の新たなインフラとなることが期待されています。しかしブロックチェーン技術を応用したサービスや活動が既存の法律や規制に必ずしも適合するわけではなく、国境を越えた犯罪行為にも悪用されることも容易に予想され、さらにその先には、国家を超えた「アルゴクラシー」すなわちアルゴリズムによる支配をどう規制するかという、国家の統治システムにかかわる本質的な問題が控えています。刷新し続ける情報技術をいかに飼いならし、社会実装していくか――本書は、ブロックチェーンの光と闇を、技術的な基礎から説き起こしつつ法的に探究することを通して、これからの〈情報社会と法〉を考えるための視座を提供します。
    https://www.koubundou.co.jp/book/b535996.html

    【簡易目次】
    はじめに 
    Part1 ブロックチェーンのテクノロジー
    Chapter1 ブロックチェーン、ビットコイン、非中央集権型コンピュータ・プラットフォーム
    Chapter2 ブロックチェーンの特徴

    Part2 ブロックチェーンと金融・契約
    Chapter3 デジタル通貨と分散型決済システム
    Chapter4 法的契約としてのスマートコントラクト
    Chapter5 スマート証券・デリバティブ

    Part3 ブロックチェーンと情報システム
    Chapter6 耐改竄性のある、真正で、信頼のできるデータ
    Chapter7 復元力と耐改竄性のある情報システム

    Part 4 組織と自動化
    Chapter8 組織の未来
    Chapter9 自律分散型組織
    Chapter10 ブロックチェーン・オブ・シングス

    Part5 分散型ブロックチェーン・ベースのシステムと規制
    Chapter11 規制の態様
    Chapter12 法としてのコード

    結論

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著者プロフィール

(Primavera De Filippi)米ハーヴァード大学バークマン・クライン・センター研究員、仏国立科学研究センター研究員

「2020年 『ブロックチェーンと法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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