- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784335651052
作品紹介・あらすじ
名著「甘え」の構造の著者が書き下した待望の第2弾!飛躍!日本の「甘え」から世界の「Amae」へ-名著誕生から30年、大きく育った「甘え」理論の決定版。
感想・レビュー・書評
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前の著作である『甘えの構造』を読む途中で切って、その「はじめに」の言葉に従ってこの本を先に読むことにしたので、混同している可能性アリ。
「甘え」という概念が日本文化特有である――のではなく、人間が本来持っている「甘え」という精神的要素に対し、日本人が他国人よりも、昔から自覚的であったという。
はじめにいくつかの文学作品から、甘えの概念を見て、その作者の人となりにも触れることで、概念と甘えの捉え方の違いなどを理解させられる。そして、『甘えと何何』という形で、いくつもの面で甘えが人間にもたらす影響について語られる。
面白かった。
「甘え」という言葉は、通常批判的な意味で使われる。しかしそれが、人間の根本に関わっていることと併せて考えれば、この時代この日本で、自分の甘えをどう使って生きていくかも、個々人に見えてくると思った。中でも俺にとって直接的に語られたのは
『「落ち着く」心理は「甘え」を前提としていて、それを含んでいるように思われる』から始まった。
『「落ち着いた人」は、実際に落ち着く場所を持っているというよりも、内的に落ち着くところを持っていると考えられる。言い替えれば、身近なところに甘える対象がなくても、精神内界に甘える対象を持っているので、どこに居ても落ち着いた状態を維持できると考えられる』そうだ。
このような甘え方は、実際に(所謂通常の意味、批判的な意味で使われる)「甘えている」とは言われないだろうなと思いながら、納得するところが大きかった。俺は自分の武に甘え、落ち着きたい。そのためには、甘えられるに足る、自分が本気で俺は強いと信じられる俺でいなければならない。それから、やっぱり落ち着ける、甘えられる場所も欲しいではあるなぁ。時には甘えられる、そんな場所をつくるのも、現代日本でより良く生きるための重要スキルであると思う。
最後の章である「第七章 二十一世紀の日本に向けて」では意見が大きく分かれそうな分野にも言及していたが、ほとんどすべての文章に納得できた。というより、以前読んだ本に書いてあり、その当時自分の腑に落ちて吸収できた内容に、再び出会った気分だった。この本の初版が平成13年であったので、インスパイアされた著者の本であったのかも?
トラウマとしての敗戦、西洋コンプレックス、日本人と宗教、差別用語と言葉狩り、いずれも深い共感に止まらず、それまで感じていた感覚を言語化してもらった気さえする。俺のような一個人は自分に心地よく楽しめて、自然に受け入れられる宗教観を無意識に生きていけばよいと思う。宗教家や一部の作家など、その文化を導く人たちは、自覚して把握し、思想を乗せてもらいたい。
もう一つ。甘えに対して日本語が先進しているならば、他の言語にもそれぞれ先進した精神要素への理解があるのだろう。西洋はスタートが早かっただけに終わっているのだろうが、後進国はどうだろう? もし未開の民俗といわれるような人々に固有な言語があって、それが今まで見落とされていた概念に深い理解を持っているなら、人間は幸福に向けて一歩進めるかもしれない。夢が広がりんぐ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/490106 -
日本人及び日本社会を論じたベストセラー『「甘え」の構造』の続編。前著発刊後に寄せられた批評も踏まえた上で、日本人特有の「甘え」理論について解説する。
第1篇 「甘え」について
「甘え」の文例
「甘え」の概念
「甘え」の心理
「甘え」の変遷
「甘え」の行方
第2篇 時代的考察
「甘え」と自立
二十一世紀の日本に向けて -
①140429
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『「甘え」の構造』(弘文堂)の続編です。
「甘え」の例を、夏目漱石や太宰治、志賀直哉の小説のなかにさぐり、その内実をさらにくわしく考察する論考や、「甘え」が「迎合」にすり替わってしまう現代社会の問題に切り込んだ論考などが収められています。 -
『「甘え」の構造』出版後、様々な批判を受けた著者がそれに応えるべくして出版した続編。前著で曖昧だったことが明瞭となっている。
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興味ある分野ゆえにとってもおもしろい!
甘えが人格に関係するから、現代の犯罪とか虐待、精神病に関連してくのがおもしろい。 -
良く分からなかった