- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336044822
感想・レビュー・書評
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陽子が牧子好きすぎて、牧子のお母さんが亡くなったときに他の女の子から霊前にと貰った白の花束を自動車の窓から放り捨ててしまうところが好きです。人の心がない
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3人のキャラクターがしっかりしていて面白い。野ばらさんの注もセンスあって素敵w
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ずっと気になってました吉屋信子さん。
ようやく読みまして…。
好きやッ!!!!!
少年少女モンに弱いなあやっぱり。 -
大正ロマン・華あるレトロという言葉が頭に浮かぶ。
少女(乙女)小説。
今より不便で男尊女卑も激しいのに、なんだか憧れさえ感じてしまう。
美しい文体と細やかな描写に気持ちが持っていかれた。
3人の乙女(とあえて書く)たちの物語。
陽子・牧子・一枝…性格も生活環境も違う少女たち。
野ばらさんの註釈も楽しめてしまいます。
気軽に読めるような雰囲気、、2倍楽しめた。
この物語の文章全体が美しいのだけど、
ラスト前後の特に美しい文章に、ため息をつきそうなほどの美を感じた。
こんな素敵な物語を知ることができて嬉しい。
野ばらさん、ありがとう。 -
鋭くかつ面白い解説・注釈のおかげで、一層面白く読めた。
読者層が少女を前提とした読み物だが、男尊女卑的思考や当時の女子が置かれた自分の将来さえままらなぬ不自由な状況等、とにかく、考えさせられることが多かったな……。 -
図書館で。
少女小説といえばこの方、みたいなイメージはあるんですがそういえば読んだことないかも、と思い借りてみました。昔は陰湿なイジメとかあまりなさそうで何より。
それにしてもこの頃の女の子だって父に従い、弟を立て、母の言うことを守るという押し付けられた女性の姿に疑問を持っているのにいつのまにかそれが女性の役割なんだから、と納得してしまっている辺りが恐ろしい。洗脳みたいだ。それにしても金持ちお嬢様は孤独な彼女の何が気に入ったというのだろう?顔か?顔なのか?(笑)
個人的感想ですがよくわからないなら注釈なんて書かなくて良いんじゃなかろうかと。ああいうのは雰囲気で読んでも何とかなると思うので… -
香水の種類は頻繁に変えてはいけないという。同じ香水をつけ続ける事により他者はその香りと人を結びつけ、例えその人がいない場所で香水の香りを感じた時、その香りの所有者を思い起こされるのだそう。
この小説でもその様な場面があった。お金持ちでブルジョワの女学生の憧れの的、陽子の使っているわすれな草の香りの香水である。わすれな草の匂いなんてどんな香りがするのだろうか。Derbeというメーカーにグリーンフローラル、つまりわすれな草の香りの香水がある。陽子本人がこの香水を使っていたかは不明だが、近いような感じなのだろうか。
この小説の舞台は、戦前のある女学校。軟派の中の女王、硬派の大将、個人主義の雄なる者、気質も性格も全く違う三人の女学生達の話である。最初の紹介文から、女学校の派閥の争いか何かの話かと思っていたらそんな訳はなく、非常に上品でかわいらしい友情(?)小説だった。
個人的に、大正から昭和初期にかけたレトロでモダンな雰囲気が好きなので、この小説はそんな風潮に浸れる素敵な作品であった。帯に第一弾と書いてあるので、きっと別の作品もあるのだろう。是非他の作品も読んでみたい。 -
まず特筆すべきは嶽本野ばらサンの注釈でしょう。
コミカルだけれど乙女ティックな注釈は物語を読む前に眺めていたのだけど、単体であっても笑えてならなかったこと!
本編は前にこれと乙女の港(川端康成)を比べている感想を見たことがあったけれど、比べたくなる気持ちは分かる。つまるところが、これも、真面目な人と派手な人の間でゆれる主人公の三角関係ということ。
だけれどこちらの方が、幾分艶っぽく思う。登場人物たちのよろしくないところがこちらの方が多いからだろうか -
戦前の日本の空気に触れるにはもってこいの
正統派な少女小説。これで十分愉しめるが、
巻末のタケ本野ばらの解説が効いていて、本編
以上に面白い。