- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336045058
作品紹介・あらすじ
集団主義のイデオロギーによって個人が厳しく抑圧される様を、独裁者の支配下、人びとが水の中に住むことを強制されている星に仮託して風刺的に描いた「航星日記・第十三回の旅」、大事故にあった宇宙船の中に唯一生き残った、壊れかけのロボットに秘められた謎を追った「テルミヌス」、高性能コンピュータに人類の歴史のありとあらゆる情報を吸収させた上で詩を作らせる、抱腹絶倒の言葉遊び「探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人」など、本国ポーランドの読者人気投票で選ばれた15篇の短篇から、新訳の10篇をセレクト。レムの短篇の神髄ともいうべきえりすぐりの傑作選。
感想・レビュー・書評
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意外に面白さと世界にはまってしまった。元々SFは苦手で理解が困難で、自分には到底理解不可能と思いながら本を握り締める。現代ではない、宇宙空間の話。旅してる間に理不尽に捕まり、理不尽な世界を教養させられる。話のわかる、通じる人との会話が結構自分には興味ぶかくて。見た目そっくりで毎日仕事内容が交代する世界。なぜなんだ?と主人公は思う。同じこと毎日やっても、毎日違う仕事しても、違わない。一人一人の見分けさえつかないんだから、キャハ。楽しそうだな、なんか。世界が変わっても考えることは案外一緒?
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さすがレム、IQ180あるだけあって文章が難しい。
少しずつ読んで2ヶ月くらいかかった。
洗濯機がむちゃくちゃ高性能になっていく『洗濯機の悲劇』や泰平ヨンシリーズあたりの読みやすいやつがよかった。
『仮面』を読み、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の『複製された男』を思い出した。 -
SF。短編集。
はっきり言ってメチャクチャ読みづらい!けど、読めれば面白い。
意外にもユーモア溢れる。
「三人の電騎士」「ムルダス王のお伽噺」「航星日記・第十三回の旅」あたりが好き。 -
三人の電騎士
航星日記・第二十一回の旅
洗濯機の悲劇
A・ドンダ教授 泰平ヨンの回想記より
ムルダス王のお伽噺
探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人
自励也エルグが青瓢箪を打ち破りし事
航星日記・第十三回の旅
仮面
テルミヌス -
ひとりレム祭り第2弾。
まず、冒頭の「三人の電騎士」にシビれる。「仮面」もそうだし、レムってファンタジーも書けるんだ!まさにハードなファンタジー。
読者の人気は低いらしいけれど、最後の「テルミヌス」ってもうホラーだね。やっぱりピルクス・シリーズが面白いけれど、この短編集で今までスルーしてきたロボット物語も結構面白いことを発見。探してみよう。
やっぱり、レムはすごいぞ! -
改訂を重ね訳が変われども、やはり第二十一回の旅が秀逸
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レム短篇の神髄を集めたベストオブベストらしい。ドタバタコメディやファンタジー風の小話の中にもシニカルな文明批評や哲学的考察が詰め込まれている。圧倒的な知性にのみ可能な悪ふざけ。ぶっ飛んでるなぁ。