盗まれたあした (ミステリー・BOOKS)

  • 小峰書店
3.17
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本棚登録 : 29
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338162067

感想・レビュー・書評

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  •  市民まつりでの合唱に参加していた小学6年生の裕太は、自分に向かって降ってくる光を目撃した。その翌日、1人で留守番中の裕太の前に自分そっくりな少年が現れ、裕太は家を追い出されてしまう。
     裕太は行き場に困った同じ境遇の6年男子たちと合流するが、自分たちの顔が刻々と変化し、本来の顔とは別物になっていることに気付く。やがて、1人、また1人と仲間が消えて行く……。
     彼らの身に何が起こっているのか? そっくりな偽者、そして謎の光の正体は?

     図書館本。
     21世紀に、ここまでベタなジュブナイルSFにお目にかかれるとは。廃れたもんだと思ってた。トレンドが一周して、むしろ新しい、とか?
     語り口もズケズケと容赦なく、どこか光瀬龍や筒井康隆を思わせる。比喩もかっ飛んでいて、『じいさんの歯ぎしりみたいな音』とか、『背中に巨大なナメクジをおしつけられたようなショック』とか。なかなか見もの。

     ちょっとぶっ飛んだのが、登場人物の名前。新太郎はまあギリギリあるかとは思うが、正吉?! 家庭用ゲーム機が普通にある時代に、小学生の名前が、しょうきち……。挿絵は今風の服装なのでギャップがすごい。いや、そういう名前の子がいても全く問題ないんだけど……。

     内容はコッテコテの昭和ジュブナイルSFなのだが、終盤が消化不良なので不満が残りそう。まあ、「えっ、それで解決?」みたいな結末も、ジュブナイルらしいと言えば、らしいのかな。

    • 青格子さん
      面白そう!探して読んでみます。
      面白そう!探して読んでみます。
      2022/09/02
    • 晩白柚さん
      青格子様
      コメントありがとうございます。
      展開は結構地味なので、ご期待は控えめが吉かと思われます……。
      起承転結の承までなら、結構面白いので...
      青格子様
      コメントありがとうございます。
      展開は結構地味なので、ご期待は控えめが吉かと思われます……。
      起承転結の承までなら、結構面白いのですが。
      2022/09/02
  • 裕太は夢をみた。自分と同じ小6の少年たちが走っている。親友の啓輔もいる。しかし、にわかにみんな慌てる。知った顔が別人の顔になり、何かから逃げる。そんな夢。
    裕太は留守番していた。玄関のチャイムがなり、見ると誰もいない。けれど、誰もいないはずの部屋から物音がして、自分とそっくりな少年がそこにいた。恐怖で外に出ると、母が帰ってきたところ。しかし、どんなに説明しても、自宅のそっくり少年が本物で、自分は偽物だという。気がつかない家に、裕太の顔は別人に変わっていた。
    困り果てた裕太は親友の啓輔の所に行く。啓輔も同じような状況で家に帰られずにいた。2人で学校へ行くと、学校にはさらに何人かの小6の少年たちが、自分とそっくり少年に家を追い出されていた。
    クラスのちがう10人の少年の共通点は?学校を拠点になんとかしようとするけど、10人それぞれバラバラになって、異世界へと迷い込んでしまう。ここと、似ていて、全く違う世界。困難を乗り越えて帰ってきた彼らには、ちょっとした予知能力が備わっていた。


    6年秋ころから卒業くらいの設定。時間を大切に生きよう、ってむすびはちょっとそぐわない気がする。でも、面白いSF小説。

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著者プロフィール

児童文学作家

「2021年 『ナイトメアのフカシギクラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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