- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338224093
作品紹介・あらすじ
千波の携帯に、突然『潮風』と名乗る人からのメールが送られてきたのは、去年の五月十日の木曜日のことだった。メールの言葉に励まされて、千波は卒業式を迎えたが…。
感想・レビュー・書評
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長谷川家三人だけの連絡手段として使われていた千波の形態に、突然「潮風」を名乗る人からメールがおくられてきた。学校にわすれてきてしまった携帯がポストに入っていた。学校でいじめにあい、毎朝気持ちがずんと重たくなる千波。そんな千波の解体に、夜、優しいベルの音がする。「潮風」さんからのメールだ。
「親から相談も出来ず、独りぼっちで誰からの励ましもなかったら、「いじめ」や無視に耐えられないのは当たり前。いじめにあえば孤独にさいなまれる。でも誰だかわからないけれど見守ってくれる人がいて、また、図書委員として自分を発揮できる居場所、図書室が千波にああったから、いじめを乗り越えることが出来たのでしょう。」
(『いじめを考える100冊の本』駒草出版 の紹介より)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今時の子どもは、傷つくことも、救われることも、携帯電話なのか…
この本の出版から10年経った今、それはまた違う形になっているのかもしれない。 -
中学生ならではの心情を思い出した。
内申点をあげたいわけではないのに、周囲にそう思われる辛さ。 -
「広い荒野: 身体さえ元気なら、広い荒野にすくっと立つことができる。荒野には、強風が吹いているが、たどる道は幾本もある。ちゃんと食べよう。運動しよう。歩き続けるために。 潮風より」 (P118)
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今までは常にその他大勢の中にいた千波が、中3になって、クラスで1番人気の澄香に声を掛けられ、目立つグループに所属するようになった。
けれども千波にとって、そこはそんなに居心地の良いものではなく、長く居られる所でもなかった。
図書委員に立候補し、委員長になって全校集会で目立ってしまってから、周りの友だちが離れていってしまったのだ。
教室の中での孤独に耐えていた千波に、見知らぬ人物から励ましのメールが届いた。
誰かは分からないまま、千波は次第にその人物に心を開いていく。
中学生女子の友だちとの関わり方って、ムズカシイね。
表紙が残念・・・。 -
友達から「はずされ」、辛い日々を送っていた千波の携帯に、見知らぬ人からメールが届いた。優しい音をならして…。
誰が「メールの人」かわからないところが、なかなかうまい。図書委員や放送委員、部活や球技大会なども、現在進行形の中学生の毎日らしくて入りやすい。でも、日本の児童文学はどれもこれもいじめがテーマで、ちょっと辟易とします。この作品は軽いほうですが。