黄金の王白銀の王

著者 :
  • 幻冬舎
4.05
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本棚登録 : 411
感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344013988

感想・レビュー・書評

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  • 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した作者のファンタジー小説と聞いて。シリーズ物としても通用しそうな密な世界設定は流石でした。相対する二つの一族の頭領達が国を太平させるための話。派手な動きはほとんどないのに、もの凄く熱くなりました。表紙の愛らしさから考えられないくらい熱い内容に良い意味で裏切られました。
    作者に、エピローグ書いてくれてありがとうございますと本気で言いたい。(笑)救われた気がしました。

  • ファンタジーが苦手な僕なんですがいろんなとこで評判がよいのでとチャレンジ、

    表紙の絵を見るとなんか可愛らしくてライトノベルっぽいみたいな印象を受けるんですがしっかりと骨太な歴史ファンタジー。

    孤高の王と捕われの王、憎しみ合い殺し合い争い続けた二つの一族の生まれながらにして王になる血を受け継いだ二人の王の峻烈な生き様を描いた物語。

    舞台は架空の世界なんですが和風っぽいです。

    名前、地名が読みにくくて何度も巻頭の地図と登場人物を見返しながら読みすすむ。

    僕のイメージ的には琉球王朝を思い浮かべてました。

    血に恥じぬように<なすべきことをなす>ために小事に惑わされず大事を成し遂げるそれが国を正しい方向へ導く王の姿。

    揺れ動きながらも自分の信じた道を突き進む二人の王。

    家族仲間に理解されずとも自分の道を突き進む姿に読んでてやるせなさを感じる場面もありましたが二人の王の強い生き方に感動を覚えました。

    後半は涙腺がゆるむ場面もあったりして最後までドキドキさせながら読み応えある一冊でした。

  • 表紙のほのぼのさとはうって変わって、
    物語の厚みがとても良かった!!当たり!!
    先が気になって、どんどん読み進めてしまう程に面白かった。

    評価の高さに納得

    長きに渡って、互いを憎しみ、戦い続けてきた2つの一族。
    その頭領である2人の主人公が協力し、それぞれの立場から国を変えてゆくお話。
    迷い、悩み、苦しみ。時に、非情な決断を下す。
    それでも自分のなすべき事を貫く姿勢に、涙があふれた

    「いちばんの困難は、なすべきこと自体ではなく、何をなすべきか見極めることにある」

  • 登場人物の名前を読むのに苦労した笑
    ライトノベルっぽい表紙だけど、とっても骨太な話。
    絆の強さに感動。

  • 敵対する二つの一族の王、櫓(ひづち)と薫衣(くのえ)。
    二人の覚悟とその強さに、薫衣の最後に、そしてラストに、ぐっときました。面白かった。

    それと、登場人物の名前。ぱっと見読めませんが(笑)、どれも素敵です。

  • 風景描写から世界設定など最初の50ページは
    初めて読む著者の文章がなかなか
    頭に浸透しなくて読みにくかったが
    台詞が増えてからはスイスイと読み進めた。

    登場人物の名前が非常に読みにくく、
    文章に慣れた後も、盛り上がったシチュエーションですら
    何度も「主な登場人物」表に戻らざるを得なかったのが
    面倒で、この作品の唯一目立った難点だった。

    だが、内容は読みごたえがあり満足。
    覇権争いが絶えなかった二つの族を
    和平へ導こうとする過程を二人のリーダーの生き様が示す。
    敷かれたレールとは違う、平和への道筋を考えつき、
    長期的に実行に移した王と
    その策を支えるために忍耐に忍耐を重ねながら
    自分のアイデンティティを失わなかった頭領。
    お二人とも、かっこよすぎでしょう。
    最後はなんか納得いかないけど、ご本人はハッピーらしいし
    仕方ないと諦めるしかないか。

    でもでも、次世代、次々世代の話、
    そんな数行でまとめないでほしかったー!
    もったいないって!!

  • 名前の読み方がなかなか覚えられなかったです。
    登場人物の紹介があってかなり助かりました。

    ”なすべきことをなす”
    その考えの下、事に立ち向かっていく二人の主人公を始終凄いなと思っていました。
    色んなものを含めて凄い。

    最後の文を読んだとき、泣きたくなるほど良かったと思いました。

  • 荒波の孤島の島国翠国では、200年にわたり双子の王子の末裔の一族同士が王の座をめぐり争いを繰り返していた。争いのはて疲弊した国民と国を守るため二人の若き一族の頭領が秘かに手を結ぶ。一人は王として冷徹に知略をめぐらし、一人は名を捨て王の義兄弟となりその気品ある王のカリスマ性を持ちながら人々の誹りに耐える。表紙がラノベの雰囲気で軽い感じのファンタジーを思わせるが、なかなかの読みごたえ。互いが血や肉に刻み込まれた憎しみを越え協力し合ったとき、互いが持つ力と持たない力に嫉妬や憎しみを感じながらも唯一の協力者として目的に向かう過程が、わかりやすくて読みやすかった。こうったものの特徴なのかもしれないが、名前の漢字はもっと単純に読みやすくてもいいだろうと思う。

  • ●キャラクターの名前が読めないよ! ラノベな表紙もちょい照れるよ! でもいい話だよ!

    ●国の支配権を賭けて血で血を洗う抗争を繰り広げて来た二つの一族。
    現在の覇者、鳳穐一族の若き王もまた、宿敵である旺廈一族に対し抜きがたい憎しみを抱いていたが、同時に戦いを終わらせる必要をも痛切に感じていた事から、長らく虜囚としていた旺廈の正嫡の少年に対し、ある決断を下す。
    迫り来る外敵のみならず、内憂にも立ち向かわねばならない若者の運命やいかに!?
    そんなお話です。
    キャラクターはよく立ってるし、展開はさくさく進んでもどかしさは全くないのだが、惜しむらくは短かった。
    この3倍+子供たち世代の話2巻分くらいあれば、大河小説として満腹できる量になったのになあ。
    しかしそうすると、今度は散漫になる危険があるのか??
    ともあれ、鳳穐の妹姫稲積がたいへんよく出来た女性で素敵でした。よか。


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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常生活のひだを的

「2013年 『ヤンのいた島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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