榊原式スピード思考力

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344016040

感想・レビュー・書評

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  • 大蔵省で財務官を歴任し、大学教授に転身した榊原さんが、自らの人生観を基に今を生きていくために必要なことを説いた本。内容は、著者の価値観が色濃く反映されている印象で、特に米国で育った経験や大蔵省での職務経験が内容に強い影響を与えているように思えた。

    一般的な日本人の考え方と異なる考え方が多く提示されているが、どれも論理的根拠がしっかりとしており、本質をついているものが多いと思う。自分自身の考え方と適合する部分も多く、非常に参考になった(参考にしていかなければならないと感じた)。

    特に、本のテーマにもある通り、スピードを持って物事を徹底的に考え続ける姿勢が成功をつかみとるために重要だということは良く理解出来た。仮説と検証を繰り返し、徹底的に考えた上で自分の意見を持ち、間違いや外部環境の変化に気づいたら直ぐに軌道修正をする。意見を変えることはしばしば一貫性が無いと批判されるが、上記のような姿勢を保っていれば周囲の人々との信頼関係を構築し、成功をつかみとることは出来ると思う。

    平易な文章で、内容も短めであるためすぐに読み終えることが出来た。

  • ミスター円。榊原氏の1冊。

    思考法の王道がずらりと並ぶ1冊。
    わかりやすい本ではある。若手ビジネスパーソンにはいい1冊だろう。

  • 竹中さんに対抗して出したのでしょうか(笑)

    内容は今までの経験を基にしたものですが、やはり凄い世界を
    経験してきた人の話は面白いと思います。

    【内容】

    (スピードある君子は豹変する)
    たとえばジョージ・ソロスは為替の世界で有名ですが、
    自分の判断でドンと投資しても、新しい情報が入って「間違えた」と思ったら、
    すぐに戦略を切り替えます。
    対応するスピードが圧倒的に速いから、この世界で成功し続けているわけです。

    ~君子というのは、常に自分が間違う可能性があるということをわかっている人のこと。豹変というのですから、変えるときはパッと鮮やかに、ただちに変更しなくてはならないのです。

    (感性は別のネットワークで)
    ~人を説得するためにはどうしても論理に加え感性的なものも必要になってきます。
    (自然だったり、絵画だったり、ワインだったり、鮨だったり、)、
    ~そういった感動体験を脳の中に実経験として記憶させていくことが、
    感性を鍛える一つの方法ではないかと思っています。

    (経験を横につなぐ)
    もう一つといえば、あらゆる経験がクロスオーバーしますから、
    異質な経験情報があればあるほど、
    思いつける考え方のバリエーションは広がっていきます。

    仕事のことしか知らないとか、会社と家を往復するような毎日を過ごしているというのではなく、
    やはり異質な経験を多くもったほうが思考の豊かさは広がっていきます。
    たとえば私の周囲を見ても、外国での仕事経験をもっていたり、
    いろいろな業種を渡り歩いている人には発想の豊かな人が多いようです。

    (世の中はわからないから面白い)
    ~高杉晋作の辞世の句は、「面白きこともなき世を面白く」というものです。
    彼が生きたのも混迷の時代でしたが、そんな時代だからこそ、「面白い」ととらえて生きたことが、彼に本当に面白いことをさせる結果になった。
    高杉の魅力の原点の一つはこれなのではないでしょうか。

    (運動でも脳は活性化する)
    論より証拠で、運動するようになってから、執筆する本の数が大量に増えています。
    ~全てが活性化して、生産性が高まっているのです。

    外国のホテルに行っても、たいがいジムというのは24時間開いているもの。それだけ運動するということは、世界的には常識になっているのでしょう。

    (書くことで頭を整理しよう)
    書いていくことで自分の仕事における可能性や問題点などに気づき、
    それによって思考を整理・発展させていくことができます。

  • 著者の勉強法を学べる。
    人生の歩み方が違いすぎるので、
    参考にできない部分ももちろんある。

  • オーディオブックでリスニング。

    継続し続けけること。学び続けることが重要。

  • Mr.円と言われる逆指標、榊原さんの書籍。
    古い本だし、至極真っ当なことが書かれているが、どうも本人の決めつけの話し方をする顔が浮かんでしまう。
    読書、運動、早起きをせよ。
    歴史を学び、日本という国の成り立ち学べよ。
    そんな感じ。

  • 「ミスター円」こと榊原英資氏の著作で、いわゆる自己啓発本。

    ざっと流し読みしたが、良かった点としては
    ・「なにも知らないこと」を知ろう
    ・理解している人はやさしく説明できる
    ・情報の信憑性、正しい情報源の重要性
    ・事実をきちんと見つめ自分の頭で自分の考えを導き出す
    ・反対意見を持つこと(あまのじゃく)は大切だが、議論の上で決まられたことは従うこと
    ・勘を裏付ける理論を持つ
    ・経験をできるだけ整理する(日記、メモ等)
    ・知識はあればあるほどよい
    ・書くことで頭を整理
    ・無理すると続かない、失敗を恐れない、あきらめてはいけない
    ・周りと仲良くするよりも自分を高める。頭の固い人間にならない。
    ・自分のポジション・商品価値を知る、その道のプロになる
    あたりか。

    自己啓発として、具体的にどの分野なのかというのがはっきりしない点が残念。

    2011-11-13 読了

  • 2015年90冊目
    朝活アウトプット読書会。開催6ヶ月記念に頂いた本です。
    元大蔵省の官僚だった著者が自分の頭で考える方法を紹介しています。
    前提として自分の頭で考えることの大切さを伝えています。
    多くの場合、人から聞いたこと、テレビや 新聞で得た情報や考えを自分の考えた事だと思い込んでいるのではないでしょうか?
    著者は自分で確認できていない事は信じないと言ってます。
    その信じない気持ちと頭をやわらかくする事が大事だと感じました。
    特に年取ってくると既存の経験などから頭が固くなりますからね。
    それと運動することで脳が活性化するということも言っており、著者も週3回程度はジムに行き、一回行くと3時間程運動するそうです。
    なかなか実践的な1冊でした。

  • 新たな発見なし。

  • *世の中の人が右と言えば、右と言う。そんな態度では、次第に自分の頭を使ってものを考えることから遠ざかっていってしまうでしょう。人が右と言えば、まず「左ではないか?」ということを本当は考えなければいけないのです。「スピーチ」のような訓練を学校でしないから、日本人はこのように、多数派に対して反論をすることが苦手です。政治家でも評論家でも、ほとんどの人は自分の思考を封殺して「右にならえ」になってしまいます。しかし本当に能力のある人は、やはり進んで少数派になることができるはずです。
    *とくに人を選ぶ場合など、人はとかく”好き嫌い”を重視する傾向があります。「第一印象が大事だ」なんて言われるのは、結局は情報を総合して相手を判断することをせず、ただ会ってみて好きになったか、そうでなかったかで人を決めつける人間が多いからでしょう。ただ、そんなふうに”好き嫌い”で人を集めると、たいてい相手は「仕事のできない人」ばかりだったり、あるいはゴマスリをする人ばかりの集団になってしまいます。そういうと極端に聞こえるかもしれませんが、私個人の場合でもまわりを見ても、プロジェクトメンバーの人選とか、あるいは採用さビジネスパートナー選びの失敗は、感情で人を判断してしまった結果であることが多いようです。好きな人を集めたって、仕事のできる集団はつくれません。むしろ仕事のできる人には、イヤな奴と思われている人間が少なくないからです。ですから人を見る場合には、非常に冷たい目をもつことも必要になります。ある程度ポジションが上がってくれば、すり寄ってくる人が多くなる反面、抵抗する人間だって現れます。心情的には、すり寄ってくる人をとかく用いたくなりますが、抵抗する人間を用いたほうが実際は組織がうまくいくことが多いのです。
    *さらにもう一つは、ユーモアのセンスを磨くことでしょう。多くの日本人はユーモアに欠ける部分があるといわれています。それはすぐ「ウィットにとんだ会話をしよう」などと身構えるからかもしれませんが、何でも四角四面に考えるのではなく、本当は自分のことも含めて、すべてを笑って受け止められるような余裕が大切なのではないでしょうか?どうせ世の中のこと、たいしたことないやと思えばいいのです。
    *本を読む習慣をつける。
    現在のような先の見えない時代に、やはり力を発揮するのは、「考える力」であり、新しいビジョンや、いままでになかったものを生み出せる創造力だと思います。しかし、そんな「考える力」や創造力の土台には、”知識の詰め込み”があることを忘れてはいけません。よく詰め込み型の学校教育を否定する人もいますが、短絡的発想です。本当は創造力を開花させるためにこそ、豊富な知識が必要なのです。
    *テレビは原則観ない、観たいものを決めてしまおう。
    ボーッとしている時間はない。時間を確実に”自分のもの”にするために、意味のない時間を極力つくらないようにすることが必要でしょう。つまり、漠然とボーッとして過ごすような時間があればできるだけ排除すべきなのです。むろん、「ボーッとする時間」にも価値がないわけではありません。頭をリフレッシュさせるために、たとえば十分、十五分くらいの”何も考えない”時間をつくる。その時間は、あくまで意図的につくっているのですから、漠然と過ごしていても、主導権は自分の側にあるわけです。問題は、意図していないにもかかわらず、ボーッとしてしまう時間です。それがもっとも多くなってしまうのは、なんといってもテレビを観ているときでしょう。”漠然と観ているだけ”にもかかわらず、テレビの前に座っている時間は、確実に失われています。要するにこの間の時間は、あなたから奪われているのも同然でしょう。
    *別に上司だからといって、「真剣にその人と理解し合わなくてはいけない」とか、ましてや「仲良くしなければならない」ということはまったくないはずです。時間が経てば、上司だって変わるかもしれないし、会社の組織だって変わるかもしれないのです。重要なことは、むしろ自分自身の実績や能力を高めていくことではないでしょうか。
    *異質なものは頭への最高の栄養
    数字で頭が固まっていないか。「頭の固い人」というのは、結局は自分と違った価値観や、自分と違う立場の人の見方を受け入れられない人です。私たち自身が「頭の固い人」にならないためには、価値観や環境の違う人たちの意見を積極的に聞き、いろいろな立場からの思考ができるようにする努力が必要なのでしょう。その点で「異質なもの」は、頭に対する最高の栄養なのです。「考える力」を養うためには、そういう人たちの声に、積極的に耳を傾けていく姿勢が大切なのではないでしょうか。
    *頭はできるだけやわらかく
    日本人は方向転換の天才
    「学者バカ」という言葉がありますが、専門的な知識ばかりを頭に詰め込んできた人には、常識がなく、自分だけが正しいと思い込んでいるタイプが少なくありません。そうなってしまうのは、やはり彼らは「異質なもの」に触れ合うことが少ないからでしょう。たしかに、学問の世界は一つのことを深く追求していくことが大切なのですが、幅広い勉強も、また、重要です。

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著者プロフィール

1941年生まれ。東京大学経済学部卒業。65年に大蔵省入省。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て97年に財務官に就任。99年退官。2010年より青山学院大学特別招聘教授。著書に『「今日よりいい明日はない」という生き方』『書き換えられた明治維新の真実』など。

「2018年 『AIと日本企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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