- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344017856
感想・レビュー・書評
-
楽しかったです。文体もバラバラで本当に大変なときは奥さんが代筆したりもしているのですが、芸術の話あり、子育ての話あり、最近の若者の話あり、海外の話ありといったところでしょうか。偶然にも読了後しばらくして、公開製作をなさっている本人を見たのですが、なんか疲労感漂ってました。お子さんが学校になじめないみたいで、ADHDと判断されたみたいなことが書いてありましたが、周囲との輪を乱すとすぐ学級から追い出されるよな風潮が最近の学校にはあるみたいで、多様性とか個性とかいううならばいろんな子がいることもわかんないとと思ったしだいです。まあ、先生にしたら大変なのだろうけれど。でも、自由帳に「自由ではない自由帳」と手書きできるお子様はすてきだなあと思いました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大大大好きな会田誠のエッセイ、これを読まずにおらりょうか。小難しすぎる言葉を使わず平易な表現をしつつ本質を見事にあぶり出す才能に、ニヤニヤしちゃう。んもぅ。「毒」「悪」「常識」、言い得て妙である。
-
『青春と変態』の様な会田誠像を期待しつつ読む。
『青春と変態』は小説だから芸術と会田誠という図式や関係性などには立ち入れなかったけれど、エッセイでは芸術の苦悩や作家の指向する場所がよく見えて面白い。
『カリコリ〜』では会田誠の周りの人間、山口晃やチンポムといったいろんなアーティストが現れる。特にチンポムの件が興味深く誤解していた浅い認識を訂正された気がした。半社会的なアーティストだとは思っていたけど、ちゃんと筋が通っていたことに驚き。
また会田誠生成の手順も打ち明けてありそりゃ絵がうまい訳だと納得。『自分のネタ作製のための絵の修練』という、とても原始的でピュアな動機が最も長く継続出来る秘訣であるのは道理だし、上達するのも必然だと思う。
本人は物を書くのが苦手と語っていながら何故か評価が高い文章については皆が言う文章自体の巧みさという点よりも簡潔に表現するボキャブラリを持ち合わせており、的確かつ客観的に自分を捉える能力が、文章を上手く感じさせるのだと思う。それは絵画の様に出来上がるだろう作品の意図を作家がコントロールする力に似ているのかも知れない。
声に出して笑ってしまう場面あり、『そうだ!』と共感出来る場面もありまた、明らかに手ぇ抜いてるのがバレバレだったりと山あり谷ありな一冊でした。 -
現代美術についてほとんど知識のない私でも展覧会に足を運ばせる会田誠。
まさに「性(さが)」そのものが、この方の作品なのかな、と思わされました。
ここまで徹底してひねくれてしまっている人もなかなかいない。そして、ここまで表現してしまう人もなかなかいない気がします。
これからも注目したい人です。 -
明快明晰な文章、そして会田先生らしい内容。才能ばっかりしかないじゃん。文章能力には恐れいった。。
-
異端であり続けると思うけど、逆説的には異端がいないと正統もありえないからね。息子の将来が、勝手ながら気になります。
-
アーティストの書いた本を読むと頭が痛くなったりするけど、これはそんなこともなく。「ボクの料理」って章は料理とからめて芸術のことを語ってておもしろい。
-
俗物最高
俗物を緻密な執念で質を高める作家、会田氏
彼が、文章で高尚なものを切り裂いてくれる心地よさ
彼の文章を読むと脳みそが喜ぶのがわかる
言葉遣いも素敵だ
彼の存在が僕を救ってくれている