2012年、日本経済は大崩壊する!

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344020160

作品紹介・あらすじ

世界的な商品高騰、日欧米の国債暴落により世界連鎖危機が起こる。資本主義システムの破綻を前に、個人がいかに資産を防衛すべきか。

感想・レビュー・書評

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  • 先進国で増え続ける財政赤字。上昇し続ける国際商品が契機となるインフレへの懸念。日本においては原発危機による国家存亡。決して明るくない未来が綴られていて読んでいて気がめいるほどでしたが目はそらせません。

    僕がこの本を手に取っていたのは、大学時代に経済関係にのめりこんだ時期があり、その名残から現在ではかつてより執念めいたことはやっておりませんが、こういう話は頭の中に入れて損はなかろうと思い、読んでみることにしました。

    これを書いている段階で激動の2011年も終わりの段階に差し掛かっているのですが、ここに書かれてあるように、ヨーロッパではギリシャ、イタリアなどの財政危機によるユーロ経済圏の崩壊。トウモロコシや小麦などの農産物や、石油などの代表されるエネルギー資源を総じて国際商品の価格上昇によるインフレの懸念。経済の『隙間』を狙って天文学的な利益をあげようとするヘッジファンド。ここでは『債権王』の異名を持つピムコのビル・グロース氏が取り上げておりましたが、彼が保有していた米国債をすべて売りに出していた、という記述には衝撃を受けました。

    日本は日本で『いつ破綻してもおかしくない』水準にまで達してしまった国債の発行残高を日銀がこれからも引き受けることができるのか?そういうことを鋭い筆致と文章で綴られており、久々に経済に関する知的な興味を刺激されたとともに、これから私たちの身に降りかかる経済的な災厄がどれほどのものかを思うと、最後のページを閉じたときには背筋が少し寒くなったことを思い出しました。

  • 今のギリシャの状態。

    瀕死のシマウマにハゲタカが群がり肉をつついたかと思えば
    しばらく休みまた肉をつつきと、やがて来る死の前に、なぶり
    弄んでいる状態。

    そして日本も、欧米に仕組まれた国債暴落の引き金を引く
    タイミングを、ハゲタカ達と格付け機関がじっくり呼吸を
    合わせて絶妙なタイミングを待っている状態。


    トヨタを筆頭に震災以降の回復で平穏無事に経済回復を
    続けているように見える日本。本当は嵐の前の静けさなのか?


    心臓に悪い一冊。


    でも読んでおいたほうがいい。

  • 【献本御礼】幻冬舎 編集部 四本さま

  •  石油を支配できれば国を支配できる、食料を支配できれば人間を支配できる。これひと言に尽きる。

     日本だけが蚊帳の外で取るに足らないゴタゴタで未来の糧を失い続けている。

     本当にこれでよいのだろうか。書かれていることおおむねその通りなのだろうが今年がその2012年。今だ”大”崩壊の兆しはない。何を信じるかがこれ重要だろう。

  • 確かに市場は効率的とは言いがたいし情報の非対称性は否定できない

  • 「2012年、日本経済は大崩壊する!」(朝倉慶著)読了。ヘッジファンド・IMFやユーロの当局(FRB、FOMC等も?)・格付会社などグルになって日本の債券暴落を謀っており時間の問題との事。怖い。ただし対策有り。著者は資本主義の限界を冷静に予見。精神性を重んじる世界が来る?
    朝倉慶氏も藤巻健史氏も「日銀が国債を引き受けたら日本国債暴落の引き金となる」と共通の意見。その後ハイパーインフレ。これはもう常識なのかなぁ?

  • 「資本主義は持続性のない自滅的なシステムである」マルクス。いずれ必ずこの国の財政は破綻します、それは今年(2012年)なのか来年なのかそれとも5年後なのか、この答えは誰にも分かりません、ただひとつだけ言える事は、いつか必ずこの国の財政は破綻してしまいます。この本を読み終えたとき、あなたはそう確信せざる負えなくなることは間違いないでしょう。

  • 金融を理解している人を最低限のラインとして
    書かれている本。

    ところどころ作者の感情そのままに語りかけてくる
    記述には若干萎えるところがあるが、全体的に
    作者が記述している理論の説得性は高い。

  • 経済は苦手なので初っぱなのコンピュータに躍らされているかのようなマネーゲームに20世紀のSFをみて怖くなった…。

    読み進める程に、暗たんたる気持ちとなり
    どうしたらいいのかわからなくなった…。

  • 日本の株価が3.11で大きく崩れた。しかし、経済を揺るがしたのは株ではなく先物だった。なぜなら先物取引にはレバレッジがかけられるからだ。現物の十倍、百倍の取引が常に行われていると言う事は単純に株の十倍百倍の影響があると言う事だ。そして、震災前後で日本で一番取引が多かったのが、ゴールドマンサックスでも野村證券でも三井証券でもない。誰も聞いた事の無い会社だった。これは真実であり、テレビでは決して報道出来ない。真実は自分で読み自分で判断するしかない。

  • 僕も相当の妄想家だけどこの人にはかなわない。スゴイな!!

  • 非常に興味深い。財テク見直す。以降は本-からの引用です//米国のQE2終了による米国債の暴落。先物取引、一単位1000万円から。証拠金3%。ニューエッジ証券。コンピュータによる高速取引…暴落時ほど儲かる。私設の電子取引所…高速取引、デリバティブ、安い手数料、24時間稼働。デリバティブ…ゼロサムゲーム…想定元本は6京円。LTCM、コンピュータによる暴走。ブラックスワン。物価上昇…金利を上げて調整…食料品価格には関係ない…。債券下落。ローマクラブ。人口論。資源と食料価格は続伸。モンサント。米国、トウモロコシ、エタノール、家畜の飼料。中国の輸入。日本国債の暴落。物価高。資源の輸入拡大。貿易赤字。円安。FRBや米国の当局は強引にインフレの芽を摘み取ろうと必死。ゴールドが上昇する時は金鉱山の会社の株の方が上昇率が高い。インサイダーは…一般人を対象…胴元の当局側は何をやっても…。銀行…リーマンショック後…資金余剰…国債買付…。公的年金…国債の売却。郵政グループ。円高誘導、プラザ合意。BIS規制。ソルベンシーマージン比率。日銀は2010年、ETFやREITを購入する…画期的なインフレ政策。震災、原発による補償…100兆円。中国…全人代…上位70人で6兆円の資産。ショックを与えた上で、公的資金。中国バブル崩壊かインフレで沈むか…。欧州の景気格差。ヘッジファンド、国債を売り…同時に倒産保険であるCDSを買い付ける。ECB総裁…イタリアのドラキ。金、プラチナ。株(企業)などの実物。資源国通貨。源泉分離課税…日本で海外に投資。日本の財政破綻は避けられませんが、それによる混乱は、我々に一番大事なものは何なのか気づかせてくれる。

  • 朝倉さんの本を読むのは初。
    読み終わりは他の人のレビューにもある通り「怖い」と感じた。
    とにかく自分の大切な人達を守るためにも、「経済のことは詳しくないから分からない…」なんて言っている場合ではなく、知る努力をしなくてはいけないと思った。

  • 2011/12/09:読了
    暗い内容だなぁ。
    ダメになる本の、典型例。
    『***年は***だ』って本は、おいしいよな。
    いろいろな人が、順番に書けるもの。

  • たまに大袈裟すぎるのでは?や著者が感情的になりすぎて引いちゃいそうな箇所があるが、震災の影響もあり、現在すでに債権を買えるとこが無い上に、銀行が債権を買う金を融資に回しますます債権に値がつかなくなり高騰の図は近いうちにありそうだと思う。

  • 経済オンチの私ですが、言いようのない不安が日本を覆っているのは、なんとなく感じており、朝倉さんの本は二冊目です。

    日本国債の暴落を予見し、それに端を発するか、はたまた人口増による食料などの高騰が引き金なのかわかりませんが、やはり、不安は募るばかり。

    早めに金かプラチナ買っておけ、ってことなんかな…。

  • 読んでいる途中。

  • 朝倉慶氏の2011年度新刊。発売から3ヶ月経った今でも書店で表紙が見えるように並べられているので、売れているのだろう。内容は、今まで持っていた考え方を裏付けるようなもので、特に目新しいものはなかった。彼の考え方はこれからも参考にしていくと思う。

  • 阪神大震災直後に瞬間的に記録した円高は破られることが無いだろうと思っていましたが、東日本大震災後に記録を破ってから、いつの間にか1ドル=75円程度に定着してしまっています。

    円が信任されているよりも、ドルやユーロの価値が下がってきているからでしょうか。

    この本の著者である朝倉氏によれば、2012年には日米欧で国債暴落が起きて資本主義システムが破たんしてしまうという大胆な予想をしています。2020年という設定ならまだ準備ができそうですが、来年となると何ができるのでしょうか。

    日本は当分はデフレや不景気(再就職が難しい等)が続くと思っていますが、娘たちもまだこれから進学を迎えているので資産をどのように防衛(というよりも形成)するかを考える必要があると痛感しました。

    この本を読んで思ったのは、証券市場は当たらしい電子取引所やデリバティブ取引の拡大によって、完全にマネーゲーム化していて証券市場が本来設立された目的を関係者は忘れてしまっているようです。システムを変える時期が来ているのかもしれません。

    資産運用としては、金やプラチナの購入、通貨であれば米ドルとのアドバイスがありました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ 市場では先物だろうが現物だろうが1000万円は1000万円で、今のシステムではどうしても先物主導になる、どんな投資家が先物取引を行っているかを特定することはプライバシーの問題でできない(p19)

    ・誰も知らないニューエッジ証券という会社が、3月15日の暴落の立役者だったのも意外だが、もっと驚くことは、どこからもその行為を問題視する声が出てこない(p25)

    ・ニューエッジ証券は、先物を売ってオプション取引(コールを購入)をして、先物を売ると同時に日経225現物を大量に購入することで、何があっても巧みに儲けられるようにしている(p28)

    ・2005年に米国でできたオーダープロテクション規制ができる前(2004)は米国で8割のシェアを持っていたニューヨーク証券取引所は、今や4割を切っている、トップ私設電子取引所(BATS)が15%のシェア、電子取引所6か所で25%(p37)

    ・2011年4月に、三菱UFJモルガンスタンレー証券が、1400億円の特別損失を計上した、このときの想定元本は、130兆円であった、レバレッジを使うなどして元金の300倍になった(p37、49)

    ・東京証券取引所のコンピュータによる高速取引の注文全体に占める割合は、2010年1月は11.7%であったが、2011年4月には34.1%に上昇(p39)

    ・ノーベル経済賞受賞者が関わっていて破たんしたLTCMは、つまずいたのはロシア危機のみで、それまでは100%儲かっていたが、想定外のたった一度の出来事で破たんした(p52)

    ・中国は2010年度にとうもろこしを7%以上生産増加したにもかかわらず、ついに輸入(150万トン)を始めた、すぐに日本を抜いて世界一の輸入国になるだろう(p86)

    ・国債の売却は2009年度からだが、この動きが始まった以上、加速しても収束することはない、国債の安定的な買い手であった発行額の1割以上を保有している公的年金が国債の売り方に回ってきた(p126)

    ・BIS規制は、証券と銀行業務を分離したものだが、米国は普通の商業銀行と投資銀行に分けたので、投資銀行はBIS規制の枠外だったので自由に行動(ギリシアのジャンク国債を保有等)できた(p149)

    ・カーメン氏の著作において、19世紀以降で、国家の対外債務のデフォルトは250回、国内債務のデフォルトは68回あった、当時の現象としては、通貨の減価(=インフレ)である(p171)

    ・現在、ゴールドの相場が強い理由は、中央銀行のシステムが機能しなくなることを予見している投資家が、資産を金に逃避させているから(p191)

    ・ドル紙幣の大量発行(QE2)が終わった2011年6月末の段階から、いつ大変化がおきてもおかしくない、債券相場の大暴落まで1年もない、遅くとも2012年秋までが我々に残された時間(p192)

    ・中国でのコマツのシャベル販売台数も、2011年3月までは42%増加(前年比)であったが、4月に8%増、5月には39%マイナスとなた(p210)

    ・2011年6月にとうとうS&Pはギリシア国債の格付けをCCCへと3段階下げた(2010年4月にはBBB+)この時期まで下げなかったのは、ヘッジファンドとグルになって格付けをうまく利用して儲けるため(p237)

    ・ギリシアの粉飾が断罪されないのは、それに知恵を与えたのがゴールドマンサックスで、為替デリバティブを使って国家債務の見せかけの減少にからんでいたから(p246)

    ・ブレトンウッズ体制では、金価格は1トロイオンス=35ドル(1ドル=360円)なので、現在(=1500ドル)を考慮すると、43倍(ドルのこの減価が問題)、円価格はドルに対して4.5倍なので、金価格の上昇は当時の10倍である、今後はさらに上昇する(p251)

    ・米国のユタ州では、金貨・銀貨(米国造幣局が鋳造したもの)を法定通貨にする法律が制定されるようになった、コロラド、ジョージア、インディアナ、オクラホマ、テネシー州では金の残高に応じてクレジットカードを利用できる仕組みも検討されている(p254)

    ・2011年秋から、200万円以上のゴールド売却には、金地金会社は税務当局へ報告義務が必要になったので、コイン保有が理想的(p256)

    ・プラチナは金と比較して投資用割合が4割と低く(金:6割)であり、景気に対する反応度が高いので、今が買い時(p257)

    ・通貨で保有するのであれば、米国ドル(p264)

    ・海外にお金を持っていくことは経済的にも税制上もメリットはない、唯一あるとすれば、日本の金融機関が閉鎖となった時くらいで、この可能性は低い(p270)

    2011年10月23日作成

  • 日本経済の課題をインパクトを持って伝えてくれる。
    誤解を恐れず表現すれば「朝倉さんは過激な池上さん」。
    新聞では読み取りきれない現状をシビアに記載している。
    政府が無策駄策を繰り返せば起こり得る現実として認識できる。
    同時に、紙面の見方も変わってくるはず。

  • 世界経済の流れとその裏側を学べる良書です。
    世界の市場を操るコンピュータ投資、欧州のソブリンリスク、金の高騰など、今世界で起こっている事実をどう解読すればよいかの深い視点を提供してくれます。
    朝倉慶のモーニングカフェも結構良いので、これを聞いた後に日経新聞を読むと、見方がぐっと深まって勉強になると思います。

  • 2011/08/20
    金が買いはやっぱりあってるようだ!
    かなり感覚的にわかってきた!
    それにしてもここまで数字を見せられると納得してしまうなー。
    破綻するとどの世界もBOPが一番被害を被るんやろうなー。
    なんとかしなくては!

  • 出版社の思うつぼかもしれないが、読み終わった感想は、正直「怖い」。

    かなり説得力のある文章で、日本のみならず、アメリカ、ユーロ圏、中国とどこも経済の行きづまりが見えている。

    それも、これらはすべて巧妙に仕掛けられた罠で、喜ぶのは一部のごく限られた投資機関のみ。

    ハイテク化された金融市場の波に、個人はおろか、国家も巻き込まれ、債券不良が引き金となり、破たんに突き進む。。。


    日本のバブルから脈々と続いているこのような仕組みはそろそろ最終局面で、逃れることのできない世の定め。


    これからは、国債・現金は紙くず同然。この危機を個人として乗り越えるには(国として乗り越えることはできない)、金などの商品、株式を中心に資産管理をしていかないといけないだろう。

    んー、よくよく考えさせられる。
    すぐに2回目を読んだが、まだまだ論理的につながっていない部分もあるので、改めて整理したい。

  • インフレに備える
    2012年

  • デフォルト前夜にお届けするレビュー。
    8月2日まであと2日。
    アメリカ国債はデフォルトするのか。

    国の借金(債券)がこれだけ増えるというのは、
    逆に言えば、債券バブルが起きているということ。
    弾けないバブルはないということでカウントダウンです。

    アメリカを中心とする金融の実態。
    それはコンピューターに牛耳られた実態とはかけ離れた虚像。
    日本円にして6京円ものお金が溢れている。
    実態の伴わない金融は終わりを迎える。

    欧州の様子や中国政府の借金などにも言及。
    日本のみならず、世界中で債券バブルが起きている状態。

    個人的にはなぜ銀行などの金融機関が、
    日本国債をあれだけ買い続けるのかが分かってすっきり。
    銀行や生保も引くに引けない状況なのですね。

    とにかく、8月2日に何か起きるはず。
    アメリカは8月15日に何かするのではないか、
    という気がしてならない。

     8月2日 デフォルト
     8月15日 金本位制発表(オバマ・ショック)

  • リアリティーと読み応えアリ。

  • ブログに要点をまとめました。
    http://nichijyou.net/review/youten/daihoukai/

  • 朝倉さんの著書は、世界の裏側でうごめいている、ものごとを垣間見られて面白い。
    日本の先物市場をロボットトレーディングで席巻しているニューエッジ証券のことや、BOAの四半期完全試合にみるデリバディブ市場バブルと暴走。とりあえずは、金かプラチナか?

  • 2012年、日本経済は大崩壊する! 朝倉 慶
    http://yamatoiebakawa.blogspot.com/2011/07/09.html

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著者プロフィール

経済アナリスト。(株)アセットマネジメントあさくら代表取締役社長。1954年、埼玉県生まれ。77年、明治大学政治経済学部卒業後、証券会社に勤務するも3年で独立。顧客向けに発行するレポートで行った経済予測がことごとく的中する。故・舩井幸雄氏が著書のなかで「経済予測の超プロ・K氏」として紹介し、一躍注目される。『2013年、株式投資に答えがある』『すでに世界は恐慌に突入した』(以上、ビジネス社)、『株の暴騰が始まった!』『世界経済のトレンドが変わった! 』(以上、幻冬舎)、『暴走する日銀相場』『株、株、株! もう買うしかない』(以上、徳間書店)など著書多数

「2021年 『株高・資源高に向かう世界経済入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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