55歳からのハローライフ

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022867

感想・レビュー・書評

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  • 2014.3.30 「空を飛ぶ夢をもう一度」

    50歳越えてまともなお仕事をなくして夫婦共働き。養う子供が2人でまだ中学生とかそこら。

    経済的にかなり苦しくてこの先の人生真っ暗、、って感じながらも、

    「生きてたらなんかいいことある」
    とか
    「死ぬよりマシだ」
    って思いながら、現状を受け入れて、
    ミネラルウォーターという心の拠り所のような小さな楽しみを見つけて日々戦っている。


    一方で、
    友達の福田は意思が弱く、死までにいたる。心の弱さが導いた病気やと思う。

    因藤がいうように、
    いつだってホームレスになれてしまう気がする。順風満帆にいってても、ふとやってくる可能性がある。

    そんな逆境のときでも、いつでも前向きに考えられる人になりたいな。

  • 元新聞連載の中篇小説集。図書館で、少し前にリクエストが多かった本のコーナーでたまたま手にして借りたのだけど、思いがけず掘り出し物だった。同世代で、共感とまではいかないけど、何となく心情がわかる主人公たち。丁寧に描かれた心の機微。どれも味わい深い読後感だった。

  • 途中まで再就職の話で 55歳のハローワーク だと思ってた 笑

  • あまり村上龍さんの作品は読まないのですが、この本には自分世代の近い将来の姿が描かれているようです。こたろうさん、ムーミン2号さんのレポを読みながら、読んでみたいと思っていました。


    ●結婚相談所  ●空を飛ぶ夢をもう一度 
    ●キャンピングカー ●ペットロス ●トラベルヘルパー
    以上5編の短編・中編小説からなっています。
    読後しての第一印象は、
    じっくりと現実を感じながら最後まで読める小説ということです。


    最初の話の「結婚相談所」は60歳間際の離婚した女性が再婚を考えて結婚相談所に通う話でした。女性も60歳ぐらいなら、お相手もそれぐらいの年齢。でも、こんなにも晩年の人生に対する考え方が女性と男性で違うとは・・・。おかしくあり、哀しくもあり。「定年離婚」が結構多いと聞きますが、そうなるわけがわかるような気がします。


    定年後に家族との関係がぎくしゃくする「キャンピングカー」も、定年後の夫婦の過ごし方をどうするかで、夫婦の間の考え方の違いが明らかになる話でした。いつまでも夫の考えている通りの妻ではない、ということでしょうか。普段から常に、お互いのライフプランを話し合っておくべきだなと思いました。


    「空を飛ぶ夢をもう一度」は、人生に破綻してホームレスになった同級生を故郷の母のもとへ連れ帰ってあげる男性が主人公です。定年後の預貯金や生活費、就職の不安を抱えながらも、友人を見捨てられない男性。自分自身がホームレスになりそうな恐怖と戦いながら、友に救いの手を差し伸べる姿に感動しました。


    「ペットロス」はタイトル通り、熟年夫婦の家で可愛がられているペットが亡くなる話です。大切に育てて慈しんだペットが病死。喪失感でいっぱいの妻を見て夫のとった行動は、妻にはちょっと意外なものでした。


    「トラベルヘルパー」では、60歳を過ぎたトラックドライバーの男性が一目ぼれをした同じ世代の女性の秘密を知ります。失恋の痛手のまま、故郷へ帰り、そこで、自分に出来ることを思いつきます。


    無我夢中で生きてきて、「定年」年齢で迎えるとき、
    人はどういう気持ちになるのか、リアルに具体的に書かれています。
    仕事だけでなく、家族間においても、夫婦間においても。
    痛いほどその状態がわかる話もあり、
    決して小説の中だけではすまない現実感がありました。
    熟年層世代にはとてもいい教訓本になると思いました。

  • 55歳の主人公が不幸な境遇ながらも、光を見いだし前に進んでいこうとする短編集。

    定年前で孤独や貧困と対峙している人生は大変だと思うし、明日は我が身かも知れないし、読んでいて心寒くなる。また、この年の人でも、同じ様な、悩みや苦しみを抱えているとわかるが、悲しい様な、そんなに人は変わらないんだなあ、感。

    どうしたら良いだろうか、恐らくお金を貯めているだけではダメで、家族や仲間と良い関係を築くと言うことを大切にしたいと思う。

  • 山陰中央新報で読む。いずれの主人公たちも人生最後の転機に賭け、厳しい現実にさらされる。独りよがりの登場人物が多くて辟易しつつ、自分もその誰かに当てはまる気がする。

  • 1月

  • 今、図書館の予約209番待ち。

  • 飲み物がキーワードの短編5編。
    結婚相談所‥紅茶
    空を飛ぶ夢をもう一度‥水
    キャンピングカー‥珈琲
    ペットロス‥プーアール茶
    トラベルヘルパー‥日本茶
    どの話も先行き暗い予感がして不安な気分で読み進むが、結末はほのかな希望を残していてほっとした。

  • はじめ、
    『55歳からのハローワーク』だと思い込んでいた。
    ハローライフというタイトルには、読んでいく内に納得した。

    村上さんは、お茶が大好きなんだろうか?
    お茶の描写がステキでとてもうれしくなった。
    紅茶、中国茶、日本茶、ミネラルウォーター…飲みものがいつも傍らに出てきた。
    物語の内容がちょっと暗くて読むのが辛い事もあったけど、なんとか読み切った。

    アールグレイ
    6 15 34 43 51 52 54

    湧き水
    77

    プーアル茶
    207 217 219 220 266 270 277

    日本茶
    266

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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