三途の川で落しもの

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024144

感想・レビュー・書評

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  • 西條奈加作品初読み。
    ミステリーというよりファンタジーかなあ。
    現代社会の問題を散りばめて子供にもわかりやすい内容に。
    主人公の叶人と同じ世代の子供たちに是非読んで欲しい。
    地獄は傷ついた魂を癒やす場所との解釈がとても素敵に思えた。

  • 最近西条さんの作品をたくさん読んでて、
    昔の言葉っていいなぁと思う。

    江戸時代の侍と あらくれものと 三途の川の渡し守をすることになった 小学生のかなと。


    最初は侍 十蔵が何故 輪廻を外れて守りをやっているかのお話。
    しっかり者でとても気遣いができる侍が 生まれ返るたびに親を殺す運命になる。
    その理由が明らかになるんだけど、なんともやるせない。

    あらくれものの虎之助は生まれ変わっても生まれ変わっても 殺人鬼になる。
    その理由は 実は戦場で心に痛手を負っているのを隠そうとしてたから。 泣ける〜
    かなとが、虎之助を慰めるシーンが良かった…

    最後はなぜかなとの魂があの世にいっちゃって保留になってるか。
    この作品を読んでて、子供って何も考えてなくて楽しそうに見えるけど、実際自分が小さい頃は色んなことを考えて、結構苦しんでたなあと思い出した。

    子供殺しと親殺しはどっちが悪いか?
    なんで人が人を殺してしまうか?
    戦場で人を殺すと讃えられて、普通の世で人を殺すと責められるのはなぜか?

    こんな難しい問いに あぁ、なるほどと納得させてくれる答えを出しながら リズミカルに物語が進んでいく。

    三人のデコボココンビが死者の魂を現世に落としちゃって何回も取りに行くんだけど。
    自動ドアにぶつかったり、列車に驚いたり
    確かに昔の人が今の時代に来たらこうなるだろうなぁと読んでて クスクス。

    読みやすくて楽しい作品でした。
    エピローグも良い!

  • 折角の経験が無にならなくて良かったね。また会えて嬉しい。

  • 三途の川にやってきた小6の叶人。
    現世には戻りたくないと川の渡し守をやることに。

    子供の発音から想像してダ・ツ・エヴァや県営王になるのが面白い。
    渡し守の十蔵や虎之助ともいいコンビになっていく様子が微笑ましい。
    ほんわかする1冊。エンディングも素敵。
    装画:Nao

  • ストーリーは嫌いじゃないけどなぜだか読みにくかった。

  • i had be known ending it's, but can't cool. at 138p. i think, need only an impression (with tears)at last 30p.

  • 橋から落ち、意識を失った小学生の叶人。気がつくと、そこは三途の川。江戸時代の人物と思しき2人の男とともに、三途の“渡し守”を命じられる。ミッションは、死者の未練を叶えてあげること―。

  • ファンタジーだけに状況を把握するのに戸惑いがありつつも面白く読了。
    終わり方がとんでもなく好きだ。

  • 仮死状態の小学生志田叶人が、三途の川の渡し場に迷い込み、閻魔さまの部下?の奪衣婆(だつえば、叶人のイメージではダツ・エ・ヴァ)、懸衣爺(けんえおう、叶人のイメージでは県営王)に出会い、三図の川の渡し守の二人、十蔵と虎之助とともに、この世への未練を抱える死者が落とした地蔵玉を回収する、という役目を仰せつかり、現世でそれを探すとともに、死者の未練を掬いあげる、という短編集。色んな未練を通して、それぞれの人生を考えさせ、最後にほろり、の要素も含めて、まぁまぁ楽しめた。

  • 奪衣婆がゴージャス美人だったり、懸衣翁がチビ、ハゲなオジサンだったり。子供が言葉から受けるイメージって面白い、と思った。
    主人公3人が3人とも悲しい過去を背負っていたけど、なんとか憂いが晴れてよかった。最後の3人でラーメンを食べるシーンがお気に入り。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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