- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344024144
感想・レビュー・書評
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あの世に行くまでの不確定な空間での思考や行動が軽いタッチで描かれていて面白い。誰も本当の事は知らないけれど、常識程度には知っている話をここまで上手に味つけしてあり良かった。
魂にどれだけ傷が付いたかで地獄行きが決まる、魂についた傷を癒す為に地獄はある、その時代に魂が合うかどうか、そこが問題詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後に叶人の気持ちがはっきりしてホッとした。
三途の川の渡しの手伝いを命じられたから、人の思いが感じられるようになったのか。 -
死んだ?小学生が三途の川で渡し守の手伝いをすることになり。訳ありそうな二人と地蔵玉(未練?)を探しに現世へ。その時は大事と思うことでも、後になってみれば大したことでもないんだよね…生きてると大変なことばかりだけど、生きてるといいよね。変な感想になりましたが、内容はわりと重いことも軽く書かれていて読みやすく、ラストはえっ、となったけども嬉しく。続編はあってもなくても。☆☆☆
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半死の状態で三途の川にたどり着いた小学生・叶人と
三途の川で渡し舟を操る江戸の侍コンビが
彼岸に渡る死者の未練を探る。
若干説教臭い気もしたが
中学生あたりの課題図書にお薦めしたい良作。
映像を眺めているような気分で読めた。
【図書館・初読・4/11読了】 -
「やっぱりこの人の本はイイ」と夏目父。
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死者の未練はミステリー。三途の川で出会った生意気な小学6年生と江戸の侍2人。でこぼこトリオは死者の未練解決に奔走する。
小学6年生の叶人(かなと)は、学校の近くの大きな青い橋から落ちて、三途の川へ辿り着いた。そこでは輪廻転生からはずれた江戸時代の武士とあらくれ者が、死者を現世から黄泉の国へと送りだす渡し守をしていた。神話では、この三途の川の渡し守を"カローン"と呼ぶ。親殺しという呪われた因果から逃れられず、優しいまなざしの中にいつも悲しみをたたえる十蔵。殺人鬼と恐れられ、動物的勘にすぐれるあらくれ者・虎之助。死者を無事黄泉の国へと渡すには、現代世界へ降り立ちその者が強烈に残した未練の元を解決しなければならない。「事故か、自殺か、他殺か」死因がわからず現実世界へも黄泉の国へも行けない叶人は、いがみ合う2人の江戸者を手伝うカローン隊の一員となる。
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輪廻の輪から外れた江戸者の二人・十蔵と虎之助と、生死の境をさまよっている小学生・叶人が、ダ・ツ・エヴァ(奪衣婆)と県営王(懸衣爺)の計らいによって、三途の川の渡し守になり死者を彼岸に渡すことになる。現世に心を残した死者の魂(地蔵玉)は、ふとしたきっかけで三途の川から現世に落ちてしまい、三人は別人の躰を借りてそれを探しに行き、地蔵玉の持ち主の心残りを解決すべく奔走するのである。筋としては、ときどき見かけるものではあるが、舞台設定と三人のキャラクタの取り合わせとが意表をついていて、なかなか面白い。三途の川にやってくる人たちを見ているうちに、叶人の投げやりだった心持ちにも次第に変化が現れ、自身の気持ちとしっかりと向き合うことができるようになっていく様子がとてもいい。それぞれが抱えている心の闇はとても深く、気持ちが沈むが、それを上回る大きなものに守られているような心地になる一冊である。 -
よくある設定というか、どこかで読んだことあるような話で最初はなかなか入り込めなかった。ただただ叶人が三途の川に来ることになった理由が気になって読み進めた。でも、最後まで読んでよかった〜(^^)軽い感じで楽しく読ませてくれますが、それだけでないあたたかな本です。
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気がついたら三途の川に着いていた小六男児の物語。ジュブナイル的ではあるのですが、大人が読んでもじゅうぶん楽しめます。脇を固める4人のキャラクタも秀逸。
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はじめての作家さんの本。
小学生の叶人は、三途の川へ行きつき、ダ・ツ・エヴァや県営王のもとで、仕事を手伝うことになる。
はじめは恐かった十蔵、虎之助とも心が通い、自分の過去を振り返ることができるようになり、最後はえ?そうなるの?って感じですが、読後感も良かったです。 -
三途の川を渡るのか渡らないのかの手前の男の子が、三途の川を渡る人たちの未練を解消していく話。
2013/1/13