持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない

著者 :
  • 幻冬舎
3.63
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感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027688

感想・レビュー・書評

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  • 前にも読んだことあるこの著者。pha(ファ)さん。
    京大卒元ニートでちょっとメディアには出てたりしてる人です。
    今は軽く文書いたりブログの広告で軽く収入を得たりとゆるく生きてる人です。
    結婚すること、家族を築くこと、就職してしっかり働く人を否定しているわけではなくてそれが幸せと感じるならすればいい。
    要はどうしていることが幸せなのか、価値観や多様性を確認するための本だと思います。
    最近僕もわかってきた気はしてます。
    ちょっと稼ぎたくなったらいろいろばーと考えてまたちょっと疲れてこんなもんでいいかと思ったり、家で1人で映画観たり、F1観たり、ボクシング観たり、本読んだり、たまに誰か来たり、美容師なのでお客さんと毎日顔を合わせるので寂しさを感じることはないし、外にお酒を飲みにもよく行くので誰かと会うので寂しさはないです。
    いい服を着ることに幸せを感じる人もそうじゃない人もいます。
    みんな幸せはばらばらです。
    ただこの本だけ読んで全部辞めちゃおうは違うと思います。
    あくまでphaさんは京大卒で地頭もあるし、SNSやブログで発信力もある方なのでみんながみんなこんな風にはなると思いません。
    あくまで自分の価値観見つけましょうという本です。

  • 自分の居場所(コミュニティ)を自ら作る、という発想が新しい発見だった。私の居場所は会社と家庭でしかなく、不満をたらたら言いながらも、何となく居心地がよくて、それ以外の居場所の必要性を感じなかった。それに、会社も家庭もとても効率的で受身でいられて楽だったのだ。コミュニティーを主体的に作っていくなんて発想もなかったし、ただでさえ疲れていて精神的にハードルが高かったかもしれない。あえて言えば、出産後のママ友づくりがコミュニティを作る新しい挑戦だったかもしれない。
    今の居場所にある程度満足はしているものの、会社での人間関係には悩みまくり、不満もある。居場所はあるが、自分の気持ちが尊重される場所ではないかもしれない。かといってすぐに会社を辞める決断はできない。経済的困窮に陥るかもしれないという危うい立場を受け入れられそうにない。とりあえず家庭以外の居場所がある、そのコミュニティを維持するためという目的で会社に行ってもいいかもしれない。

  • 割と面白かった。

    インターネット論の人って感じ

    会社員なだけが選択しではないですよね

  • 読み手によって評価が二分する本だと思う。
    あと最初に言っておきたいのがこの本は決してノマド的な生き方の指南をしているわけではないということ(レビューにそこを期待している人がいた)。

    私も著者のような生き方を体現している一人で、そのような生き方をしようと思ってしたのではないことは確かなのだが、ゆえに共感できる部分が多かった。
    営利企業に努めて働けるだけ働き、稼げるだけ稼ぐことをよしとする思想で育てられ、育ってきた人には理解不能でしょうし、ただの負け犬の遠吠えにしか聞こえないようなこともあると思います。

    この本を一言で良い表すならば、「京大出身で読書好きな語彙力と知的バックグラウンドの豊富な人間が資本主義社会からはみ出た人生の送り方を個別具体的な例を上げて紹介する本」でしょうか。
    よってこのような人生を送っている人は古今東西いたとは思いますが、わかりやすい表現で書籍化した例はそこまで多くはないと思います。

    この本の良い点は著者の主観で進めていても、引用はしていなくてもその考え方には今まで存分に論点となってきた事象が含まれている点です。
    例えば著者の考えにはマルクス主義も含まれていますが、実際マルクスの話はでてきません。でも資本論(その他資本論解説書など)を読むと、著者の考えに共通するものがあります。
    おそらく資本論の類を読んだことがあるとは思うのですが、それを作品の中では引用していないのです。
    このような部分は多少ありまして、「この話他の本で読んだことあるな」がそこそこありました。

    よって「具体的に何をどう主張したいの?」という疑問にストレートに回答していく作りになっておらず、ダラダラと話が続くため最初に述べたとおり読み手を選びます。
    が興味があれば読んでみても損はないと思います。

    京大出身か、頭脳明晰か、といったものは多少は話題にはなると思いますが、この本が注目されるのは実際に年収100万くらいでも十分に自活しようと思えばできることを体現していることが最大の要因でしょう。
    サークル、インターネットなどといった著者のいうお金以外の「ツール」を活用することで「協力」しながら生きていっているという事実がこの本に作品としての価値を与えているのだと思います。

    個人的な意見として、著者の言うように現代も歴史の流れの一つであり、今後も十分に変わっていく、その転換期の最中なのだから、生き方、働き方も多様化してもいいのではないかな、と思います。

  • タイトルどおり、著者の持たない生き方と幸福の関係について語られている。
    「今は今までの歴史の中で一番なんでもできる自由な時代だ」
    生きづらいならば、なんとなく持っている義務感を捨てさろう。

    ◯所有と義務

    著者が「お金を得るためには働かなければいけないという厳然たる宇宙の法則」と表現するように、
    生活コストの増加は働く義務の増加を意味する。

    「何か物を持つということはその管理コストを抱えるということでもある。」
    物の所有はコストを増加させる。

    ロバート・キヨサキ「金持ち父さん 貧乏父さん」の一節「資産とは、あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」「負債とは、あなたのポケットからお金を奪っていくもの」を思い出した。
    タイトルの「持たない幸福論」は、負債を持ってはいけないということだと理解した。

    ◯能力の限界

    著者は自分の体力、気力の限界を知っている。
    長期間、重労働を続けられるというのは過信。
    副題の「働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」は、過大なコミットをして負担を負うなと理解した。

    まともな人間はやっている、とされることをすべて満たすハードルは非常に高い。あきらめてよい。

    ◯人生の意味

    人生に意味などない。しかし人間は意味がないことには耐えられない。だから、本能や論理、直観、社会の慣習、何でも使えるものは使って意味を見いだしていけばよい。

    価値は客観的にあるものではなく、自分で適当に決めてよい。

    ◯幸福のコア

    著者は、生きるのに本当に大事なことは以下の2つだという。
    「一人で孤立せずに社会や他人との繋がりを持ち続けること」
    「自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること」

    最低限満たされていないと不幸になるものがあるので、きちんと押さえる。
    トム・ラスとジム・ハーターの「幸福の習慣」を思い出した。

    ◯家族(家庭)の機能

    恋愛、セックス、共同生活、モチベーション、財産のシェア、育児や介護。
    さまざまな機能があって強力、実績もある。
    しかし、これらの機能を家族だけで達成する必要はない。家族が最適とも限らない。
    シェアハウスなど、他のシステムの力も借りてよい。

    ◯ゆるやかなコミュニティ

    複数のコミュニティに所属する。
    場所をつくる。
    中心になる必要はない、眺めている程度でよい。
    去るものは追わず、来るものはたまに拒む。
    滅びたらまたつくる。

  • pha『持たない幸福論』(幻冬社、2015)を読む。

    『ニートの歩き方』で評判を取った伝説の京大卒ニート36歳の人生論。悟りに迫りつつある気迫、ダルいという感覚を全面的に肯定する生き様。中世ならひとかどの高僧になっておられたことでしょう。知識人の魂を感じます。

    phaさんもプログラミングやお手伝いで年収100万円程度とのことで、類書の年収100万円で暮らすおじさんの話と同じく、物質、欲、消費文明への違和感を表明。宗教の違いとまで(ゆるく)断じます。

    必要十分な労働、自分にとっての価値。ミニマリズムの実践者がここに。


    【本文より】
    ◯僕のことを「京大を出てまともに働かず貧乏暮らしをしているのはもったいない」などと言う人もいるけれど、僕が大学受験や大学生活で得たものは本を読んだり学んだりすることの面白さや勉強の方法やコツで、今の僕の生活はその得たものを十分に活用できていると思う。

    ◯ブログを書いていると不特定多数の人が読みにくるので、僕のブログにもときどきよく知らない人(大体ちゃんと文章を読んでいない)が「あなたの考えは間違っています」とか「もっと働いてください」とかコメントをしてくるんだけど、そういうのは全部「あー、あなたの宗教ではそう考えるんですね、僕は違うからよく分かんないけど」って思ってスルーしている。

    ◯ときどき引越しをして持ち物や住環境などを全てリセットするのが好きだ。引っ越すときもできるだけ家具が最初から付いている家を選ぶようにしている。[中略]物は全て借り物でいい。/抱えている物が少ないほど身軽に自由に動けるというのは、それは具体的な品物でも、抽象的な実績とか記憶とか過去とかでも同じだと思う。

    ◯広告を見たり店に行ったりすると「これを買うといいよ」とか「これみんな買ってるよ」みたいな誘惑の情報が溢れていくらでもお金が必要な気がしてくるけど、そういうのはこの消費社会特有の物を買わせるトラップだ。

  • 感想
    幸せは多様になっている。定職に就かなくても良い。大きな家を借りなきても良い。ただ自分が幸福になれるような道を選ばなくてはいけない。

  • 50年前の日本社会→みんな結婚して、会社員の夫の稼ぎで妻子を養って、子供を育てて幸せな家庭を築く(理想のモデル)
    現在→社会情勢の変化、少子高齢化、非正規雇用増加→多数の日本人をカバーできない

    変化の速い時代・約20年ごとに社会状況や生き方が変化→親の世代とは違う社会を生きることになる
    古い価値観がいまだにプレッシャーをかけ続けている。
    最低限生きていける・毎日好きなことをする・仲間がいれば楽しい・お金がなくてもちょっとした工夫・面白いことがたくさんできる。
    暇つぶし→ネット、図書館、古本屋、チャット、オフ会、和歌山県熊野で家賃5000円の古民家、ゆるい仲間、孤独にならない。

    昔の社会→自分の時間の大半を仕事に捧げることが理想→厳しさがニートや引きこもり、脱落者を生んだ→少子化・晩婚化

    終身雇用を目指す時代ではない。
    状況に応じて、柔軟に流動的に選べる生き方
    本、ブログ→知識は人を自由にする 選択肢の多さ・新しい生き方を考えるためのサンプルとしてこの本を紹介 現在は一番自由な時代

    ほとんどの行動は暇つぶし→仕事をこなすこと自体が目的化していないか?何もしていないと不安だから仕事
    エレベータの閉ボタン→実は単なる飾り・押さなくても閉まる時間は変わらない
    自分の得たものが自分を縛る 〇〇を買ったから置く場所を作らなきゃ! こまめにモノは手放すのが良い。
    ウェブサイトTumblr ユーザーが集めた名言、面白画像、断片的記事がひたすら流れる

    自分のやっていることを他人に認めてもらえないと虚しさを感じる

    社会と自分・肯定と否定の4パターン
    1仕事がうまくいっているし、自分自身も充実感
    2社会は肯定するが自分は肯定できない(仕事をうまくこなしているが、自分に自信がない・義務感・仕事がたくさんで憂鬱)
    3社会も自分も否定
    4社会とは関わらないままだが、少しずつ個人的な小さな楽しみ→1に戻る

    人間が2人くっ付くと人間が増える→ロマンがある。
    子供を作る→結局選択肢の1つに過ぎない。人間は遺伝子の運び屋ではない。
    人はミームを残す。(文化についての遺伝子)
    宇宙から見れば、どうでも良い

    家族は血縁関係のあるシェアハウスに過ぎない シュアハウスでのイベント(誰かが大量にカレーを作った・面白い漫画を買ってきた…)
    世の中にはうまく回っている家族もあるが、問題が起きている家族も多い。
    家族の歴史は古くない。今では2割位の人間はずっと未婚☆男女+子供が多数派でなかった時代は存在しないハズR05-12-30Sat

    家族を絶対に必要なもの、絶対に良いもの→問題が起きたとき自分を責める、我慢する原因 空洞化した家族は不毛
    家族という居場所は選択肢の1つくらいに考える方が良い シェアハウス→メンバーが入れ替え可能かどうか

    一緒に暮らすとセックスしなくなる→したくなったらホテルですれば良い

    家族だけで同居というパターン以外・2人よりも大人数の方が楽→子供や老人のケア

    人間にとって1番大事な事は孤立しないこと→家族を使えば良い。他で代用できるなら他のシステムでも良い。
    イエから家族へと生き方が変わって、標準的な生き方は存在しない→孤独にならないため、ありとあらゆるツールを利用すべき

    会社勤め→料理する元気なし→牛丼、ハンバーガー…雑な食べ物、買い物でストレス解消
    自分にとって1番大事な生活のペースリズムを奪われる
    料理は一石二鳥 自宅でパンを焼く(焼きたてのパンのおいしさ)・魚をさばく・植物を育てる
    本はコスパが高い・一生かけても全部読み切れない
    安上がりな趣味→インターネット 節約スキルは一生の資産(人と比べることに意味はない・なんとなく稼いだ金はなんとなく使ってしまう・FX)

    都会と田舎を行き来する 熊野地方の山奥に一軒家 紀伊半島大水害で浸水した家を改装・温泉☆東京から行くのに時間かかる?・白浜空港の近くか?レンタカーですぐのハズ
    商売→お金をかけばお金に追われない・ゆっくりしたペースでローリスクで始められる(都会のスピードは早すぎる)
    養老孟士の旅する脳・都会と田舎のいいとこ取り

    複数の居場所☆英会話、古事記の会…今の自分は休日に常に不安感あり
    合わない人とは、棲み分け 気軽に集まれる人 悪口はほどほどにする(家の中で親がずっと誰かの悪口・子供はそれに同意せざるを得ない→人は精神的に弱ると自分を守るために差別や攻撃をしてしまう傾向がある)

    将来、サックリ死ねたら良い

    投資 卵は1つのカゴに盛るな


  • 今すぐ実践できることからいつかやりたいなーと思えること(和歌山県でのシェアハウスの話)など幅広く紹介されている点が良かった。
    日々競争社会でヘトヘトになりながら生きてる私にとっては、こういう生き方もあるよと知ることができるだけで心が楽になる感覚でした。
    現実的ではないと言えばそうなんだけど…知ることで楽になる!
    「しないことリスト」もこれから読みます♡

  • 1人暮らしが好きで、誰かと暮らすの無理という気持ちが大きかったけど、誰かとシェアしたほうが楽な部分があるのはわかるし、フィッシャーズが同じ階に集まって住んでいるみたいに、コミュニティを築くのはアリかなと思えてきた
    実際私も幼馴染の家や管理人さんのお世話になってきたし
    多拠点生活デフォはいいなぁ、最近田舎で思うことあったし
    人の入れ替わりがあるけど常に誰かいるコミュニティっていいな

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著者プロフィール

一九七八年大阪府生まれ。作家。著書として『どこでもいいからどこかへ行きたい』『しないことリスト』『夜のこと』『人生の土台となる読書』など多数。大学生のときに京大短歌会に少しだけ参加。第5回笹井宏之賞では最終選考に残る。文学系ロックバンド、エリーツの一員としても活動。東京・高円寺の書店、蟹ブックスでスタッフとして勤務している。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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