- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344028500
感想・レビュー・書評
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いつもとは雰囲気の違う話だったが、これがグっと引き込まれた。
娘を持つ母親として、思うところが多かった為、余計に感情移入して、
気が付けばラストでは泣きながらページを捲っていた。
泣きながら本を読んでいるところに、ちょうど娘が入ってきて、
「お母さん?大丈夫??どうした??」
と。またその声を聞いて涙が止まらなくなってしまった。
考えさせられる点はとても多く、学んだ点も多かった。
あの母親の行動は異常ではないかと思いつつも、
多分現実に起こったら、私も同じことをするのだろうと思う。
体温を感じられるのなら。
頭で分かっていることと、行動とはひょとしたら異なるのかもしれない。
同じ立場にならないと、多分きっとわからない。 -
脳死移植をテーマにした作品です。医療職として移植に関する情報もそれなりには学んでおりますが、内容が本当にリアルで引き込まれました。
結論として、人の死をどのように捉えるかという問題に関してはどれが正解というものでもなく、自分と異なる価値観を否定できるものでもないということがわかりました。
とても考えさせられる作品でした。オススメ! -
脳死状態の娘を「生きている」と信じ続ける母親。
生と死の境界はどこにあるんだろう…。
重くて切ないテーマだった。
でも、対象が幼い子どもだったから。で、もっと年齢がいった人が対象になっていたら、こんなに切なくならなかったかも。 -
脳死や臓器移植について深く考えさせられた小説だった。 離婚を考えている別居中の夫婦。母親が別の男性とデートするため、自分の妹と母親に娘をお願いした出先のプールで事故が起こった。
脳死である可能性が非常に高いと判断され、でもそれを受け入れることができず、夫婦で力を合わせ乗り切ろうとする約3年の軌跡。途中、母親が狂ったかのような描写が出てくるが、子を持つ親の心理としては理解ができた。結局、娘は亡くなるのだが、その最期も晴れ晴れとしてよかった。今まで拒んでいた臓器提供をし、それによって生かされた子の人生もあり、また、臓器提供した側も、これから生きていくことができるのではないだろうか。
何を持って「死」と判断するのか。永遠のテーマかもしれない。 -
途中、読むスピードの落ちた箇所もあったが、最後は一気に読み切った。考えさせられた!感動した!
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さすが、だと思いました。
子どもが事故に遭った所ですでに泣いてしまい、終盤、包丁を振り回す所では、号泣。
脳死の話なのですが、脳死=死としたくない母親と母親の娘への振る舞いに戸惑う周囲。
子どもに関することになれば熱くなる母の想いがすごく伝わってきて、その気持ちのままに時間やお金を掛けられる登場人物を羨ましくも思ったり。
自分の身に起こったらなんて考えたくもないけれど、親として、娘として色々考えさせられる話でした。 -
めちゃくちゃ考えさせられた。
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臓器移植という人の死とはどこからかそれまで持っていた自分の考えとは違う角度から考えさせられた。
解明されていない事が多い脳と脳死の意味について。
海外での臓器移植の背景。
狂気に見える母親が「狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子供のために狂えるのは母親だけなの。」という言葉が刺さった。
オープニングとエンディングが繋がっているのが東野圭吾らしくてよかった。
知らない多くの事を学べる作品でした。 -
「脳死」という思いテーマでしたが、説教っぽくもなく、家族が軸になっているので、読みやすかったです。
普通の家なら、どうしても金銭的なことが問題になって、ここまで手術や介護には取り組めないとは思います。
薫子さんの必死さも狂気ではあるかもしれませんが、共感できる感情もあり、最後は涙しました。