バタフライ

著者 :
  • 幻冬舎
2.82
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本棚登録 : 90
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028746

作品紹介・あらすじ

交差するはずのなかった、それぞれのままならぬ人生。小さな勇気が奇跡の連鎖を起こす。書き下ろし群像ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 多くの人物が出てきて、最後はそれぞれの物語が交わるいわゆる群像劇。
    最初は誰が誰だかよくわからなかったけど、交わり始めてから一気に楽しくなった。
    ちょっと置き去りにされているエピソードがあるのが気になったけど、全体的には好きな内容。

  • 最後はご想像におまかせしますてきなところに、もやもやかんがありますが面白かった。

  • 赤の他人のささいな行動によって、人生が大きく変わるお話。チュンソフトの「428」とか「街」が好きなら読んで損はない。 登場人物:養子、老人、引きこもり、ネカフェ難民、企業社長など。 ただし、いくつかの登場人物はあまり深く掘り下げられていなかったり、結局解決してないのかーいみたいにもやもやすることもあった。 しかし、テンポよく物語が進み、次が気になる構成になっているため時間を忘れて読むことができる。

  • 読んでいて思わず「なんじゃこれは?」「ほ~、そういうことか」と呟いて、笑ってしまいました。物語の構成自体が肝心かもしれないので書かないのですが、こういう書き方は、作者の発明なのか、もともとある小説技法なのか。僕は初めて読みました。互いの地獄を生きる七海と拓に、何人もの無関係な人達が引き起こした1日の奇跡が訪れます。作中"アレ""呪い"といった言葉に、思わず著者のデビュー作を思い出さずにはいられませんでした。

  • なんじゃこりゃというか。
    ある一日を、複数の登場人物でザッピングして、幾つかの人物をそれぞれつなぎ合わせていって、起承転結にしていく、というお話。
    むしろ技巧??
    そえぞれの人物は大なり小なり問題を抱えていて、それが最後にはあらかた解決しているとゆーですね。
    のめり込むほどには感情移入させず、かといって気にならないほど些細ではない、読み手へのひっかけ方のさじ加減が嫌な感じに上手いです。

    OLたちがんばれーー。
    君たちはどうなったか分からんのだよな。

  • もう少しつながって欲しかった

  • +++
    交差するはずのなかった、それぞれのままならぬ人生。
    小さな勇気が奇跡の連鎖を起こす、書き下ろし群像ミステリー。

    尾岸七海(13)は母の再婚相手に身体を求められていた。「この男を本当に殺したい」。島薗元治(74)は妻に先立たれ、時間を持て余している。「若い奴は全くなってない」。永淵亨(32)はネットカフェで暮らし、所持金は1887円。「もう死ぬしかないのか」。山添択(13)は級友にゴミ扱いされて不登校に。「居場所はゲームの中だけだ」。設楽伸之(43)は二代目社長として右往左往している。「天国の父に笑われてしまう」……。全く接点のなかった、困難に直面する一人ひとりの日常。誰かの優しさが見知らぬ人を救う、たった一日の奇跡の物語。
    +++

    改めて、たった一日のできごとだと思うと、呆然とする。もともと何の関係もなかった人たちが、ふとした偶然から――意識的に、あるいは無意識に――関わり合い、その日一日の様相を変えていくのは、劇的であるようにも思えるが、考えてみると、誰の毎日にも必ず起こっていることなのだと気づかされる。タイトルはバタフライ効果を想起することが狙いだと思われるが、そう言うには、いささか繋がり方が偶然過ぎるところがなくもない気はする。ほんの些細な――出会いとも言えない――かかわりによって、流れというのはこうも簡単に変わっていくのかと驚かされる一冊である。

  • タイトルは「バタフライ・イフェクト」からで、それが示すとおり、最初は接点がなかった人々の小さな行為の波紋が次第に重なって最後には…というお話。伊坂や恩田あたりが得意なパターンでそれなりに確立されたジャンルだけに、詰めや着地点の甘さが気になりました。もうちょっとすっきりさせて欲しかった。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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