- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344030688
作品紹介・あらすじ
四谷にある大学の門近くで自動車の爆発事故が起こった。死者と怪我人を出したこの爆発は、やがて「爆弾」によるものだったことが判明する。宗教テロが疑われる中、軽視庁刑事部捜査一課の樋口顕は情報収集に動き出すが、上司である天童隆一管理官から「かつての部下、因幡が『テロを防ぎたい』という電話をかけてきた」と打ち明けられる。国際テロ組織に入ったとの噂がある因幡からの電話は、今回の爆発と関連しているのか?そんな最中、樋口の娘・照美がバックパッキングで海外に行きたいという。公安が乗り出す大がかりな捜査と家庭の間で奮闘しながら刑事は何を思うのか-。『隠蔽捜査』と並ぶ警察小説シリーズ、待望の最新作。
感想・レビュー・書評
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回帰 ー 警視庁強行犯係・樋口顕シリーズの5作目
2017.02発行。字の大きさは…小。
警視庁強行犯第3係・樋口顕係長の活躍を描いた物語です。
此度は、東京都千代田区の大学の近くで爆弾テロが発生しました。
それと同時期に、樋口係長の上司・天童管理官の元部下・因幡芳治が日本に入国して、天童に連絡してきます。因幡は、公安がテロリストとしてマークしていて、今回のテロの主犯として追っている男です。
事件は、公安部長と刑事部長が出席する指揮本部としてスタートします。公安は刑事を、刑事は公安をうかがいと、お互いに疑心暗鬼で進んで行きますが、最後は、お互い手を取り合って解決して行きます。
【読後】
久しぶりの警察物語です、面白く読めました。
事件のさなかに、海外をバックパック旅行するという娘・照美の問題を抱えて、照美を如何に説き伏せるかと悩みながら事件解決に進んで行きます。これがいいアクセントになっていていいです。
【記録】
警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ
《単行本》
「リオ」1996.07発行、「 朱夏」1998.04発行、「ビート」2000.10発行は、字が小さくて読めません。
《文庫本》
「リオ」2007.07 発行、「 朱夏」2007.10発行、「ビート」2008.05発行、「廉恥」2016.08 発行は、字が小さくて読めません。
2020.12.09読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
樋口シリーズ3年ぶりの新作。シリーズ5作目。四谷にある大学の近くで、自動車爆発事件が発生。死傷者5人に及ぶ惨事に、宗教の絡むテロが疑われ、樋口たちは捜査に乗り出すが…班長であるが故に、現場を歩き回る捜査が許されず、物語のほとんどは指揮本部や取り調べのやり取りで描かれる。派手さはないが、隠蔽捜査シリーズ同様、樋口の内面の葛藤が分かりやすい。今回はテロと言うことで、公安との駆け引きも見逃せない。刑事VS公安だと、大体が嫌なイメージで描かれるが、公安をも味方につけてしまう真っ直ぐな樋口の人柄は、やはりいい。
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シリーズ第4弾。
自己評価は低く、そのくせ周りからは、高く評価される。
組織にとらわれず、メンツにこだわらず、人としてのまっすぐさを持つ、樋口。
その人の好さが、随所に現れるストーリー。
主人公にかぎらず、なんだかんだで誰もがいい人なので、安定の展開。 -
誉田さんばかり続いたので、久しぶりに今野敏氏の最新作。
今野氏のはキャラではなくてストーリーで読ませるから、刑事物でも違う面白さ。 -
読みやすく、最後の方はハラハラしました。
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警察内部のポリティカルな部分と国際組織のポリティカルな部分をついた作品。
この内にも外にも圧迫された状況の中で、ポリティカルな部分抜きで自分で判断できる能力というものをもつことの重要性。
そして、立場やプライド云々抜きに自分の非を認めることが歳を重ねていくごとに困難になっていく中で謝るということが自分の成長のなかでも大事なのだなと思う。 -
久々の樋口顕シリーズ。前の話は覚えていないけど、刑事物の主人公にしては人間臭さが魅力かな。
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樋口シリーズ第5弾。テロ事件と疑われる自動車爆発が起き、刑事部と公安部の合同捜査となる。捜査の対立もあるけれど共に認めあっていく感じは今野さんらしいなと感じる。テロ事件という題材の割に緊迫感は無かったけど安定した読みやすさでした。
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警視庁強行犯係樋口顕シリーズ。
四谷にある大学近くで爆発が起こり、宗教テロが疑われる。公安との捜査体制のなか、樋口の上司の天童管理官から、樋口も知っている元警官の部下である因幡から、テロを防ぐために協力してほしいと連絡がはいる。一方、その因幡にはテロ組織との関わりも噂され、難しい対応を迫られる。 -
久しぶりの樋口さんは相変わらず考えまくってた。
樋口さんが考えまくるので誰が敵か味方か公安は信用できるのか、自分の考えもかなり惑わされたけど安定の面白さでした。笑