- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344038998
作品紹介・あらすじ
木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木ら
若き芸術家たちが謎に挑む
傑作青春ミステリ
明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、
その名も「パンの会」。
隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った
木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等が推理合戦を繰り広げる。
そこに謎めいた女中・あやのも加わって――。
鬼才・宮内悠介の新境地!
感想・レビュー・書評
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耽美派の木下杢太郎が主人公と言うのが興味深い。あの有名な「牧神(パン)の会」に集うメンバーから出される不可解な事件を、皆でああでもないこうでもないと論議し合うが、結局は店の給仕のあやのが解いてしまうという連作ミステリーだ。当時の若い小説家や詩人、歌人、画家たちの雰囲気が上手く描かれているが、ミステリー自体は無理があるかも。ただ、芸術至上主義的な事件解釈がユニークかな。木下杢太郎自身の煩悶も描かれているが、結局は医者の道に進み懶病の権威になったんだね。
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瀧井朝世が読む『かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖』芸術家たちの謎解き | 本がすき。
https://honsuki.jp/review/51720.html
かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖 | 株式会社 幻冬舎
https://www.gentosha.co.jp/book/b14133.html -
小説幻冬2020年2月11月号、2021年1、3、5、7、9月号連載の「牧神に捧ぐ推理」を改題し加筆修正して2022年1月幻冬舎刊。菊人形遺聞、浅草十二階の眺め、さる華族の屋敷にて、観覧車とイルミネーション 、ニコライ堂の鐘、未来からの鳥、の6つの連作短編。パンの会の集まりが開かれる料理店で女給のあやのがその場で聞いた話からたちどころに事件の謎を解く話なのだが…。ちっとも興味を惹かない事件で、謎の解明もありがたさがわからない。あやのって何者?という思いは持続するものの、楽しめないままラストへ。あ、あやのってそうなの。でも、それがどーした。と思いました。
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明治に実在した若き芸術家たちのサロン「牧神の会」で、木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭らが謎に挑む連作短編集。著者覚書にあるように明治版の黒後家蜘蛛の会といった感じ。
会に集まる芸術家たちは実在の人物で、作者はかなり綿密に調査して実在の出来事を取り入れているようだが、個人的に北原白秋など有名どころしか知らないのでいまいち盛り上がれず残念。事件の真相や動機はちょっと変わったものが多くて面白かった。 -
木下杢太郎や北原白秋たちが集まって謎解きをするのもワクワクなのに、謎を解明するのは、お店の女中のあやのさんだなんて。
この時代の人間の業がなせる人死になのか?
あやのさんとは一体何者なのか?
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明治時代の実在の若い芸術家たちによる謎解き短編集。雰囲気は好きだけど、トリックが理屈っぽくて面白くなかった。
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面白かったけど、期待が大きすぎたかなぁ。
毎回、女中のあやのが解決してまうし。
あの時代の登場人物に知識がないと楽しさ半減してしまうのかもしれない。