- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344400696
作品紹介・あらすじ
同心組頭の兄・田村菊太郎は公事宿(訴訟人専用旅籠)の居候。人を殺めた疑いで捕らえられた吉松の無実を鯉屋に訴え出た恋人の八重。彼女の心にうたれた菊太郎は、事件を洗い直す。そして事件の裏に親が無宿者だった吉松に対する偏見があることを知る。怒る菊太郎がとった行動とは?「拷問蔵」ほか全六編収録の好評時代小説シリーズ第三作。
感想・レビュー・書評
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公事宿事件書留帳シリーズ第三弾。
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終りに冥し。
弘法大師の言葉が、作品のなかで、紹介されている。
人はどこから生まれ、どこへ死んでいくのか。人は何度も生まれ変わっても、人間についても、生や死についても何もわからない。
菊太郎は、人間はある一面だけでない。良くも悪くも、明暗半々、と結んでいる。
この人間観がこの作品の良いところであり、肝でもあろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
つい先頃冤罪のニュースを見た。公事宿事件書留帳シリーズ第三巻も冤罪と拷問の話がある。世間からの偏見から殺人犯容疑がかかり、拷問により口を割らそうというのだ。主人公田村菊太郎はこの事件の真相を洗い出す。
時代もの主人公は剣術などの圧倒的な強さをもち、事件を解決したりする。
菊太郎も剣術は相当のものらしいが、刀を振るうことは少ない。
菊太郎の武士の身分を越えた目線や人への優しさや人間に対する興味が事件、そして解決へと導いているように見える。それぞれ物語の最後はやっぱりさくっとしているが、この読了感も慣れてくる。 -
L 公事宿事件書留帳3
相変わらず事件の終わりはあっけないがなかなか粋な裁きもあってスッとする。
菊太郎、どっかの誰かっぽいと思ったら、江戸でいえばかわせみの東吾だなぁと思いついて妙に親近感。 -
初版本
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2008/03/08読了
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表紙の絵は怖いけど冤罪事件はいつの時代もあるもんだなぁっておもいつつ読みました。
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公事宿(訴訟人専用旅篭)第3段。もう言わずとも良いでしょうの面白さ。「拷問蔵」の描写のシーンは怖い。