サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 7565
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402577

感想・レビュー・書評

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  • 辻さんの本を初めて読みました。彼のイメージはパリで子育てを頑張るシングルファーザーでしたので、このような小説を書く感覚のギャップがとても新鮮でした。言葉の選び方がとても丁寧で好感を持てました。

  • すすめられて読みはじめたけれど、主人公の二人の魅力が今ひとつ。「マディソン郡の橋」と似ているとよく言われるらしいけれど、この作品では二人が惹かれ合う必然性のようなものが、あまり感じられません。特に、女性であるわたしにとって、男性の主人公が(名前も忘れるくらい)魅力的でないのでした。
    それでも、他の方のレビューを読んでいると面白いのは、「不倫」とか「女性にだらしないだけ」とかいろいろ手厳しい。恋はコントロール不可能だから恋なのだから、そういう「正しさ」を語ってみても仕方ないフィールドなのにな〜、私が許されない恋をしたとしたら、こういうふうにたたかれるんだろうな〜(と許されない恋をしているわけでもないのに)妄想するのでした。
     というわけで、多くの方が書いているように、二人に感情移入できない。最後まで読んでも、このアウェイ感はなくならなかった。

  • わかりやすく、さらりと読めた作品だったけど、ラストは切なくて泣いてしまった。
    これだけさらさらとした作品なのに、なにか印象を残していく。
    ロマンティックなラブストーリでした。
    切なくて、素敵な作品でした。

  • 「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトにわかれる」という印象的な部分について、もしかするといつか思い出すことがあるのかもしれない。

  • 映画も見た。
    映画も良かったけど、私はやっぱりこっちがいい。

  • 凄い好き。
    こんな恋、したいわー!
    と乙女になっちまいました。

  • 豊は沓子を愛すべきではなかった。
    沓子もまた豊を愛し続けず、他の人を好きになるべきだった。

    豊はずるいし都合がいい。
    けれど、沓子が愛し続けていてくれたことに、どうしても涙が出る。
    沓子の一途な気持ちがたまらなく嬉しく、切ない。

  • 当時の恋を終わらせようと決意させてくれた作品。


    昔の彼を嫉妬させるために始めた体だけのつきあいのハズが、
    いつのまにか本気になってしまった。

    そんなことある??
    そこだけが理解できないけど…
    読んでて、胸がえぐられるぐらい辛かった。


    たとえ幸せなひと時があっても、
    その後ずっと後悔し続ける、思いの叶わない陶子みたいな恋愛は
    したくない。

    この作品のおかげで諦める決意ができました。


    辻さんの作品にお世話になったのは、これで2回目。
    『冷静と情熱のあいだ』では、
    ずっと好きでいてもいいんだよね?って思い続ける決意をさせてくれた。

    『サヨナライツカ』では、諦める決意をさせてくれた。


    読む側にとって、大きく感想が違ってくると思うけど…
    私は、読んで救われたかなぁ。。

    怖くて、買ってからずっと読めずにいたけど、
    もっと早く読んでもっと早くけじめをつければ良かったって思いました。


    辛い恋をしている人の背中を押してくれる作品だと思いました。

  • 読みやすかったけれども、まだ私には早かったかなぁ…。ひたすら優柔不断な豊にイライラしてしまった(笑)10年後にもう一度読んだらまったく違う印象なんだろうな@26歳未婚女子。でも昔住んでいたバンコクが舞台でとても懐かしめました☆


    ただ一つ思ったことは、人生は長いっていうこと。10代20代の恋愛で散々傷ついて世の終わりだなんて思うことがあったとしても、それでも人生は終わることなく続くんだなって。そしてその先何が起きるかなんてわからないよねって。


    とはいえ、弱気になってしまった60の沓子のことは好きになれなくて、流し読みしてしまった。


    でも豊と沓子の絆は、結ばれなかったからこそのものだよね、きっと。この二人が結婚してたら豊はおそらく光子のことを忘れることはできなかったんだよね。


    「悩んでもいいけれど、迷うとろくなことがありません。悩んで悩んで悩み抜いて人間は大きくなるのです。けれども、迷って迷って迷い抜いた人間は結局擦り切れて薄っぺらになり最後は悲惨な場所に押し流されてしまうのです。後悔ばかりが残る人生だけはどうかお選びにならないように...」

  • 愛することは、ツライです。
    愛されることはきっと、カユイです。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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