サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 7565
感想 : 1020
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402577

感想・レビュー・書評

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  • (メモ)
    映画になるよりも前に、ともくんが薦めてくれた本。
    あまり共感できず。イライラした。
    泣いたけど。
    あそこで病気使うのは好きじゃない。

  • 予想以上に面白かった。映画化されて予告を目にしてなんとなく中山美穂がエロい感じで終わるのかなと思ってあまり興味がなかったんだけど、小説を読むとそのエロさというかラブシーンがすごく素敵に表現されていた。辻仁成の作品は代筆屋しか読んだことがないけど、やはりこの人は心の表現がすごく上手くてどんどん感情移入していった。
    この小説の中で一つ大きな選択肢が出てくるけど、どちらが正解というのはないと思う。私はきっと愛されたことを思い出すかな。

  • 一度手にした本は読み終えないと気がすまない。

    そんな悲しい習性から何とか読み終えたものの、嫌気が差して仕方がなかった。
    性欲の激しさや不倫に嫌悪感がある-そんな優等生ぶった感想を言うつもりはないが、とにかくこの二人が嫌いだった。
    「好青年」という単語すら嫌いになった。
    人の生死を、お涙頂戴、ご都合主義に持ち出して欲しくない。
    本当に、とことん合わない作品だった。

  • ある人に勧められて読んだ1冊。
    おかしな表現をすると、「ものすごく」恋愛小説だった。
    びっくりなのは泣かされたこと!

    人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
    愛したことを思い出すヒトとにわかれる

    これどっかで聞いたことあると思ったら、辻仁成さんでしたか。辻さんは詩人でもあるそうで。
    わたしは「いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない」という一節が印象的でした。

    物語は婚約者がいるのに、はかの女性と関係を持ってしまった好青年のお話。
    最初、なんて不謹慎なんだ!と思っていましたが、人間ってどうしようもないことがある、どうしようもない気持ちがあるんです。
    たとえ二人が好き合っていても、言葉にすることもできずに、どうすることもできずにいるのです。
    二人は離れてしまっても25年間想い合ってきた。
    もうすごいとしか言いようがない。
    人の一生のうちたった4ヶ月間しか一緒にいなかったのに、離れて25年間も想い続けられるなんて尋常ではないこと。

    わたしが必死に読解しようとした文↓
    悩んで悩んで悩み抜いて人間は大きくなる。
    けれども、迷って迷って迷い抜いた人間は結局擦り切れて薄っぺらになり…
    「悩む」「迷う」難しいです。

  • サヨナライツカ

    いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
    孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
    愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
    どんなに愛されても幸福を信じてはならない
    どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
    愛なんか季節のようなもの
    ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
    愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ

    サヨナライツカ

    永遠の幸福なんてないように
    永遠の不幸もない
    いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
    人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトにわかれる

    私はきっと愛したことを思い出す


    あたしもきっと
    愛したことを思い出す人間だと思った。

    素敵な作品だと思うけど
    泣けなかった。全然。

    辻氏の書く男性がどうしても好きになれない。


    恋をしたことのある人なら
    誰でも感銘を受ける作品だと思います。

  • とにかく切ない物語です。死ぬときに、愛したことを思い出すのか、愛された記憶を思い出すのか、、どちらが幸せなのか、、。読むたびに、考えさせられる作品です。思いの伝わらない相手を死ぬまで思い続けることが、幸せなのか。とうこは、最後に豊に再会できたからこそ、愛した記憶の中で死んでいけたのでしょうか?難しいテーマです。

  • 三十代の好青年、豊と沓子のバンコクでの四ヶ月間は期限付きだが満たされた関係だった。五十代になった25年後の再会は経過した時間が長いからこそ、お互いの思いの強さを改めて確認できた。幸せは愛し合う期間か、その密度かの線引きはないのだと思った。豊も沓子も豊の妻の文子も幸せであったと思いたい。読んだ後に様々な切ない気分がいつまでも心に残る内容だ。

  • ちょっと恋愛物を読みたくなって読んでみた一冊。

    けど、

    やっぱり濃いよー。
    辻仁成!
    な本。

    サヨナライツカっていう綺麗なタイトルに惹かれて手にとりましたが
    いやー濃いね。

    正直、惚れたもん負け!みたいな感を受けました。

    これだけ重くドラマチックな恋愛もいいけれど
    そういうのがガーンとあるより
    生活の中で、常にそばにあるものっていう
    恋愛の方がいいかなと思いました。

    や、
    大恋愛とか憧れるけど、けどけど
    恋愛は素敵だけど
    人生終えるときまでも、それだけ?なのかしら?


    「人は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、愛したことを思い出すのか」
    と問うけれど、私にとっては、
    出来れば死ぬときは、出会った人たちにありがとよって言って終えたいよー!
    仁成!
    な本でした。


    とりあえず読むだけで、肉厚のステーキを食べさせてくれる本。
    だけどオージー産てかんじかな。

  • ずんと心に響く"ナヨナライツカ"
    たった7つの言葉だけでこうも心が掴まれるものかと思いました。小説も映画もよかったと思った作品です。
    自分の心には嘘をついたフリは出来るけれど、結局騙しとおすことは出来ないのだなとしみじみ思いました。
    誰かを死ぬまで愛せるということは、本当は幸せなことなのかもしれません。
    愛なんか季節のようなものという作中の言葉通りのものだと思うし、自分の主観をいれない、相手そのものを愛し抜くなんて果たして出来るんだろうかとぼんやりと考えました。これも出張の帰りの飛行機の中で読んでしまって、うっかり泣いてしまった困ったお話。

  • 「この好青年め」

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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