- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344408203
感想・レビュー・書評
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文が渡した、ともぐいするコオロギって、そういうことか、と読み終わってわかった。
近くにいると、ともぐいして、お互いを傷つけ合うってことだ。瑠璃子と聡は近くにいると傷つけあってしまう。だから、嘘という籠で分断された関係によって、お互いが独立して、生きていくことが可能になるのだと。真に愛し合っているからこそ、別々に生きる事もできるのだ、近すぎるとお互いが滅ぼす関係になってしまうからこそ、適切な距離で生きることで、生きていけるのだという、作品を通した比喩である。
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瑠璃子(テディベア作家)
聡(夫)
春夫
三浦しほ
アナベラ(瑠璃子のバーミンガムの友人)
登美子(編集者)
文(聡の歳の離れた妹)
美也子(春夫の彼女。瑠璃子のファン。) -
『ここにあるのは愛ではなく飢餓なのだ。』というフレーズがあった。目に見える幸せの形をした物や表に出した言葉、まるで不安や不満を覆うために存在するようであった。
嘘のつき方が瑠璃子と聡で異なる点が非常に面白い内容だった。個人的に浮気相手の素直さにゾッとした。素直でいることは、嘘をつくよりも不誠実な場合があるというのは発見でした。 -
「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」
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2022/01/27
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嘘は守りたい人につくもの。
瑠璃子と聡の夫婦はお互いに恋人が外にいる。
でもお互いの関係を壊したくない、むしろ守っていきたいと思っている。
だから嘘をつく。
読んでまず思ったことは愛って何なんだろうってこと。
愛してることと守りたいことは違うのかなあ。
関係を続けていくこと=愛してるではないのかなあ。
瑠璃子と聡の関係は愛なのかなあ。
「夫婦はこうあるべきだ」
「浮気はダメだ」
みたいな単純な考えは及びもしない、もっともっと崇高なものを見た感じ。
愛ってなんだろうって人によって違う。
定義なんか無くて、フィーリングみたいなものなんだと思う。
だから部外者が外野から何か言うのってくだらないよね。 -
ああわかるなあ
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なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。
わたしは守りたいものが自分ばっかりだな、って