スイートリトルライズ (幻冬舎文庫 え 4-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408203

感想・レビュー・書評

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  • 文が渡した、ともぐいするコオロギって、そういうことか、と読み終わってわかった。
    近くにいると、ともぐいして、お互いを傷つけ合うってことだ。瑠璃子と聡は近くにいると傷つけあってしまう。だから、嘘という籠で分断された関係によって、お互いが独立して、生きていくことが可能になるのだと。真に愛し合っているからこそ、別々に生きる事もできるのだ、近すぎるとお互いが滅ぼす関係になってしまうからこそ、適切な距離で生きることで、生きていけるのだという、作品を通した比喩である。

  • 瑠璃子(テディベア作家)
    聡(夫)
    春夫
    三浦しほ

    アナベラ(瑠璃子のバーミンガムの友人)
    登美子(編集者)
    文(聡の歳の離れた妹)
    美也子(春夫の彼女。瑠璃子のファン。)

  • 『なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。』

    どこにでもいる夫婦の瑠璃子と聡。互いに不満があるわけではなかったが、瑠璃子は仕事で、聡は大学時代の集まりで、互いにある異性と出逢い、甘い嘘をつく関係に。旦那や奥さんのことを嫌いになったわけではない、ただ自分のパートナーのことも愛おしく思えてしまう、そんな矛盾を抱えながら2人は同じ家で眠り生活する。
    分かるような分からないようなどっちつかずのフワフワな気持ち。

    セリフは瑠璃子が不倫相手に言う言葉。旦那の前はクールで大人な印象な瑠璃子も不倫相手の前ではワガママ。どちらがベターと言うものでもないし、どちらも瑠璃子本人そのもの。

    結局はどっちといる自分が好きかって話なんだろうな。


  • 『ここにあるのは愛ではなく飢餓なのだ。』というフレーズがあった。目に見える幸せの形をした物や表に出した言葉、まるで不安や不満を覆うために存在するようであった。

    嘘のつき方が瑠璃子と聡で異なる点が非常に面白い内容だった。個人的に浮気相手の素直さにゾッとした。素直でいることは、嘘をつくよりも不誠実な場合があるというのは発見でした。

  • 「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」

  • (ネタバレ)簡潔にいうとダブル不倫の話。夫婦が修羅場を迎えることもなく、淡々と夫婦がそれぞれ不倫し続けて終わる。自分自身が結婚生活に特に不満がないからか、あまり共感できなかった。こういう大人の恋愛のスタイルもあるのかなあ。両方浮気してるからお互い様なのかな。大切な相手にこそ嘘をつく、と言うけれど、なんだか主人公2人とも、不誠実だなと思ってしまった。

    • ぽむさん
      共感しました。
      ダブル不倫を肯定しているのかな?ってちょっと思ってしまいました。
      共感しました。
      ダブル不倫を肯定しているのかな?ってちょっと思ってしまいました。
      2022/01/27
  • 「大切なのは、日々を一緒に生きるっていうことだと思うの」
    「一緒に眠って一緒に起きて、どこかにでかけてもまたおなじ場所に帰るっていうこと」

    「これ以上望んだらあなたを失うかもしれないと思う恐怖なんて、あなたにわかるはずがない」

    「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」

  • 嘘は守りたい人につくもの。
    瑠璃子と聡の夫婦はお互いに恋人が外にいる。
    でもお互いの関係を壊したくない、むしろ守っていきたいと思っている。
    だから嘘をつく。

    読んでまず思ったことは愛って何なんだろうってこと。
    愛してることと守りたいことは違うのかなあ。
    関係を続けていくこと=愛してるではないのかなあ。
    瑠璃子と聡の関係は愛なのかなあ。

    「夫婦はこうあるべきだ」
    「浮気はダメだ」
    みたいな単純な考えは及びもしない、もっともっと崇高なものを見た感じ。

    愛ってなんだろうって人によって違う。
    定義なんか無くて、フィーリングみたいなものなんだと思う。
    だから部外者が外野から何か言うのってくだらないよね。

  • ああわかるなあ

  • なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。
    わたしは守りたいものが自分ばっかりだな、って

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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