- Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344409132
作品紹介・あらすじ
「コンペニー」「コルポレーション」「バンク」を創り、新たな国家システムを構築した“富国共栄”の設計者・渋沢栄一。「経済の平和は民心の平和に基を置かねばならぬ」ことを信じた男の発想力、行動力の源泉とは何だったのか? 現代社会にも通じる混乱と閉塞を駆遂し、改革を断行した不世出の経済人の生涯を描き切る歴史巨編。
感想・レビュー・書評
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渋沢栄一の伝記。常に国家のため、今自分がやるべきことをやる。立場は農民から攘夷志士、官僚から実業家と変遷しているが、一貫して論語の精神に基づく国家建設にある。常に温和で人の意見や相談に乗り、アメリカ人からも人気があった、ところに大人物としてのシンの強さとしなやかさ、まさに大人物。
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旧幕時代「士農工商として、社会の最下層に置かれ、不当な扱いをうけてきた商人」、「利益を追求するばかりで、視野が狭く、世界貿易を経営できる才幹」を持たず商業道徳の低かった商人の奮起と自覚を促すため、栄一は実業界に転出し、請われるままに「新興の産業に失敗の危険を覚悟して投資し、五百余の会社経営に参与してことごとく成功させた」。
超人的な活躍で、我が国実業界を産み育て、明治国家を先進国の一員へと押し上げる原動力となった栄一は、何より優れた人格者だった。栄一の「事柄に対し、いかにせば道理にかなうかをまず考え、しかしてその道理にかなったやりかたをすれば、国家社会の利益になるかを考え、更にかくすれば自己のためになるかを考える」、「自己のためにはならぬが、道理にもかない、国家社会をも利するということなら、断然自己を捨て道理のあるところに従う」利他の精神は、現代の企業経営者にこそ求められるものと言えるだろう。
「論語と算盤」も読まないとな。 -
なんてアグレッシブな方なんだ。産みの苦しみを何度も乗り越える本物の出来る人。
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読了!日本資本主義の立役者だと言う事は知っていたけど、その他の知識はあまり無く読んだけど面白かった。
福祉施設の設立にも積極的だったとは意外だった。そして財閥を憎み、独占を嫌って、広く経済が活性化する事を望み、自らの利権に執着しなかった姿勢はまさに「経済の英雄」。 -
明治の偉人 渋沢栄一
渋沢栄一の半生を描いた小説の下巻。
明治期に入って、渋沢は明治政府の先駆けとなる仕事を行い、その後野に下り、江戸期の最下位階級にいた商人こそが国を作る原動力になると、会社組織を次々に立ち上げていく。
その数数百にのぼりながら、財閥を築くことなくまさに日本の産業界を作り上げてきた。
その卓越した手腕は、今の世の中であれば当たり前と思われている手法に試行錯誤してたどり着いてゆく。
またに現在の日本の繁栄の根底には、渋沢の勇躍があったといわざるを得ないのだろう。
今の世の中でこれほど国家に対する革命的な手腕を発揮する場所は無いかもしれないが、当時にあって同じ境遇にいたならば、果たして自分はこんな偉業を成し遂げられるだけの才覚を持ち合わせることができただろうか?
勇気の湧く一冊である。 -
渋沢栄一がこれだけ多くの会社に関わってたとははずかしながら知りませんでした。銀行創設に関わってた人かと思ってたら王子製紙や東京ガスなんかまで。
自分の富を築くのではなく、日本の商工業を発展させるんだという一点に注力していた様は非常に爽快です。70を過ぎても来るもの拒まずで面倒見たり相談に乗ったり。こういう人には日本人、外国人問わず人から信頼されるのですね。背筋が伸びました。 -
近代日本の基礎を築いたといっても過言ではないひと。ただただ凄いと思った。八面六臂の大活躍って感じね。