上京十年 (幻冬舎文庫 ま 10-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409705

感想・レビュー・書評

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  • R2.2.22 読了。

     益田ミリさんのエッセイは、力まずに読めて良い。例えば、自分では気づけない日常の中に隠れている大切な事をそっと教えてくれるような言葉も好きかも。

  • 益田ミリさんは、おもしろい。何にもない日常ながら、誰もが思いながら恥ずかしくて言えないことを、悩みながら打ち明けてくれる。お金、友達、健康、食事、いろんなことでクヨクヨとと悩んでる益田ミリさん、すべて、あるある、なので共感してしまう。


    この本、間にでてくる川柳が秀逸、と思っていたら、中日新聞で連載されている「明日のことはわかりま川柳」をまとめたものとか・・・その川柳、ミリさんらしくて素敵。


    覚書として列挙しときます。
    ・将来の夢はいつまで聞かれるの ・大きくも小さくもなく等身大 ・まだ過去より明日に向かっていたいんだ ・背が伸びた気がする深い深呼吸 ・故郷は捨てたのではなく保存した ・のら猫がいる道とおって帰る家 ・お年玉さほどお礼も言われない ・ジャンボ機からあたしのことは見えはしない ・悲しみがない怒りならまだマシだ ・食べたいものなどなく空を見る夕暮れ ・初めての給料額を覚えてる ・淋しさはひとりでなんとかしなくては ・不可能はないとか言われても困る ・美味しいもの大事な人を思い出す ・温かい言葉なんだよ「また明日」

  • 中日新聞に連載している、「明日のことはわかりま川柳」をまとめた本らしいです。

    ご自分のことを、赤裸々にさらけだしているところが、実に面白く、共感を覚える部分がたくさんあります。

    途中途中に、イラストと川柳が載せてあるのですが、私が気に入った川柳は、『温かい言葉なんだよ「また明日」』。

    自分の身近にいる女子のような感覚が、気楽に読めるのかもしれない。

  • 地方から都会に出た人ならわかる意気込みや恥ずかしさなどが、わかりやすく、面白くまとめられてる。中日新聞で連載されてるそうなので、読者がうらやましい。それにしても増田ミリは、ハズレがない

  • 益田ミリさんの優しさがたくさん感じられました
    人間らしいところも

    人にはさらけ出したくない気持ちも正直に表現できて、本当に素敵な方だなと思います

    救急車を見かけた時の益田ミリさんの気持ち
    わかる!

    私も、中の人が無事でありますようにと心の中で思うことがあります

    共感できる所もたくさんあって、ホッとしたり、ちょっと切なくなったり大好きな文章です!



  • 読みやすい!他の作品も読んでみようと思う。
    考え方が同じところもあるし、素敵な考え方だなと憧れた。


  • いくつになっても、趣味の楽しみを追い続けていたいなと思った真っ赤なフラメンコのおばちゃん回。
    踊るの大好きだから、社会人になったら何かささら習い事で始めたいな〜タップダンス、ジャズバレエ、、

    "思春期には父が大嫌いだった。だけど今は元気でいてほしい。嫌いなところを好きになることはできないけれど、父なりに愛してくれていることはわかっているつもりである。"

    ミリさんの本を読んでいると、恐らく自分は良く言えば忍耐強くて悪く言えば負けん気で意固地なのだろうなと思う。習い事に関しても、今思えばどれも10年以上続けてた。そのどれも辞めたいと思う時なんて何度もあったのだけど。あの頃は親が恐い、というのもあって習い事含め置かれた状況の中にいるのが当たり前、と思っていたから辞める選択肢がなかったのも大きい。結果どれも続けてよかったと思うから負けず嫌いはプラスに転がしていけるようにしよ。

    他の人より大事な選択は結論を出すまでに時間がかかる。
    良い点は、その選択を後悔することがほぼないこと。悪い点は、もっと早く腹を括ればその長期間を次の土俵に活かせたのに、ということ。
    でも今のところそれが自分のやり方なのだと思える。

    "わたし自身は、これからわたしの人生はまだまだ始まっていくんだという気がしていて、昔の友達にまで興味がわかないのだ。今は自分が持っている思い出のままでちょうどいいと思うのである。"

    "故郷は捨てたのではなく保存した"

    "「老い」は尊いものだと感じる。みんながみんな老いることができるわけではなく、老いることを果たせぬ人だってたくさんいるのだから。"

    "悲しみがない怒りならまだマシだ"

    "誰の了解を得なくても旅行ができる自分でありたい。"

    縛りカラオケたのしそう

  • この人のエッセイ、好き

  • ミリさんの感じ方が好き

  • 感覚が自分に似てると思えてクスッと笑えた。

  • セレブの会のように、誰も連れて行ってくれないなら自分で行こうじゃないかという、そんなきっぱりさっぱりした(可愛げがないともいうかもしれないけど)考え方が好きです。
    かと思えば、人の言葉の、本人も気づいていないような毒に反応する繊細さも。ここは見習いたい。

    彼氏がいらっしゃるのは知りませんでした。

  • お金に関しての話が多い。
    それも、えーこれにそんなお金かける?と思えるものから様々。
    私はそのあたり、結構好きです。
    知りたいけど誰も言わない
    気になるけど言えない
    そんな些細な日常、気持ちを著者はしっかり文章におとしていくし
    それをはずかしいとかヘンとか思う気持ちがあまりなく
    淡々としてる。(あまり気にしないでいいところに自意識過剰にはなるが)
    おもしろいとかおもしろくないとかではなく、
    自然体、ありのままを感じます。

  • 「前進する日も~」と併行で読書中だったけど、
    こちらを先に本日読了(「前進する日も~」はお出かけ用にいつもジャケットのポケットに、ラシットのブックカバーでおめかしして待機中)。

    すっかり忘れていたのと、そのとき本棚登録していなかったことが、
    本書を読んで蘇り、
    「そうか!あのエッセイの人か!」
    と思い出したら、また読みたくなった。

    そうでした。
    はじめて読んだのは、今話題の漫画(すーちゃん)ではなくエッセイ。
    「お母さんという女(ひと)」でしたっけ。

    これを読んだときのことを思い出してました。

    それからまるで、手繰り寄せられるように「すーちゃん」を知り、
    映画化を知り、フェアに乗じてエッセイに出会い、
    あれこれ触れているわけですが、
    やっぱりこの方、どうも好きなものや嫌いなもの、悲しくなることや
    腹が立つことの方向性が似ているようです。
    だから尚更受け止められ感が大きいようで。
    エッセイを読んでさらに作品の理解が深まるし、
    マンガでのひとこまひとこまが、エッセイを読むことでますます深まる。

    作品に人柄が出ると言うことは、こういうことなのかも、
    しれません。

    作品を読んだときにも同じような感想を書いたけど、
    同じような年代で、スタイルは違うけど今を生きる女性として
    感じていること、基本になっていること、
    不安なことなどが一緒で、それを作品を通じて共有させてもらっているのは、今のわたしにはちょっとした救いであります。

    まだ読んでない作品が何冊かあるから、早く文庫版にならないかしら。
    (切望)

  • そうですね、この本で後悔してることといえば、「前進する日もしない日も」の前に読んでおけばよかったな~と言うことですね……。

    こっちの方が先なので。

    ピアノ教室の一件とか、こちらを先に読んでいたほうが、「前進-」の方でなるほど~と思えたかもしれないのに。

  • 正確に書くと星3.5。
    1人の女性の日常として面白いのだが、新しい著書を読んでいると、この作品の中の益田ミリさんは若いなと感じる。
    それは書いちゃっていいのか?というところも書いていて、今と違っていたので新鮮味はあった。
    私は最近の本の方が好きだな。

  • この本もたくさん共感できた。
    ミリさんとお話してみたいと思う。
    お話ができなくても、ミリさんの思うことをラジオとかでずうっと聞いていたい。

    この本で好きだなぁと思った内容↓↓↓

    ・父のぬくもり
    御中元と御歳暮を贈ってくれるミリさんのお父さん。それも三品も!
    バイトをしてコツコツお金を貯めて贈ってくれる…送るお父さんと送られてきた品を開けるミリさんの気持ちを想像すると、なんとも言えない嬉しい気持ちになる。

    ・譲れないこと
    「どうしてできないの?」
    わたしも言われたくない‼︎
    すんなりできることを達成としていないんだけどなぁ…と先生に教えたいな…

    ・テレビ小説
    親が見ていたテレビ小説。
    わたしは歳をとっても見ないと思っていた。
    見るはずがないと強く思っていたくらい。
    今はなぜか毎日欠かさず見ている…笑
    ミリさんと同じだ‼︎と思った。

    ・結婚、子供、貯金
    わかるなぁ。
    娘が20代後半。
    周りは結婚をけじめと言い、子供を産むことで一端の大人だと認めると言う。
    親としては、娘の生き方を尊重し、世間にとらわれることがないよう、生きて欲しいと思っている。
    人の幸せを自分のものさしで計らないで欲しいなぁ…

    ・痛みを思う
    主人の父が救急車で運ばれることになり、主人がその救急車に乗り付き添ったという経験をした。
    それからは、救急車がサイレンを鳴らして走っている時、どうか助かりますように‼︎と祈っている。
    身体的な痛みも心の痛みも、寄り添おうとする心を持っているミリさんに共感した。

    ・痛いの痛いのとんでいけ〜
    うん。幼い子の手は本当愛くるしい…
    虐待のニュースはわたしも胸が苦しくなる…

    ・あとがき
    「この先の自分に興味がある。東京で生きるわたしを、もっとみたいと思う」
    自分もそう思って生きていきたいと思った。

    他にもたくさん共感した内容はあるけれど、
    書ききれな〜〜い笑

  • 35歳から37歳頃の益田ミリさんが中日新聞に連載していたエッセイ。

    益田さんは日常のふとした瞬間、カーペット屋のおじさんの一言や、ピアノの先生の一言に傷つく。もちろん店員さんも先生も傷つけようと発言しているわけではない。何気ない言葉選びに配慮が足りないのだ。
    反対に、言葉選びが上手なひともいる。益田さんのお友達は遠回しな言い方で指摘してくれたり、否定的な言葉を使わないで話していた。

    嫌いなひとは嫌いなひとでいい。わざわざ嫌いなひとのために傷つくこともない。今まで出会った嫌いなひとはこの先もずっと許さない。そんなふうに益田さんは書いている。
    すごくいい考え方だなと思う。
    皆に褒めてもらえるような考え方ではないかもしれないけれど、自分の考えはこうだ!と胸を張れる益田さんがすごくいい。

  • たぶん比較的初期の頃の益田ミリさんのエッセイ。
    26歳で大阪から上京し、10年経った頃のもの。
    日々の出来事や考えてること+川柳。

    とても優しい感受性豊かな方なんだろうな。
    子供や青年に対する大人の接し方への感想に共感。

    世の中には色んな人がいる。
    日々しなやかに受け止めて考えて行動していくことが、きっと自分を助けることに繋がる。
    そんなことを感じた本でした。

  • 36歳ごろの作品ということでまだ荒削りな感じ。

  • 大人になるってことの1つとして、些細なことを気にしないもんだと思ってた私としては、ミリさんの、「きちんと傷つく」に凄く心が揺さぶられた。
    「いつまでも気にしてしまう」と「傷つく」では、きっと自分へのフォローとか、気持ちの入れ替え方が違うのではないか? これでいいんだ!気負らず生きて行けそうな、ゆるく優しく、健気なオトナの本。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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