もう、怒らない (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344417960

感想・レビュー・書評

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  • ムカつき、妬み、悔やみ、悲しみ、虚しさ、それらに対抗する術を仏教的側面から説いた一冊。対抗するというよりはうまく流すという方が正しいかもしれない。何かとマッチョなその手の本とは違い、穏やかに自己をコントロールするのが仏教のいいところだと思う。

    特に参考になったのは「集中すること」。歩いてること、触れている感触、ただそれだけに集中することで、最初に書いた煩悩から逃れるとのこと。やってみると、なるほど確かに。
    他にも事象を受けてから煩悩に変わるまでの間に、自分の中で勝手にストーリーが作られているなど、気づかされることが何かとある本だ。もう少し穏やかな気持ちでいたいという方は手に取ってみてはいかがだろう。

  • 仏道の考え方で「怒り」を解説しています。

    以下、備忘録的に。

    ・仏道では、人間は何かを感じた瞬間に「自分の感じていることは正しい、間違っていない」と思い込む修正を持っていると考えます。

    ・批判の正体は自分の意見の押し付け

    ・「正しいことが好き、正しくなくては我慢できない」というのは、ある種の病気と申してよいでしょう。

    ・ムカつきの原因は「不当に扱われた」と感じること

    ・怒ってしまったときは、抑圧でも発散でもない、第三の道を選びましょう。それは、怒りの感情を客観視して穏やかに受け入れるという道。自らの心を「あーあ、怒っているんだねえ、君」といった具合に見つめて、心が怒りに占領されている有り様を客観視する方法です。

    ・人間という生き物は、入ってくる情報を生のままで美味しく食することが苦手なようで、しばしば、余計な添加物を大量に加えて、わざわざ美味しくないものに作り替えてしまいます。

    ・十善戒のリスト
    <思考について>
    1.欲望を抑える(不貪欲:ふとんよく)
    2.怒りを抑える(不瞋恚:ふしんに)
    3.迷いを抑え真理を洞察する(正見:しょうけん)
    <発言について>
    4.嘘をつかない(不妄語:ふもうご)
    5.批判をしない(不悪口:ふあつく)
    6.悪い噂話をしない(不両舌:ふりょうぜつ)
    7.無駄話をしない(不綺語:ふきご)
    <行動について>
    8.生き物を殺さない(不殺生:ふせっしょう)
    9.盗まない(不偸盗:ふちゅうとう)
    10.浮気をしない(不邪淫:ふじゃいん)

    ・人が批判をするときには、「自分は正しいことを言っているのだから、相手は従うべきだ」と、相手や周りを変えようとする欲求がはたらいています。しかしながら、たいていの人は欲望で動いているのであって「正しさ」で動いているわけではありません。「正しさ」を主張しても、相手の欲望を否定し、不快にさせてしまうだけです。

    ・慈悲の心は、もちろん相手のためになりますが、慈悲のハンマーで自らの煩悩も叩き潰すことができるので、まず何よりも自分のためのものと申せます。

    ・四護衛禅(しごえいぜん):慈悲喜捨

    慈:幸せたらんことを、安穏たらんことを。
    悲:苦悩なからんことを。
    喜:喜びがあらわれんことを。
    捨:執着から自由たらんことを。

  • 気持ちがだいぶ楽になりました。
    怒り,苛立ちをコントロールしてストレス減らしたいですね。イライラで不適切な発言したりや怒ったことで、結局自己嫌悪、さらにストレス蓄積。楽しい時間も嫌な雰囲気。
    結局自分次第。
    怒りの原因を分解して、客観的に分析したり、他人事のように外から眺められるようになりたいですね。
    すらすら読めましたが、実践編がもう少し欲しかったです。

  • 怒ることが如何に自分を疲弊させるものかと言うことがよく分かった。一般的に言う怒りだけを「怒り」と呼ぶのではないらしいので、理解しづらいところも多かったけど。
    小さな怒りの芽の時点で、無理やりにでも摘みとる努力をするべきで、それの効用は思っている以上に大きいと思った。

  • 勉強になります!
    小池さんの本を読むのは2冊目。

    今度から歩行禅みたいなトレーニング、心を落ち着かせるトレーニングを実践してみようと思います。

    宗教や宗派じゃない道としての仏道には共感します。
    一回読んだキリじゃ多分効果ないから、時々読み返すようにしたい本です。

  • もともとこういうハウツー本は読んで、実行してみても効果があまりないので、あまり買わないようにしていますが、タイトルに惹かれました。けどやぱり無理でした。内容もすぐ忘れるので…。

  • 結局どうすりゃいいのか…、どうもよくわからん。禅問答のようで俺には難解。

  • ムズい。

  • 素晴らしい内容でした。怒りや欲望、迷いはどんなものなのかがわかりやすく読めました。そして怒りに心を支配されないために空になる実践的なアドバイスが書いてあります。空と両輪をなす、慈悲についてもわかりやすかったです。

  • 怒り以外への説明も多く、怒りにフォーカスしてないなと思っていたら、最終章が実践的に書かれていて印象に残り★4。元々「怒れる人」だった著者の対処法は実用的で説得力がある。

  • ただやること。
    「空」の境地を味わう

  • 怒りやストレスに囚われない方法は今を生きることです。

    結構先に起こるかもしれないことを予測してしまって絶望することは多い。
    実際にそれは起こるかどうかは別にして今に集中して生きることができればその時の幸福感は違ったものになるはずです。

    好調な時も不調な時も
    今を生きてその時々に全力を出したいですね!

    受け入れて本気でいきましょう!

  • 「情けは人のためならず」ではありませんが、慈悲の心も、周囲だけではなく、自分自身の心を清めてくれるんですね。勉強になります。

     先日、アルボムッレ・スマナサーラ長老の『怒らないこと』と『怒らないこと2』を続けて読みました。いずれも翻訳ではないのかもしれませんが、やはり言葉の壁を感じ、きちんと理解できたとは言えない感じが残りました。そんな時、小池龍之介さんの『もう、怒らない』に出会いました。

     この本は、まるで、スマナサーラ長老の言葉を、日本人の私にも分かりやすいように噛み砕いているような内容でした。私は、歳をとって、いっそう怒りっぽくなっていることを自覚していますが、その苛立ちの原因と、怒りが自分の心を蝕むことを知ることができました。

     欲、怒り、迷いという負のエネルギーは、発散どころか、心の中で反芻されることによって増幅し、自分の心を蝕んでしまうんですね(・_・;) 気をつけないと…

     「自分が不当に扱われた」と感じた時、誰だって相手に対する敵意が頭をもたげてしまいますよね。でも、そんな時は、相手を憐れむことで、心を鎮めましょう(^▽^)/

  • 多分、イライラすることに疲れてこの本を買ったものの、落ち着いたのでしばらく放置していたのだと思うのですが、最近またイライラするようになってしまったので、ようやく手に取ることができました。自分を見つめ直して、反省することが多々あり、それだけでも読んだ甲斐があったかな、と。もう怒らない、は難しいですが、なるべく怒らないようにしたいものです。

  • 出張の移動の中で読んだ。怒りをどう扱うか困っていたので参考になった。もう一度読み直すとまた違う視点が得られそう。

  • 仏の世界を明瞭に解説。法と律の違い、ご存知ですか?
    自分の心の平穏を確かめるというのは、かくも大事なことと痛感しました。

  • 2015年8月20日読了。
    20201020再読

  • 最近怒っては自分で自己嫌悪になったり、その怒りのパワーで自分がダメージを食らっているのでこの本を手に取った。
    「怒るのは自分のためにならないよ」「それはなぜか」という本。
    些細なことで怒ってしまう自分にはまぁ…なるほど、そうですね、という感じ。でもゴキブリに慈愛は無理だわ。仏道への道は遠い…

    殺したい人がいる、というほどの凄まじい怒りのエネルギーを抱えた人への解はここでは書かれていない。
    そういう人が救いを求めに読もうとしているのなら勧めない。
    あとは、理不尽に怒りを向けられたときも怒っちゃだめなのかなぁ…

  • 何度か読むと理解が深まる。
    生き方に影響を与える可能性あり!

  • なかなか簡単ではないけど、怒りのコントロール方法は知っておいた方が良い、上司、子供、仕事にイラついている自分には、痛すぎる内容ばかり。ただ、普遍の真理はあるよね、心を穏やかに生きたいなあと改めて実感

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著者プロフィール

1978年生まれ。山口県出身。東京大学教養学部卒業。月読寺(神奈川県鎌倉市)住職、ウェブサイト「家出空間」主宰。僧名は龍照(のちに空朴に改名)。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け坐禅指導も行う。執筆活動も手がけ、『考えない練習』(小学館文庫)、『しない生活』(幻冬舎新書)、『超訳 ブッダの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、多くの著作を持つ。2018年9月に月読寺を引き払い、路上生活者に。11月には修行の旅に出る(現在は音信不通)。

「2019年 『やっかいな人を自分のお城に入れない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池龍之介の作品

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