渋谷ではたらく社長の告白 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 168
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420168

作品紹介・あらすじ

二一世紀を代表する会社を作りたい-。高校生のときに抱いた起業の夢は、サイバーエージェントの設立により実現した。しかし、社長になった彼を待っていたのは、厳しい現実だった。ITバブルの崩壊、買収の危機、社内外からの激しい突き上げ…。孤独と絶望、そして成功のすべてを赤裸々に告白したノンフィクション。夢を追う人必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • サイバーエージェント代表取締役社長であり、
    創業者の藤田晋さんが描く、
    会社立ち上げ~ネットバブル崩壊に翻弄される
    怒涛の数年間をメインに描かれています。

    これは私が好きなユーチューバーのモリオルーティンさんが動画内で読んでいた一冊。
    気になって手に取りました。

    難しい表現などは一切なく、読みやすくて、わかりやすいです。
    ただ、とても展開が速く、走馬灯を見ている気分でした。苦笑
    数時間で読み切れます。

    私が子供のころの時代ですが、
    CMで「24時間戦えますか、ビジネスマン、ビジネスマン、ジャパニーズビジネスマン」なんて歌が流れるような時代です。
    藤田さんも漏れることなく、朝から晩まで会社に泊まり込んで働いています。
    今では過労死が取り上げられていますが、当時の労働環境は本当にすごかったんだろうな、と思わされます。
    そしてかなり人の入れ替わりが激しい印象。
    入れ替わりが激しい企業って、脆く不安定な組織が多いイメージです。特に中小企業時代。

    メディアで拝見する藤田さんは、
    見た目が優しそうで、話し方も穏やかな方ですが、
    やはり経営者、とても厳しく、非常な一面を持っています。
    ネットバブルに踊らされ、コントロールがきなかいなか、会社の買収騒動を切り抜ける姿は、想像を絶するプレッシャーとストレスがあったんだろうなと思います。
    読んでいるだけで、胸が苦しくなるので、当時の藤田さんの気持ちは計り知れません。

    良いときはどんどん持ち上げられ、
    潮目が変わると一斉にたたき出すメディア、
    たくさんの人たちが近づいては離れ、
    とにかく目まぐるしいです。

    そんな中でも、自分の行動や判断を決定づける大事な局面で、周囲の尊敬する経営者からもらう言動には、一庶民の私にも刺さるものがあります。苦笑

    そして、覚悟を試される試練が次々と起こります。
    どうやってサイバーエージェントが生まれ、
    どうやって経営の危機を乗り越えたのか。

    気になる方にはぜひ読んでいただきたい一冊です!

  • 10年前の本なので遅れてから読むと余計面白い。
    もっとキラキラした内容なのかと思ったら違っていた。

    前半は「そんな無茶苦茶な!」「今だったら絶対許されない」の怒涛の展開。
    後半、赤字のまま上場し、ITバブルが崩壊してからの辛さがリアルに書かれてあり読んでいる側も辛かったが、とても面白い本であった。

    辛い時に人のお金への卑しさを目の当たりにするととても心にくるよね。そこが一番印象的だった。

  • 読みやすく、分かりやすい。
    2時間もあれば読み切れます。

    起業から現在に至るまではこの本に書かれていること以上に色々なことがあったと思います。
    分かりやすくするために簡略に(でもポイントを押さえて)書かれているのですが、起業するということ、仕事に臨むスタンス、人の上に立つということなど様々なことを考えさせられました。
    そして藤田さんの人柄や向上心がよく伝わってきました。

    起業だけでなく、経営に興味がある人にもおすすめ。
    単なるエッセイとしても面白いです。


  • ITとかベンチャー企業とか、実はチンプンカンプンで。

    でもなんでだろう、一気に読みました。
    読みやすい文章だったし。
    会社を始めるって勢いなんだなって。
    そしてそれを存続していく事は凄い事なんだなと感じました。

  • 現在東証上場一部に株式を上場しているサイバーエージェント社の社長、藤田晋氏による告白本。同社がマザーズに上場を果たした、彼が31歳の時に書かれた本である。
    1998年ごろ、世の中は新しく登場したインターネットブームに沸いていた。就職氷河期とも重なって、若者の間に「起業」が流行った時代でもある。同時期に堀江氏、村上氏、三木谷氏などたくさんのアントレプレナーが生まれた。ただし、藤田社長は彼らよりずっと若い世代である。
    学生時代にアルバイトをして得た経験から、インターネットの会社を作ることを決意した藤田氏。20代の人生のすべてをつぎ込んで、猛烈に働いて、21世紀を代表する会社を作ることを目指した。しかし、経営者としての知見不足から次々とトラブルに見舞われる。
    ベンチャー企業の良さ、危うさが浮き彫りになる本である。社長業は本当に大変で強いメンタルが必要とされる。社員が次々に辞め、買収されるのをかわし、株価を維持すべく黒字化を目指す。相当の気力体力がないと乗り切れないであろう。インターネットバブル崩壊の苦しさは、読んでいるだけで窒息しそうであった。
    同社はブログで一番手のアメブロを運営していることで有名だが、私が藤田氏を最初に知ったのは女優奥菜恵さんの最初の夫としてである。現在も同氏はサイバーエージェントを率いて社長として現役である。同社を応援したい。

  • 学び多い一冊です。
    本気の人には敵わない。

  • 2002
    サイバーエージェントの藤田社長が会社を設立し、その会社を軌道に乗せるまでの波乱万丈を描いた作品。

    破天荒フェニックスのモデルとなったOWNDAYSの田中社長と共通して、「有言実行する力(実行力・精神力)」が常人離れしていると感じた。

    藤田社長の心理描写にフォーカスし、ストーリー的には破天荒フェニックスの方が面白くはあったが、ベンチャー企業立ち上げ・上場の苦労を追体験することができた。

    有言実行力を少しでも高めていけるよう、精進しよう。

  • 日本人会の図書館にあったこの本を立ち読みして止まらなくなり、新規入荷で借りれなかったので家に帰ってすぐにKindleで購入してみました。めったにKindleで書籍は購入しないのですが、どうしても続きが読みたくなったので、衝動的に買ってしまいました。あっという間に読破してしまったのですが、というのも名前だけは皆聞いたことがあるITベンチャーの社長の藤田晋氏の半生(というほどの歳でもないのですが)が本人の独白調でつづられていて、ベンチャー企業立上げの経緯なども物語として面白かったので、あっという間に読めてしまいます。しかし、この藤田晋氏ですが、サイバーエージェントという今となってはベンチャーというよりは新興IT企業では大手だと思うのですが、その企業の創設者であり現役の社長でもあるのですが、なんと歳がほとんど同じ同年代だったというのは初めて知りました。こちらの著作にも登場するホリエモン(堀江貴文氏)も同年代とは知っていましたが、藤田晋氏も同じだったとはちょっと驚きました。そんな縁!?もあって、興味深く読んだ本著作ですが、てっきりホリエモンと同じ理系でPCオタクと勝手に想像していた藤田晋氏が文系で、サイバーエージェントもPCが詳しかったから始めたわけではないというのを知って、二重に驚いてしまいました!
     藤田晋氏が大学生からのめり込むように仕事をする様は、同年代である自分も社会人になったばかりの頃は死ぬほど働いたなーと勝手に共感していましたが、わずか1年後には自分の会社を立ち上げて、二十代で上場し、30前には早くも会社売却の岐路に立たされるというストーリーには、さすがに同年代でもこれだけの経験した人は滅多にいないのだろうと感心!?しながら読み進めてしまいました。ご本人も赤裸々に本著作で語っているように、決して順風満帆ではなくむしろ会社設立の時から、どうしても結果として恩人を裏切らなければならなくなってしまう立場になっていたり、株式上場後もリーマンショックやらで会社売却の瀬戸際になったりと、本当に大変な過程だったのが分かります。それでもご本人の性格もあるのか、悲壮感というよりかは、いつでも全力でことにあたっていて、その結果として道が開けているのだなというのが伝わって、読んでいてこっちも人生が楽しく感じられる本になっています。もちろん、私と同年代なので、経営者としてはこの先もまだまだ時間がある方でしょうし、書籍に掛かれていた会社の規模の目標も、現時点でほぼ達成されていると思われるのは、時流に乗っている領域とはいえ既に実績としては十分な感じがします。それでもモチベーションを切らずに前に進んでいるのは「21世紀を代表する会社をつくる」という人生の目標が揺るぎないからなのでしょうか。
     ご本人も書いているように、藤田晋氏もサイバーエージェントという会社自体もこれだけの短期間で、これ程の浮き沈みの経験と歴史を辿るのは昨今の時世とネット産業という環境もあるのでしょうが、今後は他の業界にも同様なことが言えるのではないのでしょうか。この著作全体が印象深いのですが、敢えて一番印象に残った箇所を挙げるとすると、著作の最後の方で「それは、見渡す限りの荒野に誰よりも早くたどり着き、一から苗を植えるような作業でした。そして、どんな実が生るのかを知る者は誰もいませんでした。(中略)しかし、私たちはそこをフロンティアを信じ、それだけを支えに数年間、辛い日々を耐えてきたのです。それらがようやく実をつけ始めたのです。」の下りでしょうか。
     すっかり藤田晋氏のファンになってしまいましたが、サイバーエージェントという会社と接点が全くなさそうな私の業界も、今後は競合!?になる日が来るやも知れません。そうなった時に、これだけの経験を短期間で積んで、こんな若い社長に率いられたエネルギッシュな会社に勝てるのかと、想像だけしてみても空恐ろしくなってしまいました。何が起きてもおかしくない程の変化の世紀に生きているわけですから、自分も今少し頑張ろうと久々に思わせてくれた書籍でした。

  • 起業したいと思っている人はまずは一旦読むべき。事業計画や資金調達の前に、まずはこれだけの覚悟があるかどうか問いかけてみること。

  • 1998年の設立後、破竹の勢いでインターネット業界の雄に上り詰めたサイバーエージェント。
    創業者の藤田社長の熱量、行動量に圧倒される。
    個人的には、特に出資条件を取り決めて起業することを確約させてから事業内容を考え始めたという経緯が衝撃的。
    藤田社長は他の著書も有名だが、創業期の話かつ読みやすい分量でもあるので特におすすめの一冊。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。サイバーエージェントを1998年に創業し、2000年に史上最年少社長(当時)として東証マザーズに上場。インターネット産業で高い成長を遂げる会社づくりを目指し、「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンにABEMA、インターネット広告、スマートフォンゲームなど革新的なビジネスを数多く手がける。『渋谷ではたらく社長の告白』『起業家』『藤田晋の成長論』など著書多数。

「2022年 『心を鍛える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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