- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344421004
作品紹介・あらすじ
美大を目指し、京都から上京した浪人生の乾純。美術予備校へと通う純の前に"東てる美"に似た美奈が現れた。即、恋に落ちた純は童貞を捨てて、覚えたてのセックスにのめり込んでいく。だが受験を前にして、親の愛情は重くのしかかり、友人たちとの距離は広がり、すべてが混乱のるつぼと化していく…。自分を見失った果てには一体、何があるのか。
感想・レビュー・書評
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2013年初版。著者の誰も気づかない面白い事象に目をつけるところ・若干マニアックなところが大好きです。年齢が、ひとつしか違いませんので作品の舞台が頷く部分が多々あります。東てる美さん似の彼女、俺たちの旅。作品が著者の実体験に近いものだと知り、さらに関心があります。私も意味もなく不必要に長い髪で、白いジャケットやパンタロンやブーツをカッコいいと信じていました。誰もが、自分には何でもできる、何にもできないのではないか、全く前が見えなくて誰かに頼って依存して生きていた時期があるのではないでしょうか。それを思い出しました。言い古された表現ですが青春の彷徨、そんな感じの作品だと思います。
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みうらじゅんさんの実体験を元に描いた青春小説。
実体験を元にしているがゆえにリアルでいい。
スラスラ読めた。
ありきたりだけど、なんだかんだ良かった。 -
自分探し〜とか言うけど、そんなもんないよ
自分は既にある
それを無理矢理に旅とか出ちゃったら、それは自分なくしと言えなくもない
それでも、何かを捨ててでも何かになりたいのに捨てたものに後ろ髪を引かれ
何かになる為に進んでいるのに某脳が邪魔をして
自分=意思を失くしてしまったジュンの話
でもそうなるよな
責められねえよこんなもん -
何やってんだ自分は…と後ろめたくなりながら、何者にもなれないまま時間を浪費しあせる気持ち
覚えがありすぎる -
みうら氏の浪人時代の自伝的小説。筒井康隆の「喪失の日」の要素もある。
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大好きなみうらじゅん氏の自伝的小説三部作の二作目。
前作の高校篇「色即ぜねれいしょん」を読んでから約9年経つが、みうら氏と同年代の私には時代背景が懐かしく、浪人篇も楽しく読み終えた。とは言え、小説の出来としてはフツー(以下かも?w)
マルチな才能を持つみうら氏だけど、青春時代はご多分に漏れず悩み自分の中の排除すべきモノを模索していたんだな。それがタイトル「自分なくしの旅」に反映されていて秀逸だと思った。
山田五郎さんの解説も楽しめる。”なにひとつ不自由しない不自由さ”とか、”恵まれすぎている不幸”とか、言い得て妙なワードが盛り込まれていて納得。 -
私の大好きな、みうらじゅんの自伝的小説。
タイトルの「自分なくしの旅」
自分なくしとは?
主人公のじゅんは美大合格を目指しながら
フォークシンガーにも憧れており
初めての恋人とのセックスにのめり込み
結婚を考えたり‥と、読んでいて、
自分ホンマに何がしたいねん?と
関西弁でツッコミたくなります。
両親に甘えてばかりで、冴えない主人公の姿は
リアリティがあり、青春小説が苦手な私ですが
最後まで楽しく読めました。
じゅんの後半の行動が
タイトルに繋がっているのではないでしょうか。
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みうらじゅんの世界でした。笑
自伝的小説なのでどこまで本当なのかはわかりませんが面白かったです。
あらすじは京都から上京し美大を目指し浪人生活を送る乾純(みうらじゅん)。美術予備校で知り合った美奈と恋に落ち、童貞を捨て、覚えたてのセックスにのめり込む間に美術の勉強も家族とも地元の友達とも距離が広がり混乱していく話です。笑
登場する女性。美奈はいわゆるお嬢様の女子大生でそんな感じの子が乾純(みうらじゅん)のどこになぜ惚れていたのかなと…。
っていうぐらいこの乾純(みうらじゅん)はなよなよしてます。
まぁ自分のどこが好きなのかなんて相手にしかわからないことですが。
ただ、みうらじゅんが急に彼女に対して冷めていってしまう様子や家族に対して後ろめたい気持ちになるところは少しわかってしまいました。笑
やっぱりみうらじゅんは頭おかしいです。 -
みうらじゅんの自伝的な小説。
自分がだんだんなくなっていく、というタイトルにやられて一読。内容としては本人が自作していた歌の歌詞などもしばしば登場。ただし内容としては、イマイチ。。。かなぁ。ただ年をとる度に、自分がなくなるという感覚をネーミングをすることに脱帽です。 -
みうらじゅんの自伝的青春小説。
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ネットでむかしのラジオ番組などが聴ける昨今、
近ごろは、「みうらじゅんと安齋肇のTR2」という2003年4月から2005年3月まで、J-waveで深夜に放送されていたものを1回目から順に聴いていっている。
番組の内容は、8割方が下ネタといった印象なのだが、実際にはもう少し少ないかもしれない。
下品といえば下品だけれども、面白くてたまらない。
みうらじゅんのトークはたまらなく面白い。
某缶コーヒーのCMでは、タモリのお仲間という名目で山田五郎と一緒に出演していたけれども、みうらじゅんを取り巻く人たちって、メディア上に現れる部分だけを見ていれば、とにかく快楽を貪り続ける人生であるかのようだ。表面的な捉え方であることは百も承知で言わしてもらうと、とにかく楽しく浮世を謳歌しているように見える。
この本の元になった連載は、2005年2月からはじまったということなので、TR2の末期と被っている。
DT喪失が一つのテーマとなっているわけだが、ラジオで聞いたことのあるエピソードもいくつか入っていて、自分的にはタイムリーな感じで読めた。
と同時に、ラジオでは語られない、詳しいイキサツ、もちろん、全部が実話だとは限らないわけだけど、そのあたりが埋まっていったのが、個人的には充足した。
まあ、ラジオを聞いていても、決して楽ばかりでなく苦もあるさ、ということはなんとなくうかがい知れるわけだけど、この本を読むと、懊悩してるよなあ、とやはり思う。 -
軽く楽しく読めました。どこまでfictionなのでしょうね。
女性とは無縁の青春時代だった自分と比較すると、そんな人もたくさんいるのだろうなとあこがれるところがあります。 -
みうらじゅんさんの浪人時代の自伝的小説。ありがちな話の中に、みうらじゅんさんらしさが光る。
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自伝的な青春小説てのは多くの人が書いており、自分としては割と好んで読むけれども、どれも結構似たような内容だったりする。本作もその意味では似たような内容ではあるけれど、さすがにそこはみうらじゅんなのであり、ひと味違う雰囲気を出している、とにかく、主人公が格好悪いのだ。それは見栄っ張りであり、甘ったれであり、それだけだと他の青春小説と変わりないのだが、違うのは、若者としての矜持もない、というところだろうか。よって青春小説に共通するさわやかに欠けるのだが、その分リアリティは高いと思う。
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2013/10/10 Amazonより届く。
2014/7/29〜8/1
みうらじゅんの自伝的小説。まとまった文章を読むのは初めてだが、この人はホントに根っからのエンターテイナーだな。青春三部作の2部に当たるらしい。他の作品も読んでみよう。
盟友、山田五郎氏の解説も必読。