虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421073

感想・レビュー・書評

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  • 題名のとおり、喫茶店を独りで営む柏木悦子。
    若い頃に夫を亡くしてるとのこと。
    店内の壁には夫が描いた虹の絵が掛けてあります。

    6章からなるエピソードの連作で、いろいろな登場人物の人生が少し垣間見ることができます。
    章が進むにつれ、時もすすみ悦子さんも歳を重ねていくところが分かってきて、最後の章では何か感じるものがありました。
    週末に読むのにいい一冊でした。

    私もコーヒー好きなのでこういう店があるといいなぁ。

  • 子どもの頃に読んでいたら、とっても好きになっていただろうなぁ…と思った作品。

    岬の端に独りでずっと住み続けるのはやっぱり寂しい。
    でもそんな寂しさを埋めてくれるのは、ある強い想い。
    夫がかつて見た景色を自分も見たいという、願い。
    同じ景色ではないけれど、物語の最後に見た景色は本当に綺麗だったんだろうなと思います。

    とても優しい話でした。

  • こんな喫茶店があったら一度は足を運びたくなると思えるような美味しいコーヒーを入れてくれ、お客に合わせた音楽をやさしく流してくれるところが舞台のお話です。

    喫茶店を訪れる人によってお話が変わっていくのですが・・・1話目から目頭が熱くなる内容でした。だからというわけではないですが、読み進めていくうちに、自分の頭の中の喫茶店がどんな喫茶店なのか鮮明に描けていけました。

    特に良いなぁっと思ったのは、喫茶店の主人の甥っ子の若い頃のお話。色んなことがあったと振り返る内容でしたが、こんな風に誰かと共有した時間を振り返り、その出来事を話せることが羨ましく感じました。

    何かに疲れたなぁっと思ったら、この本を開いて喫茶店に行ってほっと一息つきたいです。

  • コロナ禍で家にいる時間が増えたいま、おうちカフェを開いてゆっくり読むのがおすすめです。コーヒーを用意して、作中の曲をかけながら。優しく温かい気持ちになりますよ。


    夢を追いかけない人生を選ぶのにも、充分に勇気がいると思ったけどな(P.136)

    大人になって夢を持つことを忘れていた気がします。常に夢を持って生きていた方が、絶対に楽しいですよね。
    将来は悦子さんのような、自然体で優しい、ユーモアがある素敵な女性になりたいです。


    文頭で「おうちカフェにおすすめ」と書いておきながら、わたしは9割を通勤電車内で読んだので、またしばらくしたら落ち着いた場所で読み返します^ ^

  • #虹の岬の喫茶店 #森沢明夫 さん
    #読了

    特別胸に刺さるような言葉がある訳でもなく、普通の人の物語なのですが、胸が暖かくなります。それは豊富な語彙とリアルな描写で情景がありありと目に浮かび擬似体験できるからだと思います。特に「ラブミーテンダー」がロマンチック。うるっときてしまった。

  •  肩の力を抜いてあっという間に読み終えることができ、ほんわかした温かさを味わうことができる。そんな物語だと思った。

     お店の内装、外装、近隣の風景、窓から見える景色。素敵すぎて溜息がでるほどだった。そこには、森沢明夫ワールドが惜しみなく描写されていた。

     心に傷を負った人々を前向きにさせてくれる喫茶店。店主(悦子)さんが発する魔法の言葉の数々が素晴らしくて物語に引き込まれた。

     第三章のお話が好きになった。希望はどこかに必ずあると感じられた。

  • 実際にモデルになったという喫茶店に行きたくなる話。
    森沢さんの作品は、スリリングやハードな場面が多いミステリの後に読むと心が癒される。根底に流れるのは主要な登場人物がみんな他人への思いやりが自然に出来ている優しい雰囲気だ。

    この喫茶店にはいずれ行くかもしれないが、まずはコーヒーを「美味しくなれ」と言いながら淹れて飲もうと思う。

  • 森沢明夫さん2冊目。春夏秋冬の季節ごとに章が進んでいくが、四季折々の岬の様子、自然の描写が素晴らしく、何とも癒される。季節ごとの章立てだが、同じ年の話ではなく、最初の章と最後の章では10年以上の時間の経過があった。喫茶店を営む悦子おばあちゃんは、凛としてとても強い女性。いろんな人の人生を見守っている岬の喫茶店は、これからも長く続いてくれると良いなと思った。

  • とても温かいお話しだった。ポロリとしたり、ジーンとしたり。ドラマにしたら、悦子さんは吉永小百合さん、タニさんは寺尾聰さんなんてぴったりではないかなぁ〜と配役を想像しながら読み進めていた。

  • 悦子さんの優しさあたたかさにほっとします。こんな喫茶店に行ってみたいと思いながら、関わる人々の世界に引き込まれました。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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