虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 7731
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421073

感想・レビュー・書評

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  • 思わず、ジブリ作品の「紅の豚」に出てくるジーナを思い浮かべてしまった。おしゃれな音楽に気の利いた言葉。この喫茶店は、きっと行こうとしても辿り着けず、店が客を導いてくれる、癒しの空間なんだと感じた。

  • 森沢さんのあたたかい世界が広がっていて、こんな素敵な喫茶店があったら通いたいな、と思った。

    第一章の虹を追いかける親子の話がいちばん好き。

  • 久しぶりにこんなに心がほっこりする小説を読んだ。
    ある岬にひっそりと建つ喫茶店で起こる日常が描かれてるんだけど、そこに訪れる人々がその喫茶店の主人である悦子さんを中心に影響し合うのも面白い。

    その日常の景色や情景の描写とか、登場人物の気持ちの描写が絵を見てるみたいに綺麗にイメージできる。
    特に物語に出てくる音楽も一緒に聴くと、よりぐっと入り込める。

    「ラヴ・ミー・テンダー」は聴きながら読んでて、クライマックスでできた歌詞の一部とちょうど重なったから、そこからさらに読み進めてたら「『ラヴ・ミー・テンダー』も終わった」までで曲がピッタリ終わって鳥肌がたった。

    第三章の話も好きでフレーズメモしたけど、
    第五章の話が1番グッときたかなぁ。
    悦子さんの「過去を懐かしむことって、自分の生きてきた道のりを受け入れられている証拠でしょ。辛かったことも含めて、これまでの人生の積み重ねをまるごと肯定できているから、あなたたちは「懐かしい」って気持ちで当時を思い出せるのよ。もっといえば、その積み重ねそのものが、今のあなたたちなんだから、自分を肯定して、受け入れて、大事に出来ているってことになるでしょ」って台詞が好き。

    森沢さんの出身地である千葉県の金谷の「岬カフェ」がモデルになってるらしく、映画化された時にもロケ地として使われてるみたい。
    聖地巡礼したい!

    • yuusanyusannさん
      第5章の同じ部分、自分に照らし合わせて考えさせられました。

      森沢作品。初めてでしたが、他な小説、
      例えばミステリーなどを読んでいる時の、作...
      第5章の同じ部分、自分に照らし合わせて考えさせられました。

      森沢作品。初めてでしたが、他な小説、
      例えばミステリーなどを読んでいる時の、作者の裏側を窺う必要がない読み方が新鮮でした。
      2022/12/18
  • 行ってみたいと思わずにはいられない
    美味しいコーヒーとお客さんそれぞれに合う音楽と
    どんな人でもまるごと受け入れてくれる店主がいる
    虹と海、風に包まれた喫茶店が舞台。

    どういうこと?と引っかかった部分も
    最後まで読むとスッキリさせてくれてよかった。

    コーヒーの香りや、岬に立って感じられる風や潮の香りなど、文字を読んでいるだけでその場に自分もいるかのような気持ちにさせてくれる小説だった。
    美味しいコーヒーとバナナアイスが欲しくなった。


    p.307
    「過去を懐かしむことって、自分の生きてきた道のりを受け入れられている証拠でしょ。辛かったことも含めて、これまでの人生の積み重ねをまるごと肯定できているから、あなたたちは『懐かしい』っていう気持ちで当時を思い出せるのよ。もっといえば、その積み重ねそのものが、いまのあなたたちなんだから、自分を肯定して、受け入れて、大事に出来ているってことになるでしょ」

    p.308
    「自分の積み重ねてきたモノを大切に思えて、他人の積み重ねてきたものも大切にしてあげたいって思えたらー。きっとその人は大人になれたってことなんだと思うわ」

    • しろくま みかんさん
      読みたくなりました、すてきな感想ありがとうございます。
      読みたくなりました、すてきな感想ありがとうございます。
      2022/03/27
  • 岬の先端にある喫茶店<岬カフェ>
    人生の崖っぷちに追い込まれた人が引き寄せられるように来店し、コーヒーと音楽と初老の女店主の言葉に力をもらい、新たな人生を歩み始める。
    いくつかのエピソードの一部が繋がっていて、苦しみの経験が次の誰かの力になっていくことに、心癒される。明けない夜はないし、苦しみと恐怖のあとに虹がかかる瞬間もある。
    みんな何かを抱え、苦しみながら次の一歩を踏み出していることに、力をもらえた。

  • 優しい気持ちになりました。
    青年の恋も初老の恋も、恋って苦しくて幸せなものね。
    人生は思っているよりずっと短いもの。
    私も迷ったら、ロッケンロールな道を選ぼう。コーヒーを、呪文を唱えながら淹れてみよう。
    ここの女主人のように、誰の話も受けとめられる人になりたい。

  • 優しい人たちが出てくる物語。
    全編通して出てくる岬の店主が、迷っている人たちを勇気付けることで、読んでいるこちらも励まされるような気持ちにさせられる。
    登場人物たちの優しさが物語の中で形として残り、話が進む中で、時折その形が姿を覗かせる描写がさりげなくてとても良かった。

  • こんなカフェがあったら行ってみたい!

  • 疲れた時に読むと、心の奥まで染み入る。生きていれば色々あるのだ。みんな一緒。自分だけが特別悲しく辛い生き物なんかじゃないと、優しく諭される。

  • 岬の先にある小さな喫茶店。悩み事やネガティブなことも美味しくなあれと念じたコーヒーと客に合わせた音楽と虹の絵で癒されてしまう魔法の喫茶店。主人の悦子さんは最後店を閉じようかつぶやいていたけど続けるんだよね?!

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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