ダンス・ウィズ・ドラゴン (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.01
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本棚登録 : 353
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422421

作品紹介・あらすじ

井の頭公園の奥深く潜む、夜にしか開かない図書館。生い立ちに消えない痛みを刻むオリエ。過去に妹を傷つけたことを悔やみ続ける兄・スグルと、彼を救済したい妹・マナミ。前世の記憶をもてあますキリコ。"永遠なる"ドラゴンに導かれるように集う彼らは、痛みとともに、それぞれの"性"と"禁忌"を解き放ってゆく。ミステリアスな官能長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 村山さんのお話は軽くて読みやすくて、重い話を読んだ後にふっと読めて助けられるようなイメージだったけど、これは違った。
    なんとか読み切ったけど…結局よく分かんなかった。ちょっと残念。

  • 幻想と現実が入り混じった神話的でもあり愛の
    永続性を謳った作品だと思った。
    今までの村山さんが描いてきた恋愛小説とはまた違った部分であり図書館の構造や竜の存在、 
    決して過去から未来だけが時の流れではなく輪廻転生を繰り返しているなどファンタジー的な要素を多分に含んでいて楽しかったです。

  • ひさしぶりの村山由佳さんの本。
    思いがけずファンタジー色があり、空想世界にも心を飛ばしながら読むことができた。
    背表紙には「ミステリアスな官能長編」とあり(おかげで電車で読みづらかった)、どんな本かと思ったが、「官能長編」というほどではなかった。そして、それで良かったと思う。
    ドラゴンによってそんな都合よく悪い部分を食べてくれのかとか、館長の背景とか、いろいろ気になるところはあれど、要を問わず登場する超メジャー空想動物「ドラゴン」をモチーフによく書けたなぁと思います。たしかに十二支で唯一非実在動物だよね。なにか人間の精神的な奥底に共通して眠っている、のかもしれない。

  • 放蕩記がとても読後感が良く、作者買いした一冊。

    しかし失敗した。これはファンタジーだった。
    ファンタジー嫌いの自分には大失敗。
    しかし、現実感のあるファンタジーであった為、最後まで読み終えることができた。

    オリエ、マナミとスグル、キリコ、それぞれの物語が
    最終的にはもっと濃密に絡み合うのかと思いきや、
    そうでもなく・・・
    何となくパっとしない終わり方だったように思う。
    ファンタジーに不慣れな為、そう思ったのかもしれない。

  • 想像以上にしっかりとしたファンタジー。
    「ドラゴン(龍)」と「図書館」がキーワード。

    不思議な世界観と、しっとりした静かな描写が
    素敵でした。夜に読みたい。

  • 一瞬は永遠であり、永遠が一瞬だった


    (読みはじめ)
    あ。こんなに全力ファンタジーだったの?
    不思議な図書館に爽やか司書巽くんにドラゴンかぁ。へぇー。
    (第1章終了らへん)
    …ん?これは大人向けファンタジーってやつ?
    (最後まで読んで)
    なんだろ。この本は。ファンタジー的に禁忌な要素が詰まっている…。※私的解釈
    恋愛は良い。性描写もまぁ良い。
    でも人外との交わりや(しかも神聖であるはずのドラゴンと‼︎)、兄妹の執着的な愛や(しかも登場時ファンタジー的ヒーローポジションと思った巽くん‼︎)、5歳の女の子への性描写(しかも大好きなお兄ちゃんの前で‼︎)はどうなんだ?
    このアンバランスさがこの本の魅力といえばまぁそうなんだろうけど。私は冒頭で全力ファンタジーだと思っちゃったから衝撃が大きかった。エグいなぁ、と。

    最後にはみんながみんな苦しみから解放された様で良かったです。めでたしめでたし?

  • よくわかんないけど、選ばれた人っていいよなって。凡人なので。あと、神泉はわたしもとても気に入っていた住所だった。

  • 兄妹近親相姦しかも巫女だから純潔でなきゃいけないっていう二重苦・・・うーんファンタジー

  • 西洋の竜と中国の龍の違いについて考えて見た。

    飛べるか飛べないかは別として西洋の竜の方がより生き物に近く、蜥蜴とか恐竜の化石がモチーフなのかなぁと思う。

    中国の龍は蛇や大蛇がモチーフでなければ、より概念的な存在であり、イカズチや竜巻などの超自然的エネルギーがその正体でないかなぁと思う。

    作品中は竜と龍は同義であるが、私の中では読みが一緒なだけで違うものと認識している。



    夜にしか開かない図書館に勤務する職員達の龍と関わる物語、前世、幼き日の後悔、悪夢・・・
    作品はスピリチュアル的なファンタジーです。

  • 井の頭公園の奥深く潜む、夜にしか開かない図書館。生い立ちに消えない痛みを刻むオリエ。過去に妹を傷つけたことを悔やみ続ける兄・スグルと、彼を救済したい妹・マナミ。前世の記憶をもてあますキリコ。〈永遠なる〉ドラゴンに導かれるように集う彼らは、痛みとともに、それぞれの〝性〟と〝禁忌〟を解き放ってゆく。ミステリアスな長篇。

  • 購入済み 読了

    内容(「BOOK」データベースより)

    井の頭公園の奥深く潜む、夜にしか開かない図書館。生い立ちに消えない痛みを刻むオリエ。過去に妹を傷つけたことを悔やみ続ける兄・スグルと、彼を救済したい妹・マナミ。前世の記憶をもてあますキリコ。“永遠なる”ドラゴンに導かれるように集う彼らは、痛みとともに、それぞれの“性”と“禁忌”を解き放ってゆく。ミステリアスな官能長篇。

    村山由佳は大好きだったのにここ数年手がでていませんでした。なんでだろう?
    路線が変わってからも買ったままつんである本数冊あります。好きなんだから読み出したらあっという間。
    帯のあらすじから想像したものとは違うテイストでしたがこれもありか、と。
    これで官能長編。。。わたしが今まで読んできたのはなんだったの?とかそんな別のところの感想も。
    ヨーロッパのドラゴン、日本のドラゴン、それと輪廻。
    もうちょっと過去と未来と時空絡めてほしかったけどこの頁数ならこんなもの?
    長岡さんもうちょっと絡んでもよかったかしら。

  • 「おいしいコーヒーの入れ方」「天使の卵」といった純恋愛小説のイメージで手に取った。

    ファンタジーやん!?しかもすげー中途半端な?
    ・夜中しか入れず、しかも中では部屋や本が自由意思で位置を変えるというハリーポッターのパクリみたいな設定の図書館。
    ・示し合わせたかのように描いた「龍」に関する名前を持った人々。竜神伝説のある村出身の兄妹(探偵マンガによく出てくる話w)
    ・龍にレ〇プされると都合の悪い記憶を消せるという設定→受けた者は鱗のアザが残る
    ・謎を知ってるっぽい預言者のおばあさん

    ・・といった壮大な世界観を期待させる伏線の嵐だったわりに、全くといっていいほど伏線回収せずに物語終了。現実と空想世界の区別もつかない石ノ森章太郎や永井豪の漫画のラストみたいな終わり方。

    多くのレビューで「消化不良」と書かれているが、不良どころか1ミリも消化できてないw

    伏線段階の設定はワクワクさせるものがあったので2点。

  • ドラゴン、龍、竜 etc。世界中に残る彼らに似たものの伝説。彼らに遭遇したヒトの記憶は、今も人の遺伝子に残っているのだろうか

  • 半自伝の小説から追わなくなっていたのだが、おいコーシリーズを改めて読み返して読んでない本も読む気になり借りてきた本。

    現代ファンタジーにワクワクしながら読んだものの、「ダブルファンタジー」を彷彿させる前世の繋がりのある近親恋愛。
    面白くないわけではないけど、この不思議な図書館は?竜の望みは?など当初浮かんだ疑問はほぼ解決されず。
    ファンタジーだしなぁと思いつつなんとなく腑に落ちない。

  • なかなかだった。ドラゴンというファンタジー要素を中心に据えながら、非現実的になりすぎず、まとまっている。

  • むーん、これはイマイチよくわからん~~~。
    やっぱ、ファンタジー系・・・しかも幻想とかって苦手かも~~ww

  • 図書館の人々

  • 幻想的でありながら官能的。傷を持った人間が不思議な図書館に導かれ、傷が癒やされて行くのかと思ったが、もっと深い。

  • 私、男の人が
    『自分がいちばん可哀想』
    みたいな顔をしているのを見ると、
    我慢ならないんです。ーーー



    VIDE ET CREDE,
    ーー見よ、そして信じよ、
    と、ある格言は言うかもしれない。
    だが、見えざるものの中に
    永遠があるというのなら、
    目には見えないものこそを、
    私は信じる。



    だめだ。
    泣きそうだ。


    永遠とは、見えざるとののことよ....
    切ない。
    だけど、
    それが心地よい。

  • とても惹きこまれるファンタジーだった。

    だからこそ、物足りないところには醒めた自分が反応してしまう。

    オリエの存在感が、ストーリーが展開するにつれて希薄になっていく。龍…ドラゴンとの濃密な繋がりにも関わらず、気づけば傍系のエピソードになってしまっていた。彼女の前世と、現世の幼少時の記憶とが重ならず、元夫が家を出て行く前に「僕に触らないでくれ!」と叫んだ理由も明らかにならず…オリエをきっかけに惹きこまれていったストーリーなのに。

    図書館そのものが、時空の歪み、で片付けられてしまって。あんなにも素晴らしい空間を、そんな一言で片付けないでほしい。キリコの言うように偶然などひとつもなく、すべてが必然ならば、図書館そのものの存在の必然性にも触れて欲しかった。

    エンディングは物足りなかった。マナミとスグルにはめでたしめでたし、なのだろうが。キリコは?オリエは?いろんなものが語られないまま終わってしまっているような気がする。

    主役がどんどん入れ替わる…という設定自体は理解できるし、そのことでストーリーの厚みが増してゆくのであれば、効果的だろう。

    しかし、主役が替わるたびにその人にまつわるエピソードは置き去りにされてゆき、深まりには繋がっていないような印象を持った。

    このようなレビューを書いてはいるが、読み始めた時には「これは!」と感じて、部屋に閉じこもって読み切る体制を整えたのである。

    もっと広く、深くなれたはずのストーリーではないだろうか。少し残念な気がした。

  • 感動もしなかったし、なんだかよくわからなかった。恋愛とファンタジーが入り混じっているような設定についていけなかったのが正直なところ。

  • 井の頭公園の奥深く潜む、夜にしか開かない図書館。生い立ちに消えない痛みを刻むオリエ。過去に妹を傷つけたことを悔やみ続ける兄・スグルと、彼を救済したい妹・マナミ。前世の記憶をもてあますキリコ。〈永遠なる〉ドラゴンに導かれるように集う彼らは、痛みとともに、それぞれの“性”と“禁忌”を解き放ってゆく。ミステリアスな官能長篇。

  • 井の頭公園が舞台という帯に惹かれて読もうと思いました。
    すらすら読みやすい内容で、半日で読めました。
    読み終わったあとの感想としては、設定はとても面白いし読みやすいんですが…。
    一部の人しかたどり着けなく、日によって部屋や本の位置が変わる不思議な図書館という面白い設定があるのに、図書館自体がたいして活かされてないストーリーかなと感じてしまいました。
    でも不思議な世界観ですごく惹きつけられた本でした!

  • 井の頭公園の奥深く潜む、夜にしか開かない図書館。生い立ちに消えない痛みを刻むオリエ。過去に妹を傷つけたことを悔やみ続ける兄・スグルと、彼を救済したい妹・マナミ。前世の記憶をもてあますキリコ。〈永遠なる〉ドラゴンに導かれるように集う彼らは、痛みとともに、それぞれの〝性〟と〝禁忌〟を解き放ってゆく。ミステリアスな官能長篇。

  • 冒頭から引き込まれた。終盤はやや物足りなかったが、楽しめた。

  • 読みやすいけれど全体的にふわふわしていてさらっと終わってしまった感じ。
    気持ちを抑え込んでいた人たちがそれを解放する物語だから仕方がないとはいえ登場人物たちの感情が淡々としてるせいでなかなか入れ込めなかった。
    余韻を味わうべき作品だったのかもしれない。

  • 図書館とドラゴンの話。

    夢も現実も過去も今もだんだん何だかわからなくなってしまった。
    でも図書館はずっと魅力的な場所でした。

  • 著者にしては珍しい幻想的な設定。短編連作は好きだが、今一つ入り込めなかった。官能とファンタジーはあまり両立しないのか。肩透かしにあった印象。

  • 導かれる者しか入れない、見つけられない図書館。
    その設定だけでワクワクします。
    しかも、図書館の中は、その日その日で配架も変わってしまいます。
    でも、希望の本はちゃんと見つけられる…。

    そして、その図書館に集まる人々は、なぜか龍に縁があり…。
    そこから怒涛のように龍に翻弄されていきます。

    黒ムラヤマというより、グレームラヤマでしょうか。
    大人のファンタジーを感じます。

  • おいコーぶりの村山本。本当にいろいろ毛色違うの書くな。

    龍とドラゴンの違いというのは調べてみると面白いのかも。
    仮想とされる動物の原型はなんなのか。生み出した人は何からあの姿を描いたのか。
    そして、どれくらいの数がいるのか。確かに面白い。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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