- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344422889
作品紹介・あらすじ
タイトルに現れているけむたい後輩である真実子とあこがれの先輩である栞子との大学生活をお互いの視点で描いた作品です。自信家である栞子がなぜ苛立ちと共に後輩である真実子を意識するようになっていくのか、真実子は先輩栞子の我が儘な性格に翻弄されながらやがて自分の道を探り成長します。両極端な性格の二人の女子大生が織りなす物語の中で読者はどちらに共感することになるのでしょうか。
感想・レビュー・書評
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3.5ってところかな。好き嫌い別れると思う。
ラストはすごくスカッとするけど、それまでがうずうず続き。
結局のところ、人はみんな自分が好きだし、利己的。それを表に出すか、どれくらい出すか、そういう塩梅をコミュニティによって使い分ける。時と場所が変われば考え方も表情も変わる。
女の子の説明書の具体例を読んでいるような感覚。あんまり好きになれるキャラはいなかったけど、真実子は天然かと思いつつ、めちゃめちゃ頭いいよな。なんだかんだ1番個性的で世渡り上手なタイプ。
男の人が読むと「女って怖っ」と思うかもしれない。女からしてみれば「こういう子いるよね」という感覚。 -
栞子と真実子、どちらに共感するかと聞かれたらわたしは真実子に共感してしまう。
憧れの先輩栞子に振り回され、なにをするにも栞子中心で物事を考え行動する。空気を読めず、次第に栞子にも邪険に扱われていきます。
わたしも人との距離がうまく取れなくて、「素敵な人だなぁ」と思うと、その人の好きな音楽や小説などすべてを知りたくて本人よりも詳しくなってしまうくらいだったので真実子のやってることにすごく共感して読んでました(笑)
最後には栞子から卒業して、依存することなく一人で生きていけるようになり成長を感じられます。
そんな真実子を見ていると私はまだまだ人に依存してるなぁなんて考えてしまいました。
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期待を裏切る(失礼)面白さで、一日で読んでしまった。
『横浜にある名門お嬢さま大学に通う3人の挫折と葛藤を描いた話』と内容を簡潔に文章にすると、ちょっと違うなあと思う。
北海道から出てきた真美子は幼い頃から病弱だったが(肺がひとつしかないらしい)、自分よりひとつ年上の栞子に憧れて横浜の女子大に入学した。豪華学生寮のルームメイトである美里は、真美子の親友であると同時に彼女の体調を気遣う保護者の役目もしている。
さて、真美子が憧れている栞子なる人物は、14歳のときに『けむり』という本を出版した過去を持つ。真美子はその本が大好きで、盲目的に彼女を尊敬し、慕っている。
自分には才能がある。
人とは違う。
女と群れるのは嫌いで、男といるほうが気が楽だ。
自分の知らない世界をたくさん知っている栞子の言葉を、真美子は栄養にしてすくすく育つ。真美子にいろんなことを得意げに語る度に、栞子は気がついちゃうんだ。口から出る言葉はすべて正反対で、本当の自分は空っぽだったんだって。気がつくというより、見ないフリをしていた現実に目を向けざるを得なくなったという感じか。
話はこの2人が中心なんだけど、美里は影の主役といってもいいだろう。美里のストイックさや強さが物語のいいスパイスになっている。夢に向かって頑張るひたむきな姿や、厳しい現実に打ちのめされそうになりながらも立ち上がる様が凛として美しい。そして何より冷静で且つやさしい。
まったく違う立場、容姿、性格、才能を持つこの3人の三角関係はどのような結末を迎えるのか。
わたしは、
栞子を取り巻く下らない男たちに呆れながら、最終的には真美子に怯えた。
栞子に対して苛々していた感情は、いつの間にか憐憫の情に変わっていた。 -
登場人物皆んな面白い。
人間は弱いからこそ色んな手を使って強く見せようとするんだなー -
なんだこれ?と思いながら読み進めると予想外に面白い。あの頃の大学生…横浜の丘の景色、ユーミンの喫茶店、女子アナ、ミスコン、パリの左岸、まだ新しい汐留の高層ビル。懐かしい。エピローグが気持ち良かった。
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タイプの違う3人の女性の物語。表題の後輩にあたる真美子の成長譚が主軸なのかな。個人的には親友の美里の考え方が好きだけど、私はどちらかというと痛い先輩の方なのかしら。最後はちと抉られる。
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女って、ややこしい。
男も妬み嫉みあるんだろうけど。 -
ストレスがたまると開いてしまう一冊。
先輩にやられっぱなしでずーっとイライラもやもやするけど、最後は痛快。スッキリ。