すーちゃんの恋 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (137ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423145

感想・レビュー・書評

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  • 本書はすーちゃんシリーズの4作目で、心機一転、新たな職場で生き生きと働く彼女に加えて、そこに欠かすことの出来ない絵本が取り上げられていることで、私にはより親しみやすく、更に、さわ子さんやまいちゃんの登場に、シリーズを通したファンも楽しめる内容となっております。

    また、益田ミリさんならではの、女性特有の繊細な悩みや苦しみを、明るく、そして真摯に表現した台詞は、今作も健在でありながら、子どもやお母さんに対する、『好き嫌いをなくすというより、好きなものをどんどん増やそう』や、『お母さんになったけれど、「お母さん」じゃないあたしだっている』といった視点も印象的で、きっと、それぞれの立場にある心に、そっと寄り添ってくれるのではと思いました。

    そして、今作の見どころは何と言っても、『すーちゃん久々の恋!』であり、見ていて、ちょっとこそばゆく、でも切ないような、そんな気持ちを痛いほど感じさせられる、その展開は、例えばメール一つ送信するだけでもあれこれ考えてしまうところや、食事を一緒にできるだけで、「やったー」と心で快哉を叫びたくなるような、そんなささやかな喜びによく表れていて、そんなすーちゃんの笑顔が、なんかいいなと感じられました。

    しかし、家で一人になったときに、改めてそんな恋も含めて人生を俯瞰する、すーちゃんの胸に秘めた複雑な思いには、まさに等身大の方に響くであろうリアルなものを感じさせられ、あと3年もすると40歳になるすーちゃんにとって、『今まで40代の女の人なんてオバサンとしか見なかったけど、むしろ今はいろんな気持ちを聞いてみたい』には、如何に、オバサン、オジサンといったカテゴリが無意味であるのかが分かりますし、その瞬間、瞬間でときに筆舌に尽くしがたい、やり切れない思いになることもあるかもしれないけれど、それでも、

    『どんなふうに生きようと最後の最後まで「自分」でしかない』

    の台詞が、改めて、自分の立ち位置を見直してくれるのではないかと、実感させていただきました。

    それから、本書に登場した彼と、まさかの繋がりがあった、ブク友のなおなおさんに教えていただいた「オレの宇宙はまだまだ遠い」も、改めて読みたくなりました。

    • なおなおさん
      たださん、こんばんは。
      ここに出てくる彼が、「オレの宇宙は〜」の彼ですよね。この彼目線の話なので、また新鮮です。
      絵本に関する話も出てくるの...
      たださん、こんばんは。
      ここに出てくる彼が、「オレの宇宙は〜」の彼ですよね。この彼目線の話なので、また新鮮です。
      絵本に関する話も出てくるので、絵本をよく読まれるたださんも感じるものがあるかも。是非〜。
      2023/06/07
    • たださん
      なおなおさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます(^^)

      すーちゃんに気を取られていたら、いきなり、なおなおさんが勧めてくれたタイ...
      なおなおさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます(^^)

      すーちゃんに気を取られていたら、いきなり、なおなおさんが勧めてくれたタイトルが出てきたので、驚きました(^^;)
      しかし、彼については本書で気になる点もあったので、是非、「オレの宇宙は~」で確かめてみたいと思います。
      2023/06/07
    • なおなおさん
      彼について気になる話って何かあったかな…たださんのレビューを楽しみにしております(^^)
      彼について気になる話って何かあったかな…たださんのレビューを楽しみにしております(^^)
      2023/06/07
  • シリーズ4作目。すーちゃんの恋のお話。
    すーちゃんと土田さん、2人のピュアな出会いのエピソードが載っている番外編が良かったです。
    真面目に働いて、思いやりのあるすーちゃんですが、たまに毒づくときがあって、そこが何とも好感が持てます。
    読むと肩の力がすーっと抜けて少し楽になるような、そんな一冊です。

  • 四コマ漫画のすーちゃん。
    今回はすーちゃんの恋。
    すーちゃんの恋の行方はどうなるのか…
    頑張れすーちゃん^_^

  • 37歳のすーちゃんのお話。
    どんな人生も自分は自分という考え方、自分もそうでありたいな〜と思う。








    ★子供の好き嫌いをなくすというより
     好きなものをどんどん増やそうというのがみどり先生の考え方で
     この2つは似ているけれど同じじゃない
    ★考えてみたら大人になるとさほど新しい食べ物には出会わないもので
     子供たちが新しい食べ物に出会っていく貴重な体験に
     立ち会っているんだなと思えば身も引き締まる

    ★でもわたし前の職場では半分逃げ出したようなもんですから
     そんなの今はいいのよ
     それでよかったって思う生き方をすればなんともないのよ

  • 保育園園長先生夫妻の、会話から醸し出されるお二人の雰囲気がステキでした。
    シリーズ1、2、3は、すーちゃん頑張れ!!って言ってあげたかった場面が多々あったけど、この本は一番安心して読めたほっこりした本でした。

  • すーちゃんの恋
    37歳って難しい年頃
    子供を持つ、持たないの選択は買い物と違う
    欲しいからと言って手に入るわけではないし、いざ欲しいと思っても年齢的にリミットもある
    1年前には考えなかった想いが溢れることもある
    人間て複雑

    わかるわかるって思いながら読みました

  • カフェを辞めたすーちゃん、転職先は保育園の調理師。仕事は日々楽しんでいるようだけれどアラフォーとなり色々と思うところはあるようだ。久しぶりの恋にときめきを覚えるけれど彼女がいるという情報でブレーキをかけてしまう。落ち込むすーちゃん、わかるぅーと言いたくなる。

  • すーちゃん、土田さんといい感じ!!とワクワクしながら読んだ(^ν^)でも、結局は土田さんは彼女の元に落ち着いて少し残念だった。
    でも、すーちゃんが新しい職場で生き生きと働いてる姿は格好良かった!!

  • すーちゃんシリーズ4作目。

    ちょっと不器用な、すーちゃんの恋が可愛くて応援したい気持ちになる。成就して欲しい。

    結婚や出産は、大きな分岐点になるから、色々考えてしまうところに、とても共感した。特にアラフォーともなれば、出産のタイムリミットもあり、焦りや将来への不安もひとしおだと思う。でも重くなく、さらっと読めるところが好き。

  • ーこうゆうのもあたしなんだよな と思うあたしもいて
    こっけいだけど あきれちゃうんだけど、自分っぽいとゆーかさ まあ、なんか わかるというか
    いいところばかりにその人らしさがあるんじゃなくて
    おかしなところもある あたし全体があたしなわけで
    これが、味わい?みたいなものになっているのではないか?ー

    ーどんなふうに生きようと 最後の最後まで「自分」でしかないんだよな〜ー


    私として生まれた以上、私として生きていく
    当たり前だけど、大切なことを教えてくれました。

    ー好き嫌いをなくすというより、好きなものをどんどん増やそう
    このふたつは似ているけれど、同じじゃない-
    私もこんな生き方始めてみよう

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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