- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344423435
作品紹介・あらすじ
郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅。若き鉄道員・夏目壮太の日常は、重大な忘れ物や幽霊の噂などで目まぐるしい。半人前だが冷静沈着な壮太は、個性的な同僚たちと次々にトラブルを解決。そんなある日、大雪で車両が孤立。老人や病人も乗せた車内は冷蔵庫のように冷えていく。駅員たちは、雪の中に飛び出すが-。必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ。
感想・レビュー・書評
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お仕事もの。地方の鉄道で働く鉄道員が駅で起きた事件や不思議を解決する。
ただひたすらに電車を止めずに安全に動かそうと働く鉄道員たちは凄い。実際もこういうことあるんだろうなぁ。本当に頭が下がるなぁと思う。
就活がうまくいかない男子大学生は、なんというか青いなぁっていうキャラクター。よく野菜をくれるおばあちゃんと夫の幽霊はともかく、大事なものを忘れた女性は正直ちょっと迷惑では?なんかもうちょっと別な忘れ物ネタでもよかったような気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の鉄道は凄い。当たり前に電車が動く。
それも頑張っている人がいるからこそだと改めて気付く。 -
蛍川鉄道の藤乃沢駅を舞台に描かれる若き鉄道員・夏目壮太の物語、軽くテンポよく読める。
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郵便配達人といい、日常のあたりまえを一生懸命あたりまえにしてくれている人たちにスポットをあてるのが上手だ。壮太くんの老成したかんじも好き。そして表紙も好き。
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昔のホームドラマのよう。
読後、心が温かくなる。
続編も読みたい。 -
鉄道員の日常は、かなり忙しい。
大事な漫画家の原稿、駅を作った職人の家族
天災によって閉じ込められた人達、という
まったく関係ない3つの話…と思いきや、でした。
最後の最後で、そういうつながりが?! な
驚きでいっぱいです。
言われてみれば、そこかしこにヒントはあったかと。
冷静に状況を把握していく主人公もすごいですが
最後の天災で、一気に持っていかれた気がします。
そして駅長。
こういう駅長、すごくいいですよねw
とはいえ、これも騙されポイントでした。 -
毎日当たり前に運行する電車とそれを日々支える鉄道員たちの心あたたまるストーリー。駅長の正体にも注目!
(カウンター担当/アメリ)令和元年10月の特集「鉄道」 -
「俊平の憂鬱 その一」
明日電車が止まれば…。
これは彼だけでなく、通勤や通学する人がある意味みんな心のどこかで思っている事だろうな。
「亜矢子の忘れ物」
忘れ物では無く忘れられ物。
長年苦楽を共にしてきた者にしか分からない感情であるだろうが、読者よりも作者を一番に考えた彼女は素敵だな。
「俊平の憂鬱 その二」
姉の家に泊めてもらった日。
何気なく目にしている職業であっても、よくよく考えてみれば普段何をしているのか思いつかないものなんだよな。
「清江と、化けて出たダーリン」
除霊費を渡す為に現れた老婆。
彼の最後の言葉の意味は自らは信念を通したという宣言であり、ある意味元職場に関する告発でもあったのかもな。
「俊平の憂鬱 その三」
求められたはずがお断りされる。
就活の時にはあるあるな事かもしれないが、何回もこんな事を繰り返されると今後どうしたらとなりそうだな。
「俊平と、立派な髭の駅長」
駅員の全ての原点はここにあり。
仕事というのはお客様の為にする事だが、自然災害であろうと自分達に責任がある様に謝るのはこの職業だけかもしれないな。
「藤田俊平と、家族たち」
無事に就活を終えた彼は。
きっと彼にとってあの日が人生のターニングポイントであり、これから先ずっと忘れられない事になったろうな。