去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 3664
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424678

感想・レビュー・書評

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  • 映画化と聞いて家に持ってたので読破。
    中村文則の作品の魅力は鬱々とした心理描写だと思うのですが、この作品は妙に軽い印象。
    最後のどんでん返しを狙いにいってる感がある。両者とも狂ってるわな。後、伏線回収が説明ぽくなっちゃって、そこもあんまり好きじゃないかな。

  • 予想を超えた展開で、面白いと思う。心理描写も素晴らしい。狂気で狂っているから納得できるのだろう。

  • ライターの「僕」が、猟奇殺人事件の犯人に面会に行くところから始まる物語。
    女性2人が焼き殺された猟奇殺人事件の裏にある真実とは―?!

    冒頭で真相を知ろうとする「僕」に対して
    犯人の「覚悟は、……ある?」という問いかけは
    自分にも向けられているようでぞっとしました。

    犯人はもちろんのこと、犯人の姉や事件の関係者など
    取材する相手からは例外なく狂気や違和感が感じられ
    読んでいて決して心地よくはないのですが、
    事件の終着点が気になってページを捲る手が止まりません。

    時折挟まれる犯人からの手紙を通じて
    だんだんと犯人の心情も明らかになっていくのですが
    途中の手紙の最後の「きみは誰だ?」という言葉から
    だんだんと物語は姿を変えていき、
    二転三転し、全く意外なところにたどり着きました。

    まるごと騙されて、感嘆。
    伏線もみごとに回収されててスッキリ。
    (実際には物語が物語なのでスッキリ感はないけれど・・・)

    じめじめとずっとセピア色の雨が降り続いてるような憂鬱感。
    「狂気の沙汰」という言葉がとてもお似合いですが
    途中からそんな狂気にどんどん浸食されていくようで
    そんな狂気がもしかしたら自分の近くにも、
    もしかしたら私にも潜んでいるかもという不安感が後を引きました。

  • 思ったほど暗くなく、でも淡々と狂っている感じは底辺にずっと流れ続けているよう。
    単行本では書かなかったというあとがきがあることで混乱した。
    たぶん素直に読んだままで合っているとは思うけど...。

    ミステリーのトリックには重点を置いていなくて、ひたすら狂ってしまった人間の話が展開されるというところが中村さんらしいと言えるのかな。
    面白かった。

  • 何だろうね?いまいち本著者の作品は合わないが、本屋で良くアピールされているので、つい手に取ってしまう。

    狂気的とも言える殺人事件が起こり、刑務所にいる犯人を記者が取材すると言う形で、事件の本質があらわになっていく構成。犯人もその周りの人(姉、友人)もどこか狂気的部分を秘めており、暗いイメージを作り出している。このドロドロした部分の事は共感できるなと変に思いはした。(自分の変な部分を誰かに打ち明けたい、聞いて欲しい)
    が、しかしラストはしっくり来ず。話的にはきれいにまとめたかもしれないけれども・・・感。

  • これまでの中村文則の作品とは一味違ったストーリーだったように思う。復讐劇なのだが、ミステリー要素が含まれいる新たなストーリー。中村文則作品としては中の上くらいの作品。

  • 登場人物みんな歪んでいる。芥川の地獄変はよく他の作品でもモチーフになっていますが、その状況でも平凡な作品で終わってしまうという悲劇。

  • ■愛を貫くには、こうするしかなかったのか?

    ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は――。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!

  • なかなか凝った「本」だった。
    あまりにも自分勝手な登場人物で読了後 変な気持ちになる。
    だが一気に読める。

  • 途中からうつらうつらしながら読んでいたら、最後に衝撃の展開を迎えているような気がして読後に色々調べてみたら、特に把握している事実と異なることにはなってなかった
    先が気になる展開ではあるので一気に楽しく読めた

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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