- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344424678
感想・レビュー・書評
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ベストセラーになったミステリー小説の文庫版ということで大いに期待したのだが…
序盤から中村文則らしい人間の心の中をえぐり出すようなモノクロの描写が続く。これまでのどの作品よりもミステリー性が強いせいなのか、明らかにミスリードに誘うような粗い仕掛けが目立った。読み終えてみれば、終盤に端折ったような謎解きがあり、これまでの作品に見られた人間の心の裏表と真正面から向き合う誠実さは感じられなかった。
ライターの主人公は二人の女性を殺害した殺人犯を本にするため、刑務所に面会に行くのだが…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嫌いではないが気持ち悪い。心がざらつく。6年前読んだ時は嫌悪感しかなかったので、再読で印象が変わった作品ではある。様々な登場人物の倒錯した愛情と狂気が凄まじい。「きみは誰だ?」でもう1人の存在に気づいてから、面白さが増していく。一体何を読まされているんだと思っていたが、献辞を読んで納得した。カポーティの『冷血』読んでみたい。そして結局K2って何だったのか。
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1回読んだだけではよく分からなかった…。
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む、難しい…。星2は決して面白くないということではありません。私の想像力と語彙力の問題です。出直してきます。
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「何もかも憂鬱な夜に」に続いて、2作品目。
[何かを模倣したものを、僕がまた模倣したことになる。/その領域にいる感覚は、とても心地いいものだったんだ。]という一文の「模倣」ということばが頭からはなれない。
領域を超えた美と気狂が描かれた作品。 -
一つひとつの章が短めで、バスや電車で読むのにもいいなと思った。
それぞれの章によって語り手が変わるけどそれもわかりやすくてあっという間に読んでしまった、、
何かを執拗に追い求める愛は純愛に見えるようで方向が変わるととてつもない狂気になってしまう怖さがあった -
おーもしろかった〜!
普段は文学?に分類されるような本を読んでいて、ミステリー作品はあんまり読まないんですけど、友達に勧められて読んでみたら意外にも文章がとても美しくて文学的な要素も体感できました。そしてミステリー特有?の伏線&伏線回収とか最後に進むにつれて劇的に変わる展開とか「これがミステリーかー!!」って思わせるような要素も多く、ミステリー初心者の私にはうってつけの本でしたね!!
普段文学読んでてミステリーあんまり読んでないような私みたいな人がいたらおすすめですよー! -
猟奇殺人の被告木原坂が化物へと変貌して行く内面の葛藤。
歪んだ姉への愛、写真への固執それが映し出すもの…そんな内容にライターがどう関わって行くのか、そんなことを想像して読み進めたが、全く違った。
後半驚きの連続で、軽くパニック、淡々と落ち着いた雰囲気から一気に加速した感じに。
沢山の疑問と違和感は最後には全て回収出来た。
登場人物全員が"普通じゃない"のは現実離れし過ぎだし、それほどの憎しみを持っていたらしい弁護士の人物像が描かれてなかったのは残念だけど、沢山の伏線は見事。
姉弟が僕達にした行為を彼らの上で再現した復讐。
その真実を小説にしたものがこの物語そのもので復讐の最終形なんて、ほんとに良く出来てる。
僕は化物になったはずなのに僕は今でも君が好きだ…なんて綺麗な言葉では終われない、たとえ深い愛が理由でも到底擁護できない程、悪質で病的に細部にまで執拗にこだわった復讐の計画。
ある意味では完全犯罪。
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読みやすかった。
脳トレ。
はじめグイグイ引き込まれ、気になる〜だったのに、いつのまにか、え、だれ?になり、やがて、いったいどういうこと?で終わった。
結論→時間あったら、2回読もを。
映画もまた観てみます〜。