嘘 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.21
  • (3)
  • (16)
  • (30)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 158
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425231

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「どうして、どうして」と思っているうちにどんどん悪い方向に転がっていく姉。プロローグで既に「姉の死」が書かれていたからこそ「でもこの人は死ぬんだな」という奇妙な安心感と共に読むことが出来た。
    珍しく一気読みしてしまった話。

  • 想定通りすぎる結末…
    暴力と暴言は必要だった?

  • 両親を事故で亡くしてから12年、優しくて穏やかで美しい姉・由紀は、妹・美久の自慢の姉だった。由紀が、一人旅から帰って来るまでは…。180度、ガラッと性格が変わってしまった姉・由紀に、一体何があったのか…?

    姉の秘密が明らかになるまで、美久のウジウジして思った事も的確に言えない性格にイライラしながら読んでました。由紀の勝手気まま、ヒステリックで暴力的な振舞いにも。でも、この過剰なエキセントリックっぷりは、“何か”あるな、と。
    この“何か”は、もしかしたらある程度予測出来るかも知れないですが、それより、本書タイトルの意味が分かるとイヤミス! 妹よ、私が姉なら絶対に一筆残しといてやる…。
    というわけで、姉妹愛の美しいお話でした。(『嘘』)

  • 謎の一人旅の後、変わってしまった由紀。困惑する妹の美久と由紀の婚約者悠介。どうして由紀は変わってしまったのか…。

    由紀の気持ちも分からなくもないけど、正直何もここまでの態度(暴力とか暴言とか)を取らなくてもな…と思ってしまった。最終的に美久が由紀の気持ちを汲み取って、いい感じに終わってはいるけど、振り回された人たちにとっては後味悪い気も…。

  • 「嘘」
    幸せな姉妹の生活の崩壊。


    由紀は上品で穏やか、仕事も出来て容姿端麗。美久はそんな姉を誇らしく思っていた。だから姉に嫉妬することなく、2人で支え合いながら暮らしてきた。そして、まもなく由紀は結婚して幸せになる。美久はそう思っていたが、一人旅から帰ってきた由紀は、今までの由紀ではなくなった。一体なぜ彼女は変わってしまったのか。


    タイトルが嘘であることから、十中八九由紀の豹変には嘘が絡んでいるだろう。明らかになった真相は、確かに嘘があり、それは美久を思ってのものだったのだが、果たして由紀の判断は正しいかったのか。美久も由紀の意図を汲む形で、人生を送っていくことになるのだが、果たして美久もこれで良かったのだろうか。


    この2人の気持ちに共感出来るかどうかは分かれそうだ。個人的には、由紀の気持ちは分かるが、だからと言ってこの遣り方はとって欲しくはなかったなと。楽しい思い出があるから別れが悲しくなるのではなく、楽しい思い出があるからこそ悲しみを受け入れて、残されたものは生きていけるのではないか。


    恐らく由紀は美久が自分の嘘を見抜くことを予想していたのだろうが、その嘘に気づいてしまった美久は、由紀の気持ちに応えたいとは思いながらも、それは悲しいよ、お姉ちゃんと思ったに違いない。今は良くても数年後、美久はきっと後悔してしまうのではないか。それは相手が仲が良かった、好きだった姉だからこそ、きっと。

  • 明野氏の本は初めて読んだが、読みやすく好きな作家の1人となった。

    旅行後の姉の豹変…うーん、ガンって結論に納得できるようなできないような。最期の時間をいいお姉さんのままでいて欲しかったような…辛かったとしてもそれでいいような…。余命宣告をされるとこういう気持ちになるのか。

    何はともあれ、引き込まれて半日くらいで読みきってしまいました。

  • うーん。動機はこれでいいのか。
    とはいえ変わった由紀がすさまじく、ぐいぐい読まされてしまう。面白かった。

  • 姉の豹変に妹は翻弄されながら姉の婚約者と何故変わったのかを調べていく。妹が1人で暮らしていけるようにと頼る人を婚約者にと。。

  • 先が気になって一気に読了。姉の豹変ぷりは正直腑に落ちない部分は多々あるけれども、きちんと伏線は回収しているかなと。

  • 2027.12.17-103

全28件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

明野照葉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×