アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 18399
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426313

感想・レビュー・書評

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  • オーディブルにて。

    伊坂幸太郎はずーっと昔に、ゴールデンスランバーを映画で見て面白くて、小説を何冊か続けて読んだ記憶がある。
    いくつかの関係ないような話が、少しずつ交わり、最後にバタバタっと絡んで伏線は全部回収するタイプ、と憶えていた。(ちなみにそういうタイプ大好き)

    今回の話は何時ごろ書かれたものだったんだろう、と調べたら2014年だった。ゴールデンスランバーは2007年。そんなに隔たりは無いか。
    でも今回のは、時系列が行ったり来たりが頻繁すぎて、楽しむには無理があった。オーディブルだったからかもしれないけど。あとがきが始まって、え?!と声がでちゃった。これで終わり?って。

    いじめっ子だった彼女はどうしたのだろう、あの話そのままだよね?
    なんでこの人と結婚したのと娘にまで言われるお父さんの魅力も最後までわからなかった。
    全体的に、納得した部分が少なすぎた。

  • 散り散りと現れるキャラクターたちが紡ぎ出す物語。伊坂幸太郎さんらしい特殊能力の持ち主は登場しませんが、それがよりそれぞれの人間らしさを醸し出し、最後まで読んだとき、胸が熱くなりました。今度ふらふらと街のどこかに「斎藤さん」いないか、探しに行こう。

  • 伊坂幸太郎さんの作品はやっぱり心に響きますね!

    登場人物らが何らかの運命により巡り巡って出会いを繰り広げる短編集に見せかけた長編小説です

    今作は恋愛要素が高く、今までの系統とは少し違った感じでしたが、根本的な作風は変わらず伏線回収の上手さや日常会話のセリフに名言を入れるなど伊坂幸太郎さんらしさがあり、とても楽しめました

    文中のセリフで特に気に入ったのは
    「これが出会いだ、ってその瞬間に感じるんじゃなくて、後でね、思い返しして、分かるもの」

    私も一つ一つの出会いを大事し、これからの人生を歩んでいきたいと思います

    勝手に自己宣言してすみません笑

  • 読み終わってとても幸せな気分になった。すごく好きな本。
    色々な人の「出会い」が、人生が、絡み合っていく話。短編集と思いきや、すべての話が時には時空を超えて繋がっていく。一気読み推奨。
    特に好きだったのはライトヘビーの章。銀行の記帳の話も印象的。あと、現実に今の状況を言えばそれに合った歌詞を流してくれる斉藤さんみたいな人がそばに欲しい。
    当たり前だけど忘れがちな、人と人は繋がっているんだということを改めて実感した。コロナ禍だからこそ読んでよかった作品。ぜひ人におすすめしたい。

  • お得意の伏線回収系群像劇。犯罪っぽいことや命がけみたいなことが絡まず、楽しく読める。
    そうかあの男子はモデルになったか、と親戚のおばさんみたいな気持ちになったり。

  • 映画化の広告を見て、図書館で借りた。
    短編集と思ったら、登場人物が繋がっていて、もう一度関係図を書きながら読み返した。結局試合の結果はどうだったのか…どっちでもいいや!か(笑)

  • 読み進めていくにつれてあらゆるところで、人物たちが実際にありそうな絶妙な繋がり方をしていて面白かった。どんなにわずかで一瞬の出会いであっても、ひとつひとつの出会いがこれからの人生にどんな影響を与えるのかはその時には分からない。だからかそ出会いを大切にして、将来あの出会いはあって本当によかったと思えるような生き方をしたい。そう感じさせてくれる、人と人との繋がりの温かさを教えてくれる一冊。

  • 「これが出会いだ、ってその瞬間に感じるんじゃなくて、後でね、思い返して、分かるもの」

    “出会いがない”というすべての人が捕われている呪縛をこれほどまでに軽快に一蹴する一言があっただろうか。

    伊坂幸太郎が描いた、おそらく初となる「現在進行形」の恋愛小説集は、恋愛短編のようで、蓋を開けてみると10年に及ぶ何気ない”繋がり”を描いた物語に仕上がっていた。

    斉藤和義から依頼を受けて始まった短編たちは、涙を頂戴するわけでもなく、胸を締め付けるでもなく、ただそこに在る何気ない出会いたちを、1人のボクサーの歩みとともに淡々と、最後は臨場感たっぷりに描く。

    お得意の伏線を各編に散りばめつつ、『ナハトムジーク』で一気に畳み掛けるように回収していく様は圧巻で、期待を裏切らない安心感を抱きながら点と点が繋がるさまを眺めてしまった。

    私は、恋愛に疎いと自称しながらも、斉藤和義による”出会いとはの謎かけに”小夜曲”と答える伊坂幸太郎が愛しくてたまらない。

  • それぞれ独立した話ではあるがどこか繋がっていて、それに気付いた時嬉しくなる。優しい気持ちになれる作品だった。

  • 伊坂幸太郎さんには珍しい恋愛小説です。ご本人もあとがきでこのタイプのお話は本当に初めてだと言われていますが、そのきっかけを伊坂さんに与えてくださった斉藤和義さんに感謝!
    「出会い」がテーマの短編集ですが、ストーリーはつながっていて読み応えのある内容です。ただ、登場人物と時系列が入り乱れているため、何度も何度も「このキャラはもしかして!?」と既に読んだ部分を読み返しました。これがまた楽しくもあり、人によってはややこしいと感じるかもしれませんが、私は大好きなタイプのストーリー構成です。いくえみ綾さんのコミックスも今読んでますが素敵に面白いです。藤間さんがとてもイケメンでした笑
    実を言うと伊坂幸太郎さんの本は、女性の描写が淡々としていて少し苦手だったのですが、この本に出会って印象が良い方に変わりました。ほかの作品も読んでみたい!
    個人的にはいじめっ子がどうなったのか気になります。
    でもみんなほぼ幸せハッピーな雰囲気で終わるので、とても良い読後感。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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